平成20年第二回定例会 本会議 一般質問 (平成20年6月10日) | 上田ゆきこのブログ

平成20年第二回定例会 本会議 一般質問 (平成20年6月10日)

新風会の上田由紀子です。平成二十年第二回文京区議会定例会に当たり、新風会を代表して区長並びに教育長に質問いたします。どうか誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。

 質問は大きく、基本構想の見直しについて、区民にとって便利な区役所づくりについて、待機児童対策について、後期高齢者医療制度と保険料誤徴収について、まちづくりと都市計画道路についての五点です。

 二十年度は成澤区長初の予算編成でスタートし、いよいよ本格的に新体制での新しい区政が始まりました。

 そこで、まず一つ目に、基本構想の見直しについてお伺いいたします。

 今後、文京区におきましては、第五中学校と第七中学校の統合校建設に続けての教育センター・福祉センター、総合体育館、鴎外記念室などの改修・建て替え計画など、多くの大規模建設・改修事業が予定されております。それと同時期に新基本構想、新行革プラン、観光ビジョン、都市マスタープラン、障害者福祉計画、介護保険計画などの諸ビジョンの検討、策定も行われる計画になっております。当然、それらの建設・改修計画と諸ビジョンの策定は、互いに影響し合うと思われます。ついては、相互に関連し合う個別計画の整合性をどのように図っていくのかお伺いいたします。

 また、それぞれに協議会を開くなど、区民の意見を聞いていかれるおつもりであろうとは思いますが、議論の展開次第では、幾つかの計画がずれ込むことが考えられます。自治基本条例制定後初となる基本構想の見直しに当たり、同条例の趣旨をどのように生かしていくのか、基本構想の見直しのスケジュールと議会とのかかわりや住民参画をどのように進めるのか、今後の方針、これからの区長の決意を改めてお伺いいたしたいと思います。

 二つ目に、区民にとって便利な区役所づくりについてお伺いいたします。

 どの業種においても、窓口業務は企業の第一の顔であります。特にサービス業を営む会社にとっては、何よりも重要度の高い分野と言えます。行政も、そもそも区民に向けてのサービス業であるとの観点に立てば、受付業務を大切にしていかなければなりません。まず、区民が最初に行政に接点を持つ段階でいかに好感度を高めていくかは、区民サービスの向上にとって不可欠なことであり、窓口対応はそれだけで自治体のよしあしが判断されかねないというくらい大事な問題です。そのために、窓口業務の改善は今までも何度も見直しがなされてきました。そのおかげか、ホスピタリティを高める職員研修などを行っている文京区では、窓口対応は大変さわやかで、すばらしいと思います。

 しかし、一部の区民の方々にあっては、対応のスピードが遅かったり、見当外れのところで最初に受付をしてしまい、後でたらい回しになるということがままあります。このような場合、区民の大きな不評をかってしまいます。

 住民票を取りに来たというように、目的がはっきりしている区民の方は問題ありませんが、日常生活の困り事などを行政にお願いする際に多くの区民は行政の各部署、その組織のあり方に精通しているわけではないため、そもそもどの部署のどの窓口に行ったらよいのかわかりません。だれに対しても、まず最初に担当部署、担当者名や期限と必要書類などを明確に御案内できれば、区民にとっても行政にとっても大きな労力の削減になります。たらい回し解消の対策として、行政情報センターのあり方を見直して、来庁者の窓口対応や電話での質問対応の一本化に対応できないか見当されていると聞きましたが、お考えを詳しくお聞かせください。

 さらに、このようなことは役所の窓口だけではなく、電話で問い合わせがある場合もあります。そこで、休日や夜間にもある程度対応できるように、何でもコールセンターを開設することができないかと考えます。

 杉並区や新宿区を初めとして、二十三区でもコールセンターを設置している区がふえてきています。開設に当たって、外部委託による新たな経費負担などの問題もありますが、受付業務全体での効率化が実証的に確保されれば見当する価値があるのではないでしょうか。また、台東区でされているように、再任用職員の方を活用して経費を抑えている区もあります。

