第16回 ORIGINE KOBE講習会 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ



   
去る8月21日、「第16回 ORIGINE KOBE講習会」を開催させていただきました。   
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました


2018年第4回目の講師を務められたのは、
『アグリコール』の奥田義勝シェフと、『ラトリエ・ドゥ・マッサ』の上田真嗣シェフ。

今回も、各シェフ2品ずつ合計4品ご紹介させていただきました。


●奥田義勝シェフ
*ピクニック
*ヴィシソワーズ


●上田真嗣シェフ
*クレメ ダンジュ
*ガトー マロン

上田シェフのガトーマロンは、以前「松本由紀子」セレクションの

栗特集で、kurimanjyu(栗饅頭)としてだしていただいた一品🌰

ドーム型からオシャレな型にバージョンUPしていました!





 
奥田シェフの1品目は「ピクニック」。


オリジンコウベ2016年春夏コレクションのアイテムで、
テーマは「キャラメル」「チーズ」「ハーブ」です。


コレクションも8クール目ともなると、
奥田さんのピクニックどんなんだっけ?
俺何作ったけ?とパンフレットを見直すシェフの皆さん(笑)


奥田シェフのピクニックは・・・
サブレの中にラムレーズンとクルミをキャラメルで絡め、
アネットで香りづけしたパッションのジュレをアクセントに、
ワクワクするようなピクニックに合うタルトです。





 

構成は下から、パートシュクレ、
ラムレーズンとローストしたクルミを入れた

キャラメルフロマージュ、パッションのジュレ、
クレーム・フロマージュ・レジェール。


パートシュクレは、チョコレートでコーティングし、

香りがでるぐらいまでしっかりとローストしたクルミと

ラムレーズンを散らします。





 
パートシュクレの中に流すキャラメルフロマージュは、
1~3月にお店で販売されているキャラメル・ムーの
バターをクリームチーズに置き換えたもの。


タルトの中で柔らかくなければいけないので
工夫をして、コンフィズリーをタルトのパーツに変化させています。





 
ルセットには、キャラメルベースにクリームチーズを合わせるとあるのですが、
このキャラメルベースというのは、生クリームにグラニュー糖、
トレハロース、ハチミツ、グルコースを合わせたもの。


このベースを加えることで、クリームチーズを入れても、
タルトの中に流し入れられる柔らかな煮詰め加減にしても、
キャラメルの味が薄くなるのを防げるのだそう。


またこのキャラメルベースは汎用性があり、
パティシエールやバタークリームなど
様々なクリームなどをキャラメルテイストにしたいときに
活用できる便利アイテム。
このようなアイテムを自家製で考え出す工夫が、
お菓子のおいしさだけでなく、時短にも繋がるわけですね。





 
パッションのジュレにはディルをプラス。
パッションのシャープな酸味とディルの爽やかな香りの相性が抜群です。





 
クレーム・フロマージュ・レジェールには、
シャンティイのみでは軽すぎるということで
コクをプラスするためにクリームチーズが加えられています。

生クリームも42%と38%の2種類をブレンドして。





 
おーっ、想像以上に旨いなぁと某シェフ(笑)

お互いのお菓子を本音で褒め合えるのもオリジンメンバーの素敵なところ


キャラメルのコク深く濃厚な甘さとほろ苦さと、

パッションの深くシャープな酸味が合わさり、

ほのかな酸味のフロマージュのクリームが

全体をやさしくまとめあげています。


ディルの爽やかな香り、クルミのカリッと香ばしい食感、

ラムレーズンの芳醇な香りとアクセント素材が

次々と顔をのぞかせる楽しいお菓子。

濃厚ながらも単調にならないよう、きちんと計算されています。





  
奥田シェフの2品目は「ヴィシソワーズ」。


お菓子の講習会なのにヴィシソワーズ!?
とはいえ、きっとなにかお菓子的になる工程がと思いきや・・・
最後までそのまんまヴィシソワーズでした(笑)
ポイントを待っていたら・・・写真撮り損ねちゃいました★


ベースとなるパート・ヴィシソワーズは、じゃがいも、
セロリ、水、塩をただコトコトと煮ただけ。
ここに牛乳、生クリームを加え、塩で味を整えます。


ね、まさにヴィシソワーズそのものですよね!?





