地域包括ケアシステムについて:平成27年6月定例議会一般質問①(問答) | 上田ゆきこのブログ

地域包括ケアシステムについて:平成27年6月定例議会一般質問①(問答)

<様々なステークホルダーの声を生かした地域包括ケアシステムについて>

<質問1>
 在宅医療・介護の促進については、在宅医療を選択できる地域医療連携が必要であり、そのためには、医療・介護・地域(住宅含む)の切れ目のない連携の礎になる「顔の見える関係づくり」が必要である。顔の見える関係づくりはこれまでも課題とされてきたが、今後さらにどのような工夫で取り組むご予定か。

<答弁1> 
 昨年度、地域の大学病院や三師会等を構成員とした、地域医療連携推進協議会の在宅医療検討部会ワーキンググループにおいて、「医療・介護それぞれの実情を踏まえた専門職種内での顔の見える関係づくり」等が解決の方向性として出されている。こうした議論を踏まえ、医療機関同士での、顔の見える関係づくりや、地域で療養系機関の担当者同士で情報共有を進めていくことが必要だと考えている。そのため、区が関係機関との調整を行うことで、円滑な連携推進のための「場」」の提供などを進めていく。




<質問2>
 福祉部と保健部の縦割りを解消して超高齢社会に対応するため、千葉市のように福祉保健局を設置する自治体もある。文京区は在宅医療部会を含む地域医療連携協議会と地域包括ケア推進委員会等が今も分かれている。在宅医療・介護に関わる会議体・組織を一体化させ、地域包括ケア推進のために取り組まれた方がいいと思うが、お考えを聞かせていただきたい。

<答弁2>
 本年度より、地域包括ケア推進委員会に、医療介護連携専門部会を設置した。本部会と地域医療連携推進協議会の在宅医療検討部会を兼ねて、一体的に運営することにより、地域包括ケアの推進に取り組んでいく。



<質問3>
 国家戦略特区の指定を受けている文京区の急性期病院のいくつかは特区の高度先進医療施設の指定を予定されており、急性期病院とかかりつけ医との分担がさらに求められている。そもそも文京区を含む二次医療圏、区中央部は日本一多くの急性期病院を抱えながら、日本一の昼間人口をカバーするために忙しく診療を行っている。都医師会も身近な地域のかかりつけ医の役割を明確化し、その重要性と啓発を強めようとしている。区民の皆様にかかりつけ医をもっていただくことの啓発をさらに強めていくべきと考えるが、方策について聞かせていただきたい。

<答弁3>
 高齢者になっても、地域で安心して豊かに暮らし続けるためには、在宅での療養が受けられるよう、かかりつけ医を持つことが重要であると考えている。平成23年度に実施した、健康に関するニーズ調査によれば、区民の7割程度が、かかりつけ医を持っており、前回調査と比べて増加傾向となっている。本年度は、かかりつけマップを全面改訂し、配布していくこと等で、かかりつけ医等の普及啓発を進めていく。



<質問4>
 認知症施策の推進は、以前よりご提案申し上げていた軽度認知障害(MCI)の発見について、取り組みを進めていくとともに、患者の満足度、安心感に配慮していくことが必要である。適切なインフォームドコンセントによる患者自身の意思決定のサポート、患者の声を医療機関・行政にフィードバックするしくみづくりも今後検討される「標準的なケアパス」の中に盛り込んでいきたいと考えるが、いかがだろうか。

<答弁4>
 本区の認知症ケアパスは、医療・介護職や高齢者あんしん相談センター職員、認知症患者のご家族などで構成される、認知症ケアパス検討専門部会において作成している。それぞれのお立場から、実践に基づく様々なご意見をいただき、ケアパスに反映させていく。その中で、ご指摘の患者の意思を尊重するよう、配慮していく。



<質問5>
 高齢者のQOL向上そして財政両面から考えても、介護予防の推進は最重要課題である。先日開催した上田ゆきこ区政セミナーで、介護予防のための外出機会をどう増やすかというグループワークを行ったところ、高齢の参加者の方が、自ら、「婚活」や「映画鑑賞会」など、いきがいづくりに関する具体的な意見を多くおっしゃっていた。生活支援・介護予防サービスの基盤整備のためにも、ワークショップやグループインタビュー等の「質的調査」を行い、高齢者の方にご自身の意見を取り入れたいきがいづくり、社会参加メニューを進めていっていただきたいと思うが、いかがだろうか。

<答弁5>
 高齢者が、介護予防事業等に参加する際には、ご自身の興味・関心が影響するものと考えている。高齢者のニーズに合ったメニューについては、本年度実施している健康質問調査において、高齢者の興味・関心に関する項目を設けているので、その結果を踏まえ、検討していく。



<質問6>
 昨年度始められた地域ケア会議についてお伺いする。現場の声を地域包括ケアシステム構築にフィードバックするという意味で、地域ケア会議は重要な役割を果たしていくことが期待されている。しかしながら、参加者からは、まだまだ地域ケア会議の効果を感じるところには至っていないとの声も聞かれる。昨年度の地域ケア会議の実施状況をどう検証されていくか。そして、今後どのように地域ケア会議を改善していかれるか。地域ケア会議のポイントとして、構成員の中に経験豊かなファシリテーター役が必要と考える。例えば、私が見学した和光市の地域ケア会議では、特に部長のファシリテーション技術、ベテランの管理栄養士によるケアプランへのアドバイスが的確で印象的であった。地域ケア会議の効果を上げていくための会議運営のあり方をどう向上させていかれるか、お伺いする。

<答弁6>
 昨年度は、高齢者あんしん相談センターごとに、4センター計10回の地域ケア会議を試行的に開催した。その結果、地域ケア会議の持つ、地域づくりやネットワーク構築機能を発揮するためには、出席者同士が、闊達に議論する仕組みづくりが不可欠であると考えている。このため、本年度は、地域ぐるみの支え合いの仕組みの構築を主眼にし、出席者及び司会役を担う各高齢者あんしん相談センターが、共通認識を醸成するよう工夫を凝らし、一体感や達成感のある会議運営を図っていく。