 コールセンターにかかってくる質問は大きく、一、簡単な内容でよくある質問、二、悩みなど、よく聞いてそしゃくして的確な部署を案内しなければならないもの、三、緊急なものか、もしくはクレームなどの時間のかかる案件の三つに分けられると思います。比較的単純でよくある質問であれば、杉並区のコールセンターのように求人誌で募集したアルバイトのオペレーターさんでも受けた電話でそのまま質問を解決することが可能です。一方、込み入った案件を整理して的確な部署に案内したりするためには、ある程度、行政についての詳しい知識が必要ですので、行政情報センターに配置されているベテランの方などが対応していただく必要があります。また、緊急なものの場合はさらにすぐに所管課につないで対策を取ってもらうまでの対応を行う必要があります。

 文京区では、現在、行政情報センターの電話で再任用職員の方たちが区民の相談も受けているようですが、夜間や土日は留守番電話になっており、その件数は年間を通しても非常に少ないものでした。しかし、五月二十五日号の区報に行政情報センターの電話番号を載せてからは問い合わせが多くなってきたそうです。この行政情報センターの電話相談をベースにしていけば、何でも聞ける利便性の高いコールセンターをつくることも可能だと考えます。今後、文京区でのコールセンターの設置についてはいかがお考えでしょうか。

 また、休日窓口や夜間窓口を実施する区が、ことし二十三区中二十区にふえるそうです。休日・夜間の窓口対応で多いのは、住民記録や印鑑登録の証明書発行だそうです。文京区では、図書館などの区民サービスコーナーで土日も証明書発行業務を行っていますし、また、戸籍住民課の方が夜間受付で埋葬許可や婚姻届などの受付をされていますが、利用者のニーズにこたえて夜間・休日の窓口サービスをさらに拡大していく自治体がふえています。

 練馬区では、平日夜間・休日に住民税などを納められるコーナーを本庁舎一階に開設したそうです。国保料、介護保険料など七種の公金を一つの窓口で収納可能にし、収納業務は約一千二百七十万円で民間委託され、練馬区の試算では約一億円の収納を見込んでいるそうです。

 文京区では、夜間・休日のサービスコーナーでの業務を拡大していくことについてどのような見当がされているのか、お聞かせください。

 また、サービスを拡大していく場合、職員の勤務体制もシフト体制やローテーション、フレックスタイムの導入などの検討が必要になります。現在も図書館のサービスコーナーでは早番、遅番のシフト体制がほぼできていますが、サービスを拡大した際の職員の勤務体制についてどのようにお考えかお聞かせください。また、再任用職員も含めたローテーションを組むことも考えられるのではないでしょうか。お聞かせください。

 三つ目に、待機児童対策についてお伺いいたします。

 文京区では、ことし四月現在での保育所待機児童数が百人を超えるなど、深刻な待機児童問題を抱え、待機児童解消のための緊急の対策が必要な事態になっております。二十年度予算委員会でも、新風会は公立と私立、幼稚園と保育園の壁を超えて、今までの事業並びにスペースの総点検をし、総力を挙げて緊急対策を講じ、特に深刻な待機児童数を解消する抜本的な対策として、まず、区内幼稚園の幼保一元化園への転換を進めることを要望いたしました。

 また全国的にも、厚生労働省は、就業人口の急速な減少から、女性の就業率を高めるため、保育サービスの拡充が緊急の課題になっているとし、ことし二月に待機児ゼロ作戦を発表して、今後十年間で保育を受けるゼロ歳から五歳児を百万人ふやし、放課後児童クラブについても定員を百四十五万人ふやす方針を打ち出しました。また、在宅勤務やパートタイムでの就労など、働き方が多様になっている状況に合わせて、フルタイム勤務を前提とし、保育に欠ける状態という保育所入所要件を見直し、客観的にサービスの必要性を判断する新たな基準の導入を目指しています。保育サービスを量的に抜本的にふやすため、認可保育園中心のサービス提供体制を見直し、保育ママの活用など、多様な主体による保育サービスの提供を促そうという流れになってきています。

 柳町こどもの森も三年目を迎え、毎月、学務課学事係と園との打ち合わせ会が行われているなど聞いておりますので、この二年間の検証も進んでいることと思います。保育士と幼稚園教諭の勤務体制の問題やPTAの協力づくりの問題、園児にとっては夏休みがある子とない子がいることや、休み明けの友達関係の心配など、さまざまな課題が浮き彫りになってきたことと思います。検証内容について詳しくお聞かせください。