  
試食の際に、ちょこっとスイーツポイントがプラスされました。

グラスにピーナッツクリームを塗り付け、
ヴィシソワーズを注ぎ、ピーナッツサブレを添えて。


材料はとてもシンプルながら、しっかりとおいしいのは
さすが野菜王子奥田シェフ!
コンソメなども使われていないので、
お家でも簡単に作れそうですね。


ピーナッツとの相性の良さにもびっくり!
アーモンドやヘーゼルナッツなどのいわゆる

お菓子に使われるナッツ系とはひと味違う、
塩味があり油脂を感じる独特の香りが、
潔いほどにシンプルで澄んだ味わいの

スープのアクセントになっていました。
クルトンではなくサブレなのがパティシエ流。


でもこれをお店でお菓子として販売できるの?!と思ったら…
お店では蓋をして販売していることもあるそう。
それでもやっぱりスープですよね(笑)
ゼラチンで固めてピーナッツのクランブルをのせても!とのこと。
それであれば、野菜スイーツの仲間入りですね。





 

上田シェフの1品目は「クレメダンジュ」。


構成はシンプルに、ビスキュイ ア ラ キュイエールと、
クレーム フロマージュ ブランのみ。


最近は作られているお店が少ないですが、
私にはかなり懐かしいお菓子。

OL時代によく食べていた記憶があります。






 
ビスキュイ ア ラ キュイエールは、メレンゲを作り、
卵黄はたてずに液体のまま合わせていきます。
こうすると生地が安定し、作業性が上がるのだそう。







このビスキュイに、シロップフランボワーズを芯まで浸みこませ
小さなドーム型に入れて冷やし固めておきます。





 
クレーム フロマージュ ブランは、 イタリアンメレンゲ、

生クリーム、 フロマージュ・ブラン、クレームドゥーブルを合わせて。


今回のポイントは、フロマージュ・ブラン。
「Brise de mer FAISSELLE(ブリーズ・ドゥ・メール フェッセル)」を使用。

北海道根釧地区の風味豊かな乳を使い、
自然に任せるままホエーを滴らせ、
フェッセル(水切りかご)に入れたフロマージュ・ブラン。
タカナシ乳業さんとフランスのイズニーサントメール酪農協同組合さんの
技術、伝統によって作り上げられたブランドの商品だそう。


ちょこっとこのままいただいてみたんですが、
もろっとした食感ながら、フレッシュでミルキー。
クリーミーな乳の味わいが広がります。
今まで日本で食べたフロマージュ・ブランの中で一番おいしいかも!?







 
組み立ては、型にカーゼを敷き、
クレーム フロマージュ ブランを型に絞り入れ、
ビスキュイを中央に置き、さらにクレーム絞り入れます。





  
今までいただいたクレメ ダンジュの中で、

一番ふわふわでフレッシュなテイスト。
フランボワーズの酸味が程よいアクセントになり、

このボリュームでも最後までおいしくいただけます。


このスペシャルなフロマージュ・ブランのお陰か!?

上田シェフの腕の成せる技か!?

あらためておいしいお菓子だなぁと思いました。





 
上田シェフの2品目は「ガトー マロン」。


私も大好きな、これからの時季にぴったりの
栗たっぷりの焼き菓子です。





 
ベースの生地は、マロンペースト、アーモンドプードルが
たっぷりと入ったリッチな配合。
さらにブリゼマロンとクルミを加えます。


フランスではマロングラッセが入り、さらにリッチ感がUPするそう。
でも日本人にはかなり甘そうですよね。
その場合は生地のグラニュー糖を減らして。






 

以前はドーム型でしたが、ちょっぴりオシャレなお花型(?)
にしぼっていきます。
かなりボリュームたっぷりに見えますね。





 
焼きあがったら、ラム酒のグラスをかけて。


このままでも充分においしくいただけますが、
今回はさらにマロン、クルミ、チョコレート、金箔でデコール。
シンプルな焼き菓子が、ギフト用にバージョンUPします。





 
まさに栗饅頭!和の趣が感じられます。

シャリッと響くラム酒のグラスがフランス菓子への扉。


私はグラスがかかっている方が断然好きですが、

マロンがふんだんに入っているので、生地だけでも充分な味わい深さ。

逆にデコールはなしで、このシンプルな形がマイベスト!

はまってしまうおいしさです












 
2018年度第4回目、今年最終回の講習会が無事終了いたしました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました





 
毎年5月~8月まで月一回行われるこの講習会。

講習会時期になると、1ヶ月がより早く感じられます。

これだけシェフのキャラクターが顕著になる講習会も珍しいのでは!?

和気藹々としていながら、真剣なところは真剣に。

お互いのお菓子から刺激を受ける姿に、私もまた刺激を受けています。

今年もまた沢山の学びをいただきました。 


皆さんお忙しいのでなかなか8名全員が揃うのは難しいのですが・・・
気持ちはいつも8名でオリジンコウベ
また皆さまにお目にかかれる機会を楽しみにしています(*˙˘˙*)❥❥

今後のオリジンコウベの活動としては、
すでに2018秋冬コレクションがスタートしています。
クリスマスケーキ、バレンタインBOXも
今年もオリジンコウベとして販売させていただきます。

今後の予定が決まりましたら、随時オリジンコウベのFBページで

告知していきますので、ぜひチェックしてくださいね!

https://www.facebook.com/originekobe/  


今後ともオリジンコウベをどうぞよろしくお願いいたします。