第19回 ORIGINE KOBE講習会 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ



去る7月9日に「第19回 ORIGINE KOBE講習会」を開催させていただきました。

ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました💗


2019年度3回目の講師を務められたのは、『パティスリー アキト』の田中哲人シェフと『ラヴニュー』の平井茂雄シェフ👨‍🍳
今回も、各シェフ2品ずつ合計4品ご紹介させていただきました。


●田中哲人シェフ

*Modestine(モデスティン)

*Nuages(ニュアージュ)


●平井茂雄

*Bouchée chocolat(ブッシェ ショコラ)

*Rouleau soufflé aux fruits rouges(ルーロ スフレ オ フルーツ ルージュ)



平井シェフの1品目は「Bouchée chocolat(ブッシェ ショコラ)」。

真夏でもショコラ尽くしのガトーとは、さすが平井シェフですね🍫


構成は、軽い食感のビスキュイ ショコラとガナッシュを重ね、底にはサブレ生地。

アーモンドのクラックランを加えたショコラのグラサージュをかけ、絞りのガナッシュとプラック ショコラでデコール。


底になるサブレ生地の両面には、ショコラ(カカオバリー社のオコア70%)とカカオバターを合わせて溶かしたものを吹き付けます。



ビスキュイ ショコラには、カカオバリー社のイナヤ65%とエクセラン55%を使用。


ガナッシュを作り、そこに卵黄、グラニュー糖、薄力粉、アーモンドパウダー、カカオパウダーを加え、最後にメレンゲを合わせます。

ボリュームのあるメレンゲに。




焼成は下火のあたりを弱くしたいので鉄板を1枚かませて、2枚天板で。




ビスキュイ ショコラは焼きあがったら、18mm厚にスライスします。



ガナッシュには、カカオバリー社のイナヤ65%とアルンガ41%を使用。


テンパリングを綺麗にとるには、作業温度が重要とのこと。

型に敷いたビスキュイの上に流し、18℃の場所で8時間保管します。


グラサージュは、カカオバリー社のパータグラッセにオコア70%、サラダ油を合わせて溶かし、クラックランアマンドを加えます。

 


このグラサージュをケークの上からかけて、ガナッシュを絞り、プラックショコラをのせてデコール。



ショコラ尽くしで一見重厚そうに見えますが、ショコラの存在感はしっかりとありながらも、とてもなめらかで後口軽やかなテクスチャーに🍫


夏でもおいしいショコラのガトーを愉しめるのは幸せですね💞



平井シェフの2品目は「Rouleau soufflé aux fruits rouges(ルーロ スフレ オ フルーツ ルージュ)」。 
 

実はこちらは、現在販売中のオリジンコウベ2019春夏コレクションアイテム。
テーマは「ふわふわ」☁️


ふわっと口溶ける軽いクレメダンジュの中に桃のジュレを忍ばせを、しっとりとしたスフレ生地で巻きあげています🍑




ピンク色がキュートなスフレタイプの生地。

パータシューやベシャメルソースを作る感じで、牛乳、バター、サラダ油を60~70℃に沸かしたものに、粉・ベーキングパウダーを加え混ぜ、卵を加えていきます。


小麦粉に火が入ると重たい生地になるので、粉に火を入れないように。
油脂の一部をサラダ油に置き換えることで、軽く仕上げます。



二枚天板で間に濡れたペーパーをかませて。

ダンパーをしっかり抜き、下火があまり入らないよう、上面に色をつけないよう焼成します。


このようにいくつものポイントをおさえ、ふわふわの生地に仕上げていきます☁️




クレーム・パティシエールは、炊き時間を短くするのがポイント。



巻きこむジュレは赤桃とグロゼイユの2種類を合わせ、ゼラチン液を合わせて冷凍し、生地のサイズに合わせてカットします🍑



巻きこむクレームは2種類。


クレーム・レジェールは、パティシエールとシャンティイを合わせます。

クレーム・シャンティイは45%、42%、40%、3種類の生クリームを合わせて7分立てに。


個性の異なる3種類をブレンドすることにより、コク、乳味など様々な味がでてくるからとのこと。



クレメダンジュは、しっかりとたてたフロマージュブランとクレームドゥーブルに、ゼラチン液を加えたイタリアンメレンゲを合わせて。


レモンのゼストを加え、爽やかな香味に仕上げます🍋





ビスキュイスフレにクレーム・レジェール、クレメダンジュの順に塗り、ジュレペッシュサンギーヌを巻きこんでいきます。


ロールケーキのような形ではなく、楕円形のひと巻きで。



TOPにクレーム・シャンティイを絞り、フレーズ、フランボワーズ、グロゼイユ、金粉をデコール。



まさにテーマどおり、しっとり、ふわふわ。


ふわっと口溶け軽やかなクレメダンジュに、しっとりと寄り添うスフレ生地。
桃のジュレの甘酸っぱさが、後味をキュッと引き締めます🍑

実は生地の焼成が少し思い通りではなかった平井シェフ。
ディスプレイ用で誰が試食するわけでもなかったのですが…
平井シェフはご自分的に納得がいかず、人知れず焼成し直してらっしゃいました。
さすが平井シェフ、プロフェッショナル✨

世界中でプロ向けの講習会も沢山行われている平井シェフですが、このオリジンコウベの講習会に関しては、一般の方にも分かりやすいように、とても丁寧に説明をしてくださいます。

シェフの作業の美しさや解説の的確さから、ラヴニューさんのお菓子のおいしさの秘密が解明される貴重な講習会👨‍🍳
どなたでも受講可能ですので、今回参加し逃した方は来年是非!