 さらに、柳町こどもの森の検証を踏まえて、今後、幼保一元化園への展開をどうしていくのか、お伺いしたいと思います。

 また、深刻な待機児童数解消のために緊急に対策をとることは必要ですが、同時に長期的な視野で見た場合の財政負担を考えると、安易に区立保育園の増設などは難しい状況と考えます。今年度の深刻な事態に関して、企画政策部が座長となった保育所待機児童緊急対策会議が開かれていますが、今後の待機児童数の動向をどう考えているのか。それに対応して、長期的にはどのような対応策を見通しているのでしょうか。

 今後、この保育所待機児童は育成室の待機児童になっていくと予想されます。育成室の待機児童対策についてもあわせての検討が必要と考えますが、いかがお考えでしょうか。お聞かせください。

 昨年、区内にある私立幼稚園同仁美登利幼稚園が、認証保育所を併設しました。都と区が折半で三千万円の補助を行ったと聞いています。新たに保育園を一つ建てるとなると、建設費や維持費、人件費などで十億円を超える財政負担があると言われている中、区からは二千五百万円の支出で後年度負担もなく待機児童が吸収されるのであれば、このような方式の認証保育所の開設などの協力を働きかけていく価値があるのではないでしょうか。

 区内には、ほかにも同仁美登利のように都の要綱に定める認証保育所開設に関する条件を満たす幼稚園などの施設があるかもしれません。施設によっては、給食室の整備など設備投資にかかる額が多少違うかとは思いますが、場合によっては区独自で事業者側の認証保育所開設が誘発されるような効果的な補助金額の設定や見直し、少なくとも試算を行うことを検討することはできないでしょうか。

 また、新風会は、かねてより子育て支援に関する部署が男女協働子育て支援部に集約されておらず、ばらばらにあることで総合的な対策をとることを難しくしているのではないかと指摘してまいりました。これまでの縦割り的なあり方ではなく、いろいろな問題があることはわかりますが、緊急事態ですので、例えば公立幼稚園での預かり保育の実施など、さまざまなバリエーションでの待機児童対策が考えられます。また、全庁的に学校施設などの余裕スペースの状態を調査なさっているようですが、待機児童対策に対してどのようなお考えと方向性をお持ちでしょうか。別々の部署からのばらばらの答弁ではなく、区として子育て支援に関しての今後のスタンスをお伺いしたいと思います。

 四つ目に、後期高齢者医療制度と保険料誤徴収についてお聞きします。

 制度の改正に当たり、文京区において人的なミスによる保険料の誤徴収が起きてしまいました。もともと制度そのものに対する不安やわかりにくさによる不信感があり、それが誤徴収によってより区民の大きな怒りにつながったようです。当初から、「パソコンが使えないのでホームページの説明は見られない」、「パンフレットを見ても難しくてよくわからない」などの声が聞かれていました。まず、制度改正前に一般区民に向けた説明会の開催等、区民への説明及び疑問に対して答えていく活動を十分に行うべきだったと思いますが、十分だったとの認識でしょうか。

 足立区では、四月以降もまだ制度について高齢者に十分な理解が得られていないという認識と、いくら資料を使って説明しても、ただ聞いているだけではわかってもらいにくいという思いから、自分のおよその保険料が手っ取り早くわかるように、はい、いいえ、及び計算式に従っていくと、自分の保険料が簡単に出せる仕組みの手づくりの手計算シートを作成して説明会を行っているそうです。

 文京区でも、アカデミーの出前講座に登録し、要望に応じて説明会を行っていますが、さらにわかりやすい説明のためにどのような工夫をされているのでしょうか。

 また、説明会は単に制度の説明だけではなく、御意見を聞く場でもあると思います。説明会で出た御意見は広域連合に送り、現在、広域連合にて六十二区市町村すべての検討課題の集約をしているそうですが、文京区も能動的に課題を洗い出す必要があると考えます。政府もこの医療制度の見直しを検討しているようですので、区民の方の声を把握してボトムアップを図っていくことは重要だと思います。台東、港、荒川は区を挙げて検討会を立ち上げているようですが、文京区も独自に意見集約を行っていくことをお考えでしょうか、お伺いいたします。

