去る6月26日に「第18回 ORIGINE KOBE講習会」を開催させていただきました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました💞
2019年度2回目の講師を務められたのは、『エトネ』の多田征二シェフと『ラトリエ・ドゥ・マッサ』の上田真嗣シェフ👨🍳
今回も、各シェフ2品ずつ合計4品ご紹介させていただきました。
●多田征二シェフ
*アントルメ カシスアールグレイ
*ケーク ショコラ
●上田真嗣シェフ
*Beret Basque(ベレバスク)
*Basque Burnt Cheesecake(バスクチーズケーキ)
多田シェフの1品目は「アントルメ カシスアールグレイ」。
プティガトーは、お店の人気商品です。
アールグレイは、芦屋のウーフさんのものを使用されています。
生地はビスキュイ アマンドながら、ジェノワーズでもビスキュイでもない不思議な食感とのこと。
パートダマンドがたっぷりと練りこまれています。
粉糖と残りの卵を合わせ、泡立てます。
バサッ、ボソッとしたつながってない感じのソフトな生地に。
パートダマンド入りで、口どけよく仕上げられています。
温度を測るのに温度計を使わず、目で見れば分かるという話を前日の講習会で某シェフがされていたそうで。
という話をしている多田シェフの手に温度計が握られているのを村田シェフが発見❣️の図です(笑)
クレームカシスは アングレーズの要領で炊き、カシスピューレと合わせます。
16度まで冷ましたらブレンダーをかけます。
ガナッシュモンテは、アールグレイを加え10分間アンフュゼした生クリームをショコラブランに注ぎ入れゼラチンを加えます。
さらにマスカルポーネを加え、ブレンダーをかけます。
ショコラブランのみだと単調になってしまいますが、マスカルポーネを加えることにより、甘みを減らし、ボディ感があり、ミルキー仕上がりに。
カードルにクレームカシスを流し、ビスキュイアマンドを重ね、冷凍します。
完全に固まれば5㎝幅にカットし、3枚一組にして少量のガナッシュモンテで貼り付けます。
別のカードルに泡立てたガナッシュモンテを絞り入れ、型にシュミゼし、固めたクレームカシスを生地を上にして押しこみます。
溝を綺麗に整え冷凍します。
ナパージュカシスを塗り、カードルからはずし、カットしてデコールします。
シンプルながらベストバランス❣️
多田シェフの真骨頂とも言えるガトーです。
ふわりと香るウーフさんのアールグレイと、滋味深いカシスの酸味。
やさしいけれども印象に残る味・香り・食感、そして究極のバランス。
「俺には作れないけど、多田シェフらしいお菓子でうまいなぁ」と某シェフに言わしめたほど✨
お店でも販売されていますので、ぜひご賞味ください!
どんなケーク化の説明で多田節が炸裂しました(笑)
パウンドケーキの変化球。
ケークとガトーショコラクラシックの中間のイメージ。
ポロっとした喉につまる感じ、口溶け悪いetc...と これでもかというほどマイナスイメージを積み重ねる多田シェフ。
でもここまで言うからには、逆に相当おいしいんだろうな~と期待が高まります💗
ココアパウダーだけではなく チョコレートもたっぷりと入る重厚な生地です🍫
最後に牛乳を加えて軽さをだします。
分離しやすい配合なのですが、チョコレートを粉類よりも先に加え、混ぜ合わせる順番を変えることで生地が繋がり乳化がとれるのだそう。
仕上がり温度は24℃を目指してとのことだったんですが…
まさかのぴったり24℃!
