数多くのブログのなかから、当ブログをご訪問いただき誠にありがとうございます。

太字は過去記事へのリンクです。もしよろしければ、ご覧になってください。

 

わたしの一周5kmのランニングコースの途中にある、コロナ禍で息の根を止められてしまった寿司屋には、いまも屋号が書かれた一枚板の大きな看板が掛かっている。すっかり黒ずんで店名も読めなくなりつつあり、朽ちていくのを待つばかり。

その看板を見てわたしは、開店したばかりの白木に墨痕鮮やかな屋号を想像してみる。

もちろんそれを実際に見たことはない。だけど驚くほどリアルに、まるでタイムマシンでその時を覗いているかのように思い描いている。想像力が画像を脳内補完している、といったところか。

 

同世代の方なら同意いただけると思う。いまのTVで素材として使われている、かつてリアルタイムで視ていたTV番組やCMがやけにぼやけた感じの、いかにも年を経た印象を受けることを。当時あんなにクリアだった映像が、今見るとまるで歴史の一ページといった風情になっているのを。

 

そんなことから思い至ったのは、ひょっとして人間は歳を重ねると「脳内補完力」が向上するのではなかろうか?ということ。

例えば昭和30年代のモノクロの街並みの動画を視て、子供の頃なら遠い別世界のように思われたものが、今なら色彩と空気をなんとなくでも体感できる気がするような。

 

実際に歳をとって、自分の目で見たものが色褪せて感じる経験をすると、その前の世代や自分の知らない時代でさえ、リアリティーを補完して思いを馳せることができるようになるのでは?明治時代に撮影された蒸気機関車の古い写真を見て、汽笛と煙を吐き出す天然色の動画を脳内で妄想してしまうのはわたしだけではないはず。

…ですよね?

 

わたしの、そしてユッコこと岡田有希子さんファンの皆さんの大きな願いのひとつ。それは彼女が生涯の最終章で全力を注いだステージ、未だにお蔵入りになったままの〝Heart Jack〟コンサート記録映像の商品化ではないかと思います。

 

関係者の皆さま。もし現在に至っても映像作品として販売できない理由が、4Kリマスターが困難だからとか、いまの高性能モニターに耐えうる画質の確保が不可能だから、といった理由であれば心配ご無用です。

なぜならば。加齢なる成長を続けたユッコフレンズ達は、ステージに立つユッコさんの勇姿を、鍛え抜いた脳内補完力でくっきりクリアに再現できるはずだから。

…ですよね?

 

これは補完ではなくご飯。

photo by yukikostarlight