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ユッコこと岡田有希子さんが、まだ空の下にいた頃。

音楽雑誌にこんな新譜紹介が小さく載った。

 

〝思わず口ずさみたくなる軽快なメロディー、でも実は…重いテーマに思わずドキッ!〟

 

それは1985年、シンガーソングライター松尾清憲のファーストアルバムに収録された「5月のSUICIDE」(作詞・秋元康)

高二のわたしは〝SUICIDE〟がなにを意味するかも知らず、この曲を聴くこともなかった。

なのに40年近くも経ったいま、なぜかふと思い出されたのだ。

 

高層ビルディングの

屋上で待ってた

 

僕は靴を揃えながら

 

Woo…誰かが

Woo…助けて

Woo…くれそうで

 

〜中略〜

 

53回目に 心を決めた

僕は少し震えていた

 

Woo…何処へも

Woo…帰れや

Woo…しないのに

 

悲しきSUISIDE

本当はSUISIDE

 

フェンスはとても

越えられない

 

〜後略〜

 

 

その頃はまだ、誰も知らなかった。

翌年春に起きた悲劇も、ユッコ・シンドロームという哀しい言葉がなぜ生まれたのかも。

 

越えれば、必ず人生が終わる。

そんなフェンスに手をかけさせたのは、一体何だったのだろう。

 

 「フェンスはとても越えられない」繰り返すこのフレーズが訴えていた。

本当はSUISIDE」したくない、しにたくない…

 

そのフェンスを決して越えては、そして越えさせてはいけないんだ。

 

 

 

ユッコさんに、背丈ほどもあるフェンスを越えさせてしまったのは何なのか

そして数十年の歳月は、それを変えることができたのだろうか…悲劇を繰り返さぬために。

photo by yukikostarlight