 窓口でも説明会でもさまざまな御意見があるようですが、最も不安視されているのは医療の質が低下するのではないかという問題です。東京都の医師会でも、医療の内容は変わらないというお知らせを出していらっしゃいますが、今後とも継続して不安を取り除くための広報をしていくことが必要です。医療の質の担保については、中央社会保険医療協議会が医療機関に積極的に干渉していく体制だと聞きましたが、区も区内医療機関には医療の内容の維持を確実に指導していただきたいということと、低所得者にはセーフティネットがあるということの周知の徹底を要望いたします。

 今回の誤徴収は、保険料確定の時期のおくれによる混乱や、システムエンジニアなど人員の不足が原因との認識のようですが、それ以上に電算化の作業の水準について、区と委託業者であるNECとの間で議論ができていなかったと考えます。今回の事件が発生した要因について、検証は徹底して行うべきです。区としては、事件の要因の検証をこれまでどのように行ってきたのでしょうか。そして、検証結果はどのようになっているのか、お伺いいたします。

 今回の事件の要因の一つに、NECとの打ち合わせに管理監督責任のあるはずの情報政策課職員が同席できず、国保年金課の担当者とNEC担当者のみでデータ処理の打ち合わせが行われたこともあるのではないかと言われています。民間委託、アウトソーシングをしても、職員が委託先の業務を監視していくことが大きな課題となっています。今回の事件を契機に、委託業者に対する指導強化、現場指導するに当たって区の職員においてもシステムエンジニアの資格があったりするなど、専門知識を持った職員が行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。

 東京都は今年度、ITを利用することで業務改革を推進できる人材の育成・確保を強化し、IT部門を担う中核的な人材については中長期的な視野からIT製造販売会社とも対等にわたり合える人材の育成を図っていくそうです。また、ITのスキルレベルや経歴、資格等の把握を進めて、IT人材の配置状況などIT人材情報を整備し、スキルの高い人材はITの中央管理部門だけではなく、各局の企画・立案など、さまざまな部署でITスキルを活用できるよう道筋を示し、局横断的に配置管理していくためのキャリアパスも用意していくとのことです。

 そこで、文京区としては、技術職職員の確保を今後どのように進めていくおつもりなのかお聞きします。

 庁内システムの電算化については、現在、NECと引き続き行っていくようですが、このような大問題を引き起こしたNECはどのような改善策を出してきたのでしょうか。今後、業者の切りかえの検討も含め、改善をどのように図っていくのでしょうか。また、今後の委託業者選定基準については、どのように定めていくのか。今回のようなことが起こらないよう改善されているのか、お聞かせください。

 葛飾区は、これまでシステムを契約する際の基準が定められておらず、担当職員の経験などに依存していたことを反省し、契約の適正化、透明化を図ろうと、情報システムを導入する際の契約方法などのガイドラインを策定しました。ガイドラインは、システム導入の効果などをまとめた「企画」から、導入を経て、システムの安全性を点検する「評価」までの手順、外部の専門家の設置や入札などの方法なども載せているそうです。

 システム導入にかかわるたび重なるトラブルの再発を防ぐためにも、文京区でもこのようなガイドラインの策定を検討されてはいかがでしょうか。お考えをお聞きいたします。

 システムエンジニアのキャリアや能力は非常に重要な問題ですので、業者にもシステムエンジニアの質の確保を強く要請していただきたいと要望いたします。また、現在、新基幹システムの入れかえの中、移行期の業務や確認作業を人が手作業でやっていたりすることもあると聞きます。今回のような人的ミスを減らすためにも、できるだけ早くシステム開発を終わらせていただきたいと思います。

 最後に、文京区におけるまちづくりと都市計画道路についてお聞きいたします。

 昨年の「週刊ダイヤモンド」誌上で、一番住みたい街の称号をいただいた文京区が、よりすばらしい区になるため、まちづくり、とりわけハード面でのまちを考えるとき、都が抱えている都市計画道路計画を抜きには考えられません。

