ロンドン滞在記①

 

4月3日・月曜日。夕方。コロナの渦に巻き込まれる直前の2020年2月末に訪れてから3年2ヶ月ぶりに、イギリスに降り立った。ヒースロー空港の匂いが懐かしく感じた。というのも、2018年3月1日に文化庁の新進芸術家・海外研修(短期)でこの空港に降り立ったのが、わたしの人生にとって生まれて初めての海外で、それはそれは嗅いだことのない不思議な匂いに感じたのを強烈に覚えているからだ。それから毎年一度は訪れるようにしていた。ヒースローからパディントン駅までの道のりも、何もかも懐かしかった。



3年前に泊まったのと同じホテルに到着。これまで訪れていたのは2月から3月の寒い時で、4月の部屋からの景色は花盛りで美しかった。そして晴れていた。この日は長旅で疲れていたので近くを散策する程度に留めた。Pret(沢山あるイギリスのカフェ)でラテとサラダとスープを買った。いまは物価が高いと聞いていたので無駄遣いはできないなと思いつつ、あまりそこばかり考えすぎず、この旅を楽しみたいという気持ちもある。



4月4日・火曜日。まだまだ疲れを引きずっていたが、朝10時から(日本時間だと18時から)オンラインミーティング、その後11時半からのオンラインミーティングがあり、なんとか頑張る。この日は予定を詰め込むつもりはなかったのだが、結果的には積極的に行動した。ビッグベンは訪れる度に工事をしていてその姿を拝めていなかったのだが、今回とうとう拝めた。コヴェントガーデンにも久しぶりに行き、ベンズクッキーを買った。クッキーとは思えない柔らかくほわほわした食感で大好きだ。東京には店舗があるらしいが、名古屋では見かけたことがない。それからソーホーあたりやナショナルギャラリーなども久々にまわり、この日は力尽きた。




 

4月5日・水曜日。この日からぼちぼち書くのを再開。この旅で仕上げたいホンが2つあって、少なくともひとつは早く書き上げておきたかった。でも夕方にはパブに行き、夜は『ウィキッド』を観劇。実は初ウィキッドであらすじなどを見ずに拙い英語力で頑張って理解しようとしたら頭がパンクしそうになったが、なんとか理解できた…ように思う。ビールを飲みながらの観劇は楽しい。調子に乗ってインターバルのドリンクまで注文した。

 


4月6日・木曜日。一人で旅するのは色んな感情や思考を整理するのに向いているし、自分が「孤独」であり、またその孤独を愛していること、だからこその人との関わりが大切なことなどに気づけて、とても幸せだ。この日は朝からハイド・パークを縦断。途中の池で白鳥と戯れ、パーク内のカフェでラテを買い、ひたすら道を突き進む。その間、いずれvlogでもつくろうと思っていたので動画を撮り続けたのだが、いつ頃つくれるのかは未定。



わたしはもともと機械に弱く、2018年の『初めての海外1人で1ヶ月』までは飛行機や演劇のネット予約であるとか、そんなものがまったく出来なかった。クレカだって持っていなかったし、とにかくぽんこつの中のぽんこつ、アナログの申し子だった。だがその研修を機にそんなんじゃダメだと気づき、機械的なものと友だちになろうとし始めた。とはいえ、まだまだ疎いが動画だってつくれると信じている(簡単な動画はつくれた…YouTuberの方々を尊敬します)。やりたいことをできないからと諦めたらいけないとは常々自分に伝えながら生きている。

 

午前のうちにV&A美術館に着き、カフェのいい席に座れた。外の景色も観られて心地いい。美術館にはカタカタ仕事しているひともいれば、本を静かに読み続けているひともいる。気分転換したければすぐに素敵な展示物が観られ、お手洗いも綺麗だしWi-Fiも繋がる。おまけに入館無料。おかげで目標以上に書き進めることができた。行きは曇りで暗かった道のりだったが、帰りはすっかり晴れていた。歩数計を観たら凄い歩数になっていた。疲れてはいたが今回どうしても出会いたかった『ある像』まで歩いた。観られて良かった。ところでこの時期のイギリスは夜8時になってもまだ明るい。調子に乗って起きていると明日に響くと思いつつ、帰ってからももう少しだけ書き続けた。