わたしと夫は大学に行っていない。



出身がど田舎すぎて周りに大学生がおらず、大学生になることが想像できなかった(夫談)。



わたしは両親の反対により、大学進学を断念。



そんな我が家の子どもたちは今大学生である。



上の子は東大。



よく「どうやって現役で東大に受かる子供に育てたのか」と聞かれる。



そんな秘訣があったらわたしも知りたい。



ただ言えるのは、本を好きになれば自ずと学びたくなるのではないか?というのがわたしの仮定。




我が家には浅田次郎先生の本がたくさんあった。




わたしが若い頃、帰省する際はJALを使っていて、その機内誌で浅田先生のエッセイが掲載されていた。(今もなお)



読んでみたら内容が面白く、どんどん惹き込まれていった。



「降りたら浅田次郎を買ってみよう」



そう決めて買った本は「月島慕情」だったきがする、、、



ピエタだったかな?



どちらも素晴らしい描写、そして心の模様が分かり泣いた。



家に本があるものだから、子どもとて当然読む。



わたしと夫が読んで感想を言い合い、子どもがそれに興味を持つ。




こうして数年経つ頃には、我が家の子どもたちは浅田次郎大先生のファンになった。



子どもたちの幼少期まで遡る。



上の子は小学校に馴染めなく、毎晩泣いた。



毎晩泣く子をただ抱くことしかできないのが辛かった。



そんな上の子はだいぶ本に救われたと思う。



友だちがおらず1人の時は本を読んだ。

浅田次郎先生の本をはじめ、いろいろ読んだ。



周りの子達はみんな仲良く遊んでいるのに、お友だちがいなくて、我が子が一人ぼっちでいる姿を見るのは本当に心が締め付けられた。



あの時のわたしに声を掛けるなら



「大丈夫。大学生になったら生き生きと、仲良しのお友だちが出来ているよ!安心して。」



と言いたい。



我が家の中でみんなが共通して好きな作家は



・葉室麟

・吉川英治

・伊坂幸太郎



など、錚々たる作家の方がいるけど、浅田次郎大先生には敵わない。



それくらいに好きなのです。



上の子が東大の入試を受ける際、家から直接行くか近くのホテルに泊まるか迷いに迷った。



横浜のはずれに住んでいて、朝早くでたら2時間あれば十分に行ける。



でも、雪やその他の影響で電車が止まったらアウト。



どうしよう、どうしよう。



癌で闘病中の夫をひとりにはできない。



でも、下の子に見て貰えば大丈夫か。



どうしよう。



こうやって迷ったいたせいで、空いてるホテルはセルリアンホテルなどの高級ホテルだけになった。(民泊は考えていない)



結局、ホテル泊を選び、わたしと子どもは2人で高級ホテルに泊まることになった。



新婚旅行以来の高級ホテル



チェックインすると、地方から来ている他の受験生もたくさんいた。



「受験生頑張ってください!」的なメッセージももらって、ホテルでの時間が心からリラックスできたのも合格できた一因だ。



夜、ホテルを歩いていると、エレベーター前に知ってる顔が立っていた。



品のある方。



「はて?誰だっけ。でも、わたしはこの方をとても好いている



と、直感で思った。



結論、エレベーターを降りるまでどなたかは分からなかった。



そしてロビーを歩いていると、、、



「日本ペンクラブ」の何かイベントの看板が掲げられていた。



あの方は!あの品のある紳士は、、、



まさか!まさか!



浅田次郎大先生‼️



気づくのが遅すぎた



でも、狭いエレベーターの中で数秒間一緒に過ごせたのだから良しとしよう。



部屋に帰り、このことを娘に話すとわたし以上に興奮していた。



大学入試の帰りに、新しい文庫本を買ったのはいうまでもない。



子どもたちが本好きで、文学の世界に足を踏み入れるきっかけになったのは浅田次郎先生のおかげなのである。



子どもを本好きにしたいなら、浅田次郎先生の本をおすすめします。




久しぶりにJALに乗ったら機内誌に浅田次郎先生のエッセイが。




とても好き。