去る5月22日、2015年にスタートして5年目、今年初となる「第17回 ORIGINE KOBE講習会」を開催させていただきました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました💗
2019年第1回目の講師を務められたのは、『モンプリュ』の林周平シェフと、『アグリコール』の奥田義勝シェフ👨🍳
今回も、各シェフ2品ずつ合計4品ご紹介させていただきました。
●林周平シェフ
*ガトー・オ・ゾランジュ
*ビュッシュロン・きこり
●奥田義勝シェフ
*フロランタン
*アスパラのタルト
3名のシェフが海外出張中で、5名でのご挨拶は少し淋しかったですが。。。
いつの日かオリジンコウベで海外講習会に呼んでもらえるといいなぁ✈️
フランスのショートケーキのようなイメージと林シェフはおっしゃっていましたが、シャンティイではなくイタリアンメレンゲで全体を覆い、たっぷりの粉糖をふって、オーブンで表面を乾燥させる様は、まるで林シェフのスペシャリテ「ヴァランシア」のよう👨🍳
生地はジェノワーズ・オ・ザマンド・ヴァニーユ。
ヴァニラ香るローマジパン入りのリッチな生地です。
ローマジパンはだまができないように全卵でほぐし、グラニュー糖を加え45℃に温めます。
それをミキサーにかけ、高速で泡に艶がなくなるまで泡立て中速に。
中速にして目をととのえることで、泡がしっかり強くなり、生地が落ちなくなるのだそう。
最後に溶かしバターを加えすくい混ぜにすると…
もったり、とろ~りとなんとも気持ちよさそうな生地感に。
お菓子教室でも何度も作ったことのあるモンプリュさんのパティシエール。
逆に言うと、私はモンプリュさんとコルドンブルーのルセットでしかパティシエールを作ったことがありませんが…
林シェフのパティシエールは、もったりすることも粉っぽさも全くなく、スッキリと歯切れのよいクリーム。
でもぽってりと濃厚でヴァニラリッチ。
とても存在感のあるクリームに仕上げられています✨
焼き上がった生地に、たっぷりとグランマルニエシロップをアンビベします。
こんなに!?と驚くほどビシャビシャなるまで打ちこんだぐらいがちょうどいい按配。
余韻のビターな香りとキレが格段によくなります。
これこそ林シェフ流👨🍳というべき、地味ながらも重要なポイントです❣
この生地にクレーム・パティシエールを絞り、フレッシュのオレンジを並べます🍊
さらに生地を重ね、グランマルニエシロップをアンビベし、今度はパティシエールのみを絞ります。オレンジは挟みません。
最後に全面にイタリアンメレンゲを絞り、粉糖をたっぷりと2回ふって高温のオーブンでパリッと焼きあげます🔥
この絞りも一見簡単そうに見えますが、実際にやってみると難しくて。。。
ひょろっと細くなってしまうのですが、林シェフが絞ると真っすぐとそそり立つ力強いラインに。
同じメレンゲを使っても、食感が全くの別物に仕上がります✨
こんなにもたっぷりのメレンゲで覆ったらすごく甘そう…と思われるかもしれませんが、そこは“メレンゲの魔術師”と呼ばれる林シェフ👨🍳
糖の周りに泡がついているので、甘さはしっかりとあるのですが、不思議なほどダイレクトに甘くは感じないんです。
シャクッっとやわらかく崩れる心地よさと、じんわりとくる温もり。
騙されたと思って、ぜひ一度食べてみてください❣️
オレンジは主役ではなく、生地やクリームのおいしさを引き立てる存在🍊
というのがフランス菓子らしいなと感じさせるお菓子。
生地、クリーム、メレンゲの食感のコントラストと、グランマルニエが持ち上げるオレンジのみずみずしさがたまりません💞
ビジュアルから想像する以上に軽やかで、病みつきになるおいしさ。
オレンジが爽やかに弾けるのでこれからの季節にもピッタリです。
お店でも販売されるといいなぁ…。
林シェフの2品目は「ビュッシュロン」。
ビスキュイ・オ・ショコラとクレーム・オ・ショコラを重ねたシンプルな構成ですが、オープン当初からずっと並び続けているジャン・ミエ仕込みのガトーです🍫
最近はビスキュイ自体ををしっとりと焼いて、シロップをうたないお菓子が増えてきていますが、シロップをたっぷりとうつことで生地をしっとりやわらかくし、クリームとの渾然一体感をはかる…
そんな林シェフが考えるフランス菓子のエスプリが詰まったガトーです👨🍳
こちらの生地にもローマジパンが入っていますが、モンプリュさんはお菓子ごとに異なると言ってもいいほど生地の種類が多いんです。
この生地はローマジパンを加えることで、しっとりと存在感をだすイメージで。
ローマジパンと粉糖に卵を練っていくイメージで合わせ攪拌し、泡立てていきます。
キメ細かく、ボリュームのあるメレンゲを作ることがポイント。
このふたつを合わせるときは、メレンゲにローマジパン生地を合わせていきます。
