ユッコこと岡田有希子さんが空の下からいなくなったあと、「愛をください」という本が出版されました。

最近になって手にしたのですが、この本に載っているユッコさん直筆の文章を目にしたとき、

初めて見たのになぜか既視感というか、懐かしさを感じたのです。

 

なぜなのか少し考えたら…昔もらった、丸い文字の手紙を思い出しました。

そして改めて思いました。ユッコさんもあの頃確かに、わたしと同じ時代を生きていたんだ。

 

……

 

40年ほど前に、わたしは当時の中一生の多くが読んでいた雑誌の、文通相手を募集するページに載りました。

同じ学年の、全国の少年少女の本名と住所がずらりと、しかも毎月掲載されていたという…いまではあり得ないですよね。

 

文通欄の次のページから始まる漫画に登場するさわやか男子と、わたしの名前がたまたま似ていたから?

特に女子に限ったわけでもないのに、全国の女子中学生から毎日のように手紙が届きました。

あんなに女子にモテた?のは、後にも先にもこのときだけです(笑)

 

ほとんどの人とは一〜二回のやりとりで終わったのですが、

ひとりだけ、中高時代の数年間文通が続いた、遠くの街に住む女の子がいました。

 

最初に来た手紙は、決して上手くはないけど真面目な性格を思わせる、鉛筆の丁寧な文字が印象的でした。

 

しばらくしてシャープペンシルの丸っこい文字の手紙が来たときは、別人かとびっくりしました。

この丸文字、変体少女文字というそうです。

 

あの頃の女の子はみんな一時期、あの丸い文字を書いていたような気がします。

 

一度だけ、写真を送ってくれました。今思えば、はにかんだような笑顔がどことなくユッコさんに似てましたね。

 

その子は風邪をひくと、決まって手紙を書いてきました。丸い文字で「つまんないYO〜!」って。

 

何年か経って、久しぶりに彼女を思い出して手紙を書いたら、

ペン習字のお手本のような、万年筆のきれいな文字の返事をくれました。

小学校の先生になった、とのことでした。

 

……

 

それからしばらく後に、別の遠い街に住む女子中学生から突然手紙が届きました。

 

「倉庫でみつけた兄きの古い雑誌を読んで、あなたに手紙を出してみようと思いましたびっくりマーク」と、丸い字で書いてありました。

 

面白かったのでつい返事を書いてしまった、二十代前半の寂しいわたし(笑)

 

学校の先生に恋をしたとか、そんなたわいもない内容の手紙が忘れた頃に届くこと数回。

 

最後にもらった手紙には「だいすきなひとと、結婚することになりましたびっくりマーク」と書いてありました。その頃はまだ、高校生のはずでしたが…。

 

思えばこの子は最初から最後まで、丸い字のままだったなあ。

 

photo by yukikostarlight

 

 

 

少しでも「へー」と思ったあなた、「いいね」してくださいね!ブログを続ける励みになります。

もしよろしければ、「記事一覧」から他の記事も読んでいただけると嬉しいです、過去記事へのいいね大歓迎です!