 昨年から根津地区においてまちづくりを考えるためのワークショップをつくり、地域全体が動き出したのを機に、会派としても改めて研修をさせていただきました。現在、不忍通りの拡幅は二期工事に入り、これに加えて環状三号線計画が横たわっており、地域のまちづくりは複雑なものになっています。この間の地域の方々の御努力を考えても、都市計画道路の事業化というものが大変時間のかかるものであると今さらながら実感させられます。第一次事業化計画が始まったのは昭和五十六年と聞きます。蛇足ですが、私の誕生した年で、自分の生きてきた時間を考えましても、気の遠くなるような時間の流れです。まちづくりは、その計画の進捗を将来的によく見極めて政策の判断をする必要があると思うのです。二期工事がスタートした根津地区のまちづくりは、まちの皆さんの英知を集めたより一層の御尽力をお願いしたいと思います。

 そこで質問いたしますが、第一次のワークショップ後の御予定をお聞かせください。

 都と二十三区は、第三次事業化計画の検討の中で整備方針を決めました。不忍通り二期工事以降の第三次事業化では、交差点の改良での渋滞解消のみで、既成道路区間拡幅は事実上、棚上げということになったと理解いたします。事業化計画の平成二十七年度以降との検討ですから、事業化の歩みの速度から考えますと、早く見積もっても三十年はかかると予想されます。

 私どもの会派は、委員会などで、三十年、かかれば五十年と手つかずの状態になるのは、まちづくりに支障を来すことでもあり、その間のまちづくりは政治、行政の責任と主張してまいりました。この主張を重く受けとめていただき、いろいろな角度から検討に入ったと聞いております。まず、第三次事業化計画と不忍通り拡幅についていかがお考えか、区長の御認識をお聞かせください。

 とりわけ、二期工事以降予定されていた千駄木二丁目、三丁目の不忍通りは歩道が狭隘であり、歩道内に電柱が設置されているなど、歩道交通の円滑化を地域の方から要望されており、緊急な課題だと考えますが、どのように対応し、また、沿線のまちづくりをどのように考えていくのでしょうか。地域では、まちづくりなどの協議会をつくる動きも出ております。行政として現在いかがお考えか、また、将来展望はいかがか、お聞かせください。

 働き方や区民ニーズが多様化していく現代、自治体も縦割り的な行政を見直して、組織横断的に総合的な政策をつくっていかなければならない時期に来ております。今後とも、職員の皆様には区民の満足度を大切にする柔軟な行政運営を進めていただくようお願いいたします。

 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

   〔成澤廣修区長「議長、区長」と発言を求む〕

○議長(橋本直和)  成澤廣修区長。

   〔成澤廣修区長登壇〕

○区長(成澤廣修)  上田議員の御質問にお答えいたします。

 最初に、基本構想の見直しに関する御質問にお答えします。

 まず、大規模な施設建設計画等と個別計画との整合性についてのお尋ねですが、本区の計画は基本構想のもとに実施計画があり、実施計画との整合性を図りながら、それぞれ個別の計画を策定しているところであります。また、大規模な施設建設については、実施計画ないしは個別の計画の中に可能な限り位置づけをしているところであります。これらの計画が、法制度との関係等により、その策定年度やスパンにおいて必ずしも重なり合うわけではありませんが、見直しを行うことにより整合性を図っているところであり、大規模な施設建設と個別計画との関係も同様に、個別計画の見直しにより、その整合性を図っているところであります。

 次に、基本構想の策定に当たり、自治基本条例の趣旨をどのように生かしていくのかとのお尋ねですが、自治基本条例においては、区民、地域活動団体、非営利活動団体、事業者及び区が対等の関係で協力し、地域社会の課題を解決する協働・協治を「文の京」の自治の基本理念としております。したがいまして、この趣旨を最大限尊重し、ワークショップ、シンポジウムなど、さまざまな区民参画の手法と重ねることにより、協働・協治による基本構想の策定を進めてまいりたいと考えております。

 次に、基本構想の策定のスケジュール、議会とのかかわりや住民参加の手法についてのお尋ねですが、区議会とのかかわりにつきましては、基本構想を策定する会議体の設置に当たり、そのかかわり方について区議会とも協議させていただきたいと考えております。さらに、進捗状況についても適宜御報告し、御意見を伺ってまいりたいと考えております。また、区民参画については、ただいまお答えしましたように、新たな試みを含め、より広範な区民参画を図ってまいりたいと考えております。

