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あの日止まった時計が
また動き始めたら
幸せな物語
永遠だよwonder two
(Perfume「wonder2」作詞・中田ヤスタカ)
愛用の腕時計が動かなくなってしまった。
正式名称・CITIZEN FORMA FRD59-2391。ソーラー電波時計で一番安かったにもかかわらず、ほぼノーメンテで15年ずっと正確な時を刻んでくれた。わたしの人生で最もコスパに優れた買い物のひとつだ。
この時計は光発電エネルギーを二次電池に蓄電して動くのだが、十数年も経てばさすがに電池の寿命が来るらしい。
電池交換で直るなら修理に出そうと調べると、メーカーのサイトは「電池交換対応はしていない」。
万事休すか…値段のモトは十二分に取れている。だけど、長年ともに戦ってきた時計をあっさり捨てるに悔しくて。
さらに調べてみたら、いまは個人でも純正部品の二次電池が、なんと新品で入手できるという。
そして時計の裏蓋を外す特殊な工具までも、安価で手に入れられてしまう。
ネットが普及する前はそうした情報も入手経路もなく、修理に出せなければ使い捨てるしかなかった。精密機械である腕時計の裏蓋を開けるなんて、時計技師しか許されないと思っていた。
当たり前だが完全に自己責任。小さな小さな二次電池を扱うのに金属製のピンセットは厳禁だとか、知らないことばかりだけど。
YouTubeで腕時計の電池交換動画を片っ端から見て、ダメもとで裏蓋開封に挑んでみた。
長年頑丈に嵌っていた蓋は簡単には外れてくれない。安い工具だから仕方ないか…それでも小一時間の格闘は、なんとか無駄にならずに済んだのだった。
裏蓋さえ開けることができれば。
あとは楽勝、そう思っていたのに。
なんということだ、二次電池が大きめの金属板で半分隠れているではないか。固定されているのか、どうやっても外れない。このままでは電池が取り出せない…こんなケースはどの動画にもなかった。
不貞腐れて寝てしまった翌朝、気を取り直してもう一度。
昨夜はあまりに小さすぎて目に入らなかった、金属板を留めるネジ頭に気付く。特殊工具セットに入っていた精密ドライバーで慎重に緩めると、果たして金属板はくるりと水平に動いてくれた。
指サックを付けて、そっと新しい電池に入れ替える。沈黙していた秒針が、静かに動き出した。
数千円を賭けた自己責任の小さな博打。それは大きな達成感をわたしに与えてくれた。
無事に復活した時計。わたしの腕で16年目を迎えてくれそうだ。
ユッコこと岡田有希子さんの時計は、たった18年で止まってしまったけれど。
彼女の輝かしい日々は、ファンの記憶にいつまでも残ることでしょう。
photo by yukikostarlight