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平成の始め頃、仲間数人で一度だけちいさな写真展を開いた。
当時会場に借りたのは古い公共施設。入り口横の看板には、細丸ゴシックの書体で〝◯◯老人会館〟と書かれていた。
その建物は令和のいまも健在で、看板だけが平成の途中から〝◯◯高齢者会館〟に変わっている。
学生が集う場所として、「老人」会館はあまりにイケてない。
だから、当時わたしがつくった手書きの案内状には、会場を〝◯◯ろうじん会館〟と記した。
ろうじん。軽くやわらかい、そんな感じがイイ。
軽薄短小、軽チャー路線…軽くて明るいモノにこそ価値があった、昭和の末頃と変わらない発想で。
もし令和のいまだったら、さしずめ〝◯◯幸齢者会館〟とでも言い換えるところかしら。
どうせなら一日でも長く生きたい、だけど老人にはなりたくない…。
わたしだけでなく、おそらく皆んながそれを願っているんだろう。
幸齢者。しあわせに歳を重ねる、そんな漢字がイイ。
ユッコこと岡田有希子さんがいた昭和の終わり、躁鬱は「ソーウツ」だった。
彼女が苦しんだ深刻な状況も、そんなふうに軽く流されてしまったんだろうか。
photo by yukikostarlight