 なお、策定スケジュールについては、平成二十二年六月を目途とし、約二年をかけじっくりと区民とともに本区の将来の姿をつくり上げてまいりたいと考えております。

 次に、行政情報センターのあり方と、休日や夜間にも対応できるコールセンターの設置についての御質問にお答えします。

 行政情報センターのあり方については、今後、第三次行財政計画推進計画の策定の中で検討してまいりたいと考えております。

 また、コールセンターは、平成十三年の浜松市の開設後、政令指定都市や人口二十万人以上の市や特別区を中心に開設が進んでおります。区民サービス向上が最大のねらいであり、たらい回しの防止、業務の効率化などの効果が報告されております。一方、運営コストの問題もあり、費用対効果の検証も必要と考えられておりますので、今後、慎重な検討が必要と考えております。

 次に、夜間・休日のサービスコーナーでの業務拡大に関する検討についてですが、現在検討を行っている第三次行財政改革推進計画の中で、夜間・休日の業務の拡大については、土日窓口の開庁、ワンストップサービス、区民サービスコーナーの見直し等とともに、区民サービス向上の観点から取り組むべき重点的な検討課題と考えております。第三次行財政改革推進計画の中で、職員の勤務体制やローテーションのあり方を含め、鋭意検討してまいりたいと考えております。

 次に、待機児童対策についての御質問にお答えします。

 まず、保育園及び育成室の待機児童の動向と長期的な対応策に関するお尋ねですが、四月現在、保育園百二十四名、育成室十六名の待機児童がおります。現在、保育園については、保育園待機児童緊急対策会議を設置し、待機児童解消に向けた方策を鋭意検討しているところであります。その検討結果を受けて、緊急かつ具体的な対応策を早期に実施することにより、今後の待機児童数減少に向けて取り組んでまいりたいと考えております。また、育成室についても同様に、緊急に必要な地域を中心に、適切な対応を検討しているところであります。

 なお、待機児童への長期的な対応策については、平成二十一年度中に実施する子育て支援計画の見直しの中で議論してまいりたいと考えております。

 次に、認証保育所に関するお尋ねですが、現在、駅前型の認証保育所A型の新規開設に際しては、工事費等を対象とする開設準備経費として三千万円、備品等を対象として百万円をそれぞれ上限として補助を行っております。また、運営に要する経費については、保育所の定員数並びに在籍児童の年齢、人数に応じて毎月運営費を助成しており、運営費の補助単価については毎年見直しを行っております。

 本区におきましては、今後ともこれらの制度により認証保育所の安定的な運営を支援してまいります。

 次に、待機児童対策についての本区の考えですが、先ほどお答えいたしました保育園待機児童緊急対策会議において、保育所定員の改定や多様な保育サービスの提供、既存施設等を活用してのスペースの確保など、あらゆる可能性について全庁挙げて検討を進めているところであります。

 次に、後期高齢者医療に関する幾つかの御質問にお答えします。

 初めに、区民への説明が十分だったかとのお尋ねですが、制度の周知については、被保険者となる方すべてに対し制度の概要を掲載したパンフレットや冊子を二回にわたり個別配付するとともに、区報の一面や特集号により周知を行ってまいりました。また、三月以降、区民や各種団体への説明会を随時開催しており、区民の方々に十分に御理解いただけるよう周知に努めてまいりました。

 次に、わかりやすく説明するための工夫についてですが、区民の関心が最も高い保険料について、個人ごとに保険料額の目安をお示しし、いつから、どのように保険料を納めていただくのか、図を用いながら説明しております。

 次に、検討会を立ち上げ、区独自の意見集約を行わないのかとのお尋ねですが、日常の窓口業務などを通じ区民の意見を把握し、広域連合と連携を取りながら、本制度をよりよいものとするための検討を進めてまいりたいと考えております。このため、新たに検討会等を立ち上げることは考えておりません。

 次に、今回の保険料誤徴収の要因等に関するお尋ねですが、今回、事態の発生を受けて、区と委託業者が緊急に原因究明に着手するとともに、庁内において緊急対策会議を開催し、対応いたしました。その結果、直接の原因は、第一義的には年金保険者に送付する特別徴収データの作成に当たり、委託業者の作業が不適切であったことにあると考えておりますが、今回のシステム開発に当たって、区と委託業者との連絡調整が必ずしも十分ではなかったことも原因の一つと認識しております。