さすが多田シェフ、神業です✨
クルミはロースト、ピスタチオは生を使用。
ナッツはお酒に漬けると、やわらかく食べやすくなるそう。
漬けこみ日数は3日程で、2日以上はあまり変わらないとのこと。
デコールに使う、フリルのお花のチョコ細工もご披露くださいました🍫
天板に薄くチョコをのばし、冷やし、少し常温に戻し削りやすい状態に。
チョコが柔らかくなりすぎるとフリルがだれてしまうので、温度管理が重要ですね。
動画も撮影しましたので、ぜひFBもご覧ください。
ここでも多田シェフのトーク術が光っていました✨
予想通り…あれだけ言われていたマイナスイメージを裏切るおいしさ💖
ショコラの重厚感はありながらも、しっとりとキメ細かく、お口の中でほどける食感。
私は飲み物と一緒に食べなくても全然大丈夫でした。
それよりもやめられない、とまらない危険なおいしさです。
上田シェフの1品目は「Béret Basque(ベレバスク)」。
諸説ありますが、ベレー帽はバスク地方が発祥だそうで、その帽子を模したケーキです。
私もバスクに行った時に数店で食べましたが、日本ではあまり見かけることがないお菓子です。
ビスキュイ・ショコラは、卵黄が多めの強度がある生地。
卵黄も卵白もしっかりとたてていきます。
卵白はよく冷やしたものを使用し、中高速でしっかりとたてると、キメ細かくヘタリにくくなるそう。
ナッペ用のクレームショコラは、チョコレート(54%)に生クリーム(35%)を合わせて。
サンド用にはクレーム・パティエール ショコラを。
こちらも54%のショコラを合わせ、グランマルニエでマリネしたオレンジピールを加えます🍊
クレームショコラをなんとなくベレー帽のイメージでナッペして、 チョコスプレーをまぶします。
生地をまあるくカットしてベレー帽風にしているお店も。
TOPにプラチョコで作ったスティックを、ベレー帽の先っぽ風にのせて完成です。
ショコラ尽くしで一見濃厚そうに見えますが、しっとりとした生地が多めで、クリームとのバランスもGood!
オレンジピールの苦みと、グランマルニエの華やかな香りがアクセントになっています🍊
チョコスプレーが懐かしいですね。
上田シェフの2品目は「Basque Burnt Cheesecake」。
今流行っているバスク風チーズケーキです。
上田シェフはいつもオリジンの講習会にご自分なりのテーマを持って臨んでらして、今回は「バスク」。
バスク地方やお菓子について、綿密に下調べをして、単なるお菓子の講習だけでなく様々なエピソードを交えながら披露してくださいます👨🍳
シンプルなクリームチーズのチーズケーキですが、上田シェフはレモンの皮とパスティス(アニスのお酒)でアレンジ🍋
パスティスは水を加えると白濁するのが特徴で、実演を。
この香りは好き嫌いが分かれるところですが、私は個人的には大好きです。
順番に混ぜていくだけですが、小さなこだわりが散りばめられています。
クリームチーズとグラニュー糖は、ダマがなくなるまでしっかりと混ぜ合わせます。
常温の卵を3~4回に分けて加えます。
空気を入れたくないので中低速で混ぜ合わせていきます。
さらに少量の薄力粉を加え低速で混ぜ合わせます。
生クリームは48%を使用。濃度が高いものが合うのだそう。
生クリームを増やすとスフレタイプに。
高温で表面を真っ黒に焼きあげることにより、キャラメルのような風味が生まれます。
しっかりと焦がすことで生まれるキャラメル風味と、クリームチーズの酸味が好バランス❣️
さらにレモンの酸味とアニスの香りで、後味がキレよく仕上げられています。
バスク風チーズケーキはパティスリーに並べるのは難しいお菓子ですが、老若男女問わず好まれるお菓子。
バスクの伝統菓子ではなく、あるバルが作っていた食後のデザートが、なぜか日本で爆発的ブームとなっていますが…
材料がシンプルで作り方も簡単なので、家庭菓子には向いていますね。
上田シェフのように、オリジナルで様々なアレンジを加えるのも楽しそう💞
いつも本当に楽しそう。
2019年度2回目となる講習会が無事終了いたしました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました💗
皆さんお忙しいのでなかなか8名全員が揃うのは難しいのですが…
今後の予定が決まりましたら、随時オリジンコウベのFBページで
告知していきますので、ぜひチェックしてくださいね!
ちなみに7/9の田中×平井シェフの講習会は、すでに満席となりました。
8/7は大西×村田シェフの予定ですが、こちらは7月の講習会が終わりましたら募集をスタートさせていただきます。
今後もオリジンコウベをどうぞよろしくお願いいたします。