田中シェフの1品目は「Modestine(モデスティン)」。
 
今年のフランスフェアで販売されていたお菓子で、フランス・サンジャンドリュズの「オウ・プチ・ボヌール」さんのスペシャリテです🇫🇷

もちろんフェア中にもいただいたんですが、素朴ながらも滋味深く好みの味わいだったので、また食べられるなんてうれしいな💞

構成は、パートサブレにクレームダマンドとコンポート・フリュイルージュを敷き詰め、ダックワーズ生地をかぶせて。


パートサブレは、エクリチュール(強力粉)にノワゼットプードル入り。
ベーキングパウダーが入るので軽い仕上がりに。


卵も多めでやわらかな生地なので、混ぜすぎないのがポイント。
ひと晩寝かせます。

クレームダマンドは、皮付きと皮なし2種類のアーモンドプードルを同割で使用。
ラム酒を加え、こちらもひと晩寝かせます。


コンポート・フリュイルージュは、いわゆる赤い果実のコンポート。
今回はフランボワーズ、グロゼイユ、ブルーベリー、ブラックベリー、チェリーなどのミックスを使用🍒

グラニュー糖とペクチンを火にかけてとろっとさせ、フリュイルージュ、レモン汁を加え、コンポートなので沸いたらOK。


ダックワーズはパルティキュール(薄力粉)と、こちらも皮付きと皮なし2種類のアーモンドプードルを同割で使用。

個性的な香りの栗の花のはちみつ入り🌰
個人的には大好きな、ディープな香味のはちみつです🍯

栗のはちみつと牛乳に粉類を合わせます。



メレンゲは卵白に対して糖が多めの配合。
3回に分けて加えていきます。



イベントでは大量に作らないといけないので、金型ではなくアルミの型使用。
今回もそのアルミ型で。





パートサブレを敷き、クレーム・ダマンドを絞り、コンポート・フリュイルージュを縁から1㎝内側にのせ、上にダックワーズを平らにのせアーモンドスライスを散らして。

コンべクションで、180℃で40分焼成します。




ホールの見た目は究極に地味ですが、カットするとルージュが映える断面。
ふわっ、さくっ、ほろっとやわらかく素朴な食感ながら、滋味深い味わいとナッティで奥ゆきのある香りが病みつきに…💗

実は好きすぎてワンホールいただいて帰ったんですが・・・5/8ホールを一気に食べちゃいました(3カットだけ実家へ)


田中シェフの2品目は「Nuages(ニュアージュ)」。
こちらも現在販売中のオリジンコウベ2019春夏コレクションより。
テーマは「ふわふわ」です☁️

構成は、ココナッツ風味のシフォン生地でシャンティー・ミルクジャムをロール状に巻きあげ、ローズマリー風味のアプリコットのジャムをアクセントにのせ、ガナッシュモンテ・アプリコットをこんもりと絞って。



シフォンロール・ココは、ココナッツピューレとココナッツファイン入りのシフォン生地。

粉は兵庫県産小麦100%、増田製粉さんの宝笠異人館使用。
生地に粘りがでず、高配合で水分の多い商品でも、しっかりと保型性があるのでシフォン生地向きとのこと。


  ふわふわの生地に仕上げていきます。 

シャンティー・ミルクジャムは、生クリームにほんのりとミルクジャムを忍ばせて。
 
ガナッシュモンテ・アプリコットは、ショコラブランとアプリコットピューレ(アプリコットリキュールも少々)で。
 
ローズマリー風味のアプリコットのジャムは、冷凍アプリコットホールとグラニュー糖、ローズマリーを炊き、ローズマリーの香りがうつったら途中で取り出し、果肉をつぶし、ブリックス55まで煮詰めます。

アプリコットとローズマリーの相性は抜群ですね🌱




ココナッツ風味のふわふわなシフォン生地で軽いシャンティー・ミルクジャムをロール状に巻きあげていきます。


土台のパートサブレに接着のアプリコットのジャムを塗り、ロールを縦におき、ローズマリー風味のアプリコットのジャムをのせ…


ガナッシュモンテ・アプリコットをこんもりと絞ります。
刻んだローズマリーを散らして🌱


生地でふわっ、クリームをのせて全体にふわふわを狙って。
全層一緒にいただくと…本当にくものようにふわふわなんです☁️

ミルクジャムのほろ苦味がクリームに奥ゆきをだし、アプリコットの甘酸っぱさと、ローズマリーの清涼感のある香りで、立体的な味わいに。

ふわふわとやわらかな口あたりを、香味のアクセントがキュッと引き締める、暑い夏でも軽やかに食べられる一品です。

一生懸命ギャグを交えながら、終始笑顔を絶やさない田中シェフ👨‍🍳
アクシデントがあっても、アキトスマイルで全て帳消しになっちゃいますね(笑)






2019年度3回目となる講習会が無事終了いたしました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました💗

いよいよ8月7日が今年ラストの講習会になります。

ちなみにこちらも告知即満席をいただきました。ありがとうございます。

皆さまにお目にかかれるのを楽しみにしています(*˙˘˙*)❥❥

今後の予定が決まりましたら、随時オリジンコウベのFBページで

告知していきますので、ぜひチェックしてくださいね!

https://www.facebook.com/originekobe/