 次に、委託業者への指導と職員の専門性に関するお尋ねですが、今後、システム全体の的確な運用管理のためには、職員の知識・技能のレベルアップが不可欠と考えております。そのためには、御指摘のとおり、ノウハウの蓄積と継承に努めるとともに、研修等により一層の対応能力の向上を図ってまいりたいと考えております。また、大規模なシステム改修等に当たっては、外部の専門家の助言等を活用してまいります。

 次に、IT人材について、区として技術職員の確保をどう考えているのかとのお尋ねですが、今後のIT化の進展の中で、専門的な知識を持つ人材をどのように活用していくかは大きな課題と認識しており、今後、幅広く検討してまいりたいと存じます。

 なお、任期付職員制度を活用して、高度な専門技術を持った職員を採用することも検討してまいります。

 次に、委託業者からどのような業務の改善の提案があったかとのお尋ねですが、委託業者からは、複数担当者による相互作業チェック、区及び委託業者による定例的打ち合わせ回数の増などが提案され、既に実施しているところです。

 次に、委託業者の切りかえ及び改善等のお尋ねですが、今回のシステムの導入、開発に当たっては、その開発時期が逼迫していることや、基幹システムとの連携が多いことなどから、委託業者のパッケージソフトを導入いたしました。これまでの開発の蓄積や今後の制度改正を踏まえ、委託業者の切りかえを行うことによるリスクを避け、区による一層の指導・監督体制を強化することによって対応してまいります。

 次に、情報システム導入に関するガイドラインについてのお尋ねですが、現在、新規に導入する電算システムについては、適切な導入を図るため、事前にシステム評価を行っております。さらに、十九年度からは、戸籍情報システムなど大規模システムについて、仕様書の作成や業者選定について外部の専門家の助言を受け、システム調達の改善を図ってきたところです。本年度も引き続き、調達関係書類の改善及び標準化を図っていく予定でございます。

 御指摘の調達ガイドラインの策定については、こうした改善を進めつつ、今後研究してまいりたいと考えております。

 次に、システムエンジニアの質の確保についてのお尋ねですが、委託業者には質・量ともに十分な人員の確保を要請しており、具体的な改善もなされております。

 なお、今後とも、早期にシステムの安定化に努めてまいりたいと考えております。

 最後に、まちづくりと都市計画道路についての御質問にお答えします。

 まず、根津地区のまちづくりについてですが、根津地区にお住まいの方々の参加によるワークショップにより、本年三月に根津駅周辺地区まちづくり基本計画を策定いたしました。今年度は、この基本計画の実現に向けて、地域内の関係権利者を対象に建て替え意向等の調査を実施するとともに、まちづくりの検討会を設置し、具体的なまちづくりのルールや地域活性化対策などについて検討を進めてまいります。

 次に、不忍通りの第三次事業化計画と拡幅についてですが、第三次事業化計画において、都市計画道路のうち、道路の現状幅員が計画幅員の六割以上であり、おおむね機能を満たす道路である、いわゆる「概成道路」については、交差点の改良により渋滞の解消を図ることとしており、不忍通りは概成道路となっております。不忍通りの拡幅については、今後、機会をとらえて東京都に要望していきたいと考えております。

 次に、不忍通り沿道のまちづくりと千駄木二・三丁目の将来展望についてお答えします。

 まず、不忍通りの歩道についてですが、区はこれまで、千駄木二丁目の区間については電柱移設を東京都に要望し、障害物の移設を進めてきました。しかしながら、千駄木三丁目の区間については、移設先の確保が困難なため、歩行者の通行に支障を来しております。そのため、区は不忍通り全体の車道と歩道の幅員を考慮し、当面、当該地区の歩道について拡幅することを東京都に対し要望しているところであります。

 一方、不忍通り沿道においては、延焼遮断帯の形成を目指して、都市防災不燃化促進事業による災害に強いまちづくりを進めてまいりました。本年度は拠点整備の一環として、千駄木駅周辺地区まちづくり基本計画の策定に向け、現況調査やまちづくりのルールについての調査等を実施することにしております。これらの調査結果等を踏まえ、千駄木二・三丁目の今後のまちづくりについて、地域の意見を反映しながら検討を進めてまいりたいと考えております。