「第13回 ORIGINE KOBE講習会」を開催させていただきました。
ご参加くださいました皆さま、ありがとうございました(*´꒳`*)
2018年第1回目の講師を務められたのは、
『パティスリー エトネ』の多田征二シェフと、『マビッシュ』の村田博シェフ
今回も、各シェフ2品ずつ合計4品ご紹介させていただきました。
●多田征二シェフ
*ケーク カフェ ショコラ
*ホイップ トリュフ
●村田シェフ
*ムラング・シャンティイ
*フロマジュリ
発足当初からずっとヘルプしてくれているので、もう皆さんにもすっかりお馴染みですが・・・
正式には2017年6月からオリジンコウベに加入した2期生の村田シェフ。
今年初の講習会を、仲良しの多田先輩と一緒に“チーム芦屋”で飾ってくれました。
今回のキーワードは「作業温度の管理」。
工程はいたってシンプルながら、常に同じ状態に仕上げられるのには、
しっかりとした製菓理論の裏付けがあるのだということを痛感しました。
今さらそんなにメモる?ってみんなに突っ込まれたけど・・・
私でもこうすればおいしく作れるかも!?と錯覚するほどの
分かりやすく且つ経験に裏打ちされた明確な理論に、
思わずメモ魔にならずにはいられませんでした(笑)
多田シェフの1品目は「ケーク カフェ ショコラ」。
多田シェフのパウンドケーキを食べられことありますか?
飲みものいらずの、究極の口どけのよさが魅力なんです。
生地のベースは、シンプルにほぼ4同割。
作り方もシンプルに、シュガーバッタ法ですが
わざと分離させてから、温度を上げることにより繋げていくのが最大のポイントです!
卵を入れていくうちに生地が分離していきます。
これは20℃の状態。
一見して分離しているのが分かりますね。
ここからレンジを使って、少しずつ生地温度を上げていきます。
23℃では一見乳化しているように見えるのですが、
混ぜてみるとまだやや分離していて・・・
でも、あら不思議!?
生地温度25℃にすると一気に繋がるんです。
たった1℃、されど1℃…この見極めで、食感が大きく変わるのですね。
一年を通して同じ状態に仕上がるよう、ベテランの多田シェフでも、
このように細かに生地温度を測りながら作ることで、
あの素晴らしき口どけ感が生まれるわけです
生地にはトラブリを入れて、カフェテイストに。
ここにジャンドゥーヤを入れるのですが、この入れ方にまたビックリなひと工夫が!?
フルーツケーキなどでも、フィリングが生地の中に沈んでしまうことがありますよね。
食べ手としても、全体に散らばっていたらいいのにと思うことがよくあります。
回避法としては、フィリングに粉をまぶすとか、生地と同量のフィリングを
入れるなどがありますが、なかなかうまくいかないことが多いそう。
コンベクションで焼く方が沈みにくくはなるそうです。
今回はあまりにも画期的な方法で、他のシェフ達も驚いてらっしゃいました。
まず同じ生地を焼き、極薄にスライスします。
このスライスした生地をアパレイユの上に置き、
その上にジャンドゥーヤを置くことで、
ジャンドゥーヤが沈むことなく、全体に均等に散らばるのです。
アパレイユ、スライスした生地、ジャンドゥーヤの順に重ねることを
2回繰り返し、最後にアパレイユを重ねて。
スライスした生地が2枚入っているのですが、入っていると分かりながら
よ~く見ないと分からない程度。
違和感が全くなく、模様のように見えますよね。
最後に、アーモンドダイス入りのパータグラッセをTOPにつけ
クランブルをのせ、ピスタチオと削りチョコでデコール。
一気にオシャレなビジュアルに変身です!
カットすると・・・ほらっ
ジャンドゥーヤがしっかりと沈まずに入っていますね。
スライスした生地は、食感的にはノープロブレム。
ほんとにビックリのプロならではのスゴ技でした。
ジャンドゥーヤがブロックで入っているのでとても存在感があり、
ビターなカフェ風味が全体を優しく包み込んでいて、父の日のプレゼントにもぴったり
多田シェフらしいきめ細やかで口どけのよい生地。
生地とフィリングの風味と香りはしっかりと感じられながらも、
スッと口どける軽やかな後口。
多田シェフのケークの生地感は、一度食べると忘れられなくなること間違いなしですよ(*˙˘˙*)❥❥
仕上げはダークチョコレートでトランペし、ココアをまぶして。
バター多めの配合なので、トランべは低温でするのがポイント。
今回は、少しラベンダー風味をプラスされていました。
ここで、ココア部隊に田中シェフが登場
バターが多く配合されているので、
とても口どけがよく、お口の中でスッと溶け消えていきます。
村田シェフの1品目は「ムラング・シャンティイ」。
メレンゲとひと口に言っても、どのようなメレンゲを目指すかによって
村田シェフは、やさしく口どけのいいメレンゲを目指して。
たて終わったメレンゲは、ツヤっとしていながらも、
形が均一になるよう、ダックワーズの型に絞り
ローストアーモンドをのせるのは村田流のこだわりで、
粉糖をふる姿は、完全にも○みち風!?(笑)
粉糖を2回ふると、砂糖の膜ができて火が入りにくくなり、
温度を3段階(100℃→120℃→130℃)に調整して
2時間10分かけてじっくりと焼成。
今回はこの焼きたてのメレンゲも試食に。
ムラングに、シャンティフロマージュブランを挟み、
オレンジとライムのナパージュでデコール。
シャクッと軽やかに口どけるムラング。
モンプリュで11 年間、林シェフの右腕として活躍した村田シェフが独立して、
これは私も初めましてのお菓子でしたが、
お店ではプレーンで販売されていますが、
パートサブレに、アニスのシロップをアンビベしたビスキュイ・ジョコンド、
クレームアニスをセンターに鋳込んだクレームフロマージュを重ねて。
メレンゲに砂糖が入らない不安定な生地。
アーモンドプードルは油脂なので、たててオーブンに入れると浮くが、
また天板にシルパッドを敷くとその厚みで火通りがやさしくなり、
仕上がった生地は、かなり流動性が高く目がつまっているので
アーモンドの風味を濃く感じることができるとのこと。
モンプリュのスーシェフ時代、お菓子教室の時に
マスカルポーネとサワークリームを合わせたものに。
チーズ入りシャンティイのイメージだそう。
手でたてるとたちすぎて味が薄くなってしまうので
クレームパティシエールと、味にコクと奥ゆきをだすために
このシンプルなお菓子を、ここまでエレガントに
昨年6月にマビッシュ 村田シェフも加入し、現在は8名で活動中のオリジンコウベ。
今後の予定が決まりましたら、随時オリジンコウベのFBページで
告知していきますので、ぜひチェックしてくださいね!
https://www.facebook.com/originekobe/
今年もオリジンコウベをどうぞよろしくお願いいたします。