逆にされる方も多いそうですが、軽いものに重いものを混ぜ合わせていきます。
さらに溶かしバターを加えてしっかりと混ぜ合わせ、焼成します。
湯煎にかけ75℃まで上げて3分加熱して滅菌し、すぐにミキサーにかけ高速でまわします。
殺菌増殖を防ぐために、できるだけ早く温度を下げるのがポイント。
20℃まで冷ましたら、麺棒でたたいた冷たいバターを加え混ぜていきます。
こちらも林シェフがよくおっしゃることですが「バターは20℃を超えると溶けているイメージ」。
冷たいバターをたたくことでやわらかな状態にしてから使うのです。
ヴァローナ社のカラク(カカオ分56%)を合わせ、クレーム・オ・ショコラを作ります🍫
林シェフ的には、このガトーにはショコラはどうしてもこのカラクでなくてはダメだそうで。。。
酸味のあるショコラとサワークリームで、食べやすく仕上がるのだそう。
ビスキュイにショコラのシロップをたっぷりとうって、ビスキュイとクリームを3層ずつ重ね、ショコラ・コポーでデコール。
このコポーが木屑のようなので、ビュッシュロン=木こりと名付けられているわけです。
かなり重厚そうなビジュアルですが、あえて厚みをもたせてカットされた生地は、しっとりとしていながらもボロっと崩れるような食感。
たっぷりとアンビベされたショコラのシロップが繋ぎ役となり、酸味をおびたクリームと一緒に口溶けていきます。
「できあがりのイメージをもつことが大切」
というポイントが散りばめられたお菓子でした✨
ちょっと変化球の、簡単に作れる方法を教えてくださいました。
お店にもパイシーターがないということで、麺棒で一定の厚みに伸ばしていきます。
あとでアパレイユと一緒に再び焼成するので、ここでは半焼け程度に。
アパレイユも材料全てを沸騰させ、スライスアーモンドを加えるのみ。
はちみつと水飴が同量で加えられていますが、はちみつは香りをプラスするため、水飴はシャリ止めとのこと。
水飴を増やすと固い食感になるのだそう。
これをフレキシパンにスプーンですくい入れ、160℃で8分焼成します。
ここがポイント❣️
ひとつひとつスプーンで型にいれるのは少し面倒ですが、アパレイユをオーブンで焼くことで、時間をかけて鍋で煮詰める代わりになるとのこと。
この上に、先程焼成したサブレをのせ、再度160℃で10分焼成します。
サブレの抜き型の直径が、アパレイユを流す型の直径より少し小さく、
できあがりはアパレイユがサブレを包み込む形に。
同じぐらいの直径の型があれば、よりフロランタンらしいビジュアルになるかなぁ。
通常のスクエア型よりも薄めで小さいので、ガリッとしつつも食べやすかったです。
バレンタインのオリジンコウベセレクションBOX用に作ったセロリのボンボンショコラもなぜか添えられています(笑)
オリジンコウベ講習会では恒例となった、奥田シェフの野菜スイーツシリーズです👨🍳
今回はアパレイユにクリームチーズを使い、低糖質に仕上げられています。
直径18cmのタルト1/8カット分で、糖質は約14gに。
ちなみにロカボが提唱する適正糖質は、1食で20~40gです。
アスパラに祈りをこめて…いるわけではありません(笑)
アスパラガスは最近太くて甘みのあるものが沢山出回っていますが、あえて細めで青臭い香りのあるものをセレクト。
その方が、野菜スイーツらしい香味に仕上げられるからとのこと。
でも好き嫌いは分かれるという危険性も…
色々なお野菜で代用できそうなところも魅力です🌽🎃🥕
実は最近、アグリコールさんでは食パンも販売されているんです🍞
数量超限定。
1日3本9斤分のみの超レアアイテムです!
「パティシエが作る湯種食パン」というネーミングで大人気に👨🍳
某ブーランジェさんのルセットで作られているそうで、オリジンメンバーも興味津々✨
思いっきりみんなでつまみ食いしちゃいました(笑)
この食パンと、フロランタンのアパレイユの残りを使ってフレンチトーストもおまけに。
おまけ…多すぎませんか?
お家ではこんなに贅沢なアパレイユは作れませんが、この超リッチなフレンチトーストもお店で販売されているそうです🍞
2019年度初となる講習会が無事終了いたしました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました
安定の師弟コンビ👨🍳
私は今回からiPhone撮影に📱
皆さんお忙しいのでなかなか8名全員が揃うのは難しいのですが…
今後の予定が決まりましたら、随時オリジンコウベのFBページで
告知していきますので、ぜひチェックしてくださいね!
ちなみに6月の多田×上田シェフの講習会は、告知2日目で満席となりました。
ありがとうございました💗
今年もオリジンコウベをどうぞよろしくお願いいたします。