岡田有希子と、彼女の父のこと
2〜3歳くらいの子どもを持つ親が、かなりの確率で突然に我が子から投げつけられるコトバがあります。
「ママがいい。パパはいや」
この頃の子どもにありがちな〝パパイヤ期〟というのだそうです。
大好きなママにしてほしいことを伝えるときに、語彙力のとぼしい幼児にとっては最も的確な表現になるらしいんですね。かわいい盛りの子どもにいきなり拒絶されるパパは、たまったもんじゃないのですが。
このパパイヤ期、たいていは子どもの成長に伴って終わるのですが、父親と子どもの関わり方、両親の関係によっては、思春期以降まで続いてしまうこともあるみたいです。
さて、ユッコこと岡田有希子さんは、父親によく似た顔立ちでした。そして学業優秀だったユッコさんはおそらく、技術者だった父親や、教育者だった父方の祖父の系譜を受け継いでいたのでしょう。
それなのに、自分の家族についてユッコさんが語るとき、父親の影がかなり薄かったように感じました。
母親の手記によれば「日頃から佳代(※ユッコさんの本名)の教育についても、私にまかせきり」な、典型的〝昭和の親父〟だったのだと思われます。
ユッコさんの両親は必ずしも夫婦円満ではなかったらしく、ふたりは彼女がなくなったあと、二十歳の誕生日を待って離婚しているのだそうです。また、ユッコさんが芸能界に入った理由のひとつを「お母さんと一緒に住む家を建てるため」と語った、との記事をどこかで目にした気がします。
もしかしたら、彼女は両親の不仲が原因で、不幸にしてずっとパパイヤ期が続いてしまった〝パパイヤ娘〟だったのかもしれません。
ユッコさんを見出した芸能事務所サンミュージックの福田時雄さんは、レコード会社へ挨拶に回った際に彼女が「恋人のいらっしゃる方は3分の1、奥様のいらっしゃる方は4分の1で結構ですから有希子に愛情をください」と話したことが忘れられない、と語っていました。こんなことを話した子は初めてだったと。
この言葉の背景にはユッコさんの、父親の愛情への渇望があったのかもしれない…と思うと、どうにも切なくなってしまうのでした。
3歳児の聖地?、しなの鉄道北しなの線・三才駅。12年前に撮影しました
photo by yukikostarlight
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