アンリ・ルルー氏@サロン・デュ・ショコラ(ジェイアール京都伊勢丹) | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ



2月3日より、サロン・デュ・ショコラ@ジェイアール京都伊勢丹が
スタートしました!(~2月14日)
ショコラは新宿伊勢丹さんで十二分に購入したので、
国内外のトップショコラティエ&パティシエのセミナー&
デモンストレーションや、12名のパティシエさんが日替わりで登場し、
こちらの会場限定のオリジナルデザートを作ってくださるという
アトリエ・デュ・パティシエをメインにと思ってたんだけど。。。
やっぱり追加でちょこちょこと購入しちゃってます^^;

 
1日目は、アンリ・ルルーさんのセミナーを受けたかったので、
かなり早めに行ったんですが・・・
思いのほか早くから整理券の列ができていました。
(時間は・・・さらに早くなっちゃうと困るので内緒ね^^;)
初回だし、皆さんルルーさん狙いなのかなぁ。。。と思っていたら、
若きショコラの求道者 フランク・ケストナーさんと人気を二分していましたよ。

9:30に整理券をGETした後は、入り口前で待機して。。。
第一集団で会場に入るも、ベルナシオンのブースには長蛇の列が。。。
講座の生徒さんでもあるお友達が購入したいというので、
30分ほど一緒に並んだら・・・やっぱり私も我慢できずに買っちゃいました^^;
でもこれは彼女も食べたいというので、講座用に!
1日目に完売してしまった人気商品なので、生徒さんにも喜んでもらえるかと♪

 
私はボンボンショコラがあまり得意ではないので、
(3粒食べると、眉間が痛くなって、頭がガンガンしてきちゃうの★)
いつもひと箱食べきるのが大変なんですよね。。。
だから1ブランド一粒ずつ味見できちゃう2月の講座は私も楽しみ(*^^*)♪
新宿のみで京都の伊勢丹さんには出ていない商品もたくさん購入したし、
逆に京都伊勢丹さん限定の商品も!
ボンボンショコラ以外にも、あんなものやこんなものが・・・
生徒の皆さん、楽しみにしていてくださいね~♪

話がそれちゃいましたが・・・
ベルナシオンのショコラをGETすると、11時からの
セミナーに丁度いい時間になっていたので、特設のセミナー会場へ。
残念ながら写真撮影は禁止だったので、
試食させていただいたものをご紹介させていただきますね。
(と思っていたら、動画のみ禁止だったみたいで・・・
 せっかくのルルーさんのお写真取り損ねちゃいました★)








アンリ・ルルー氏は、1942年フランス・ブルターニュ生まれの67歳。
69年に実家のパティスリーを継ぎ、77年にキブロンで「ルルー」を開店。
ブルターニュ地方の加塩バターが入ったキャラメル
「C.B.S.(セー・ベー・エス)」を作り始め、80年にC.B.Sが
パリ国際砂糖菓子展で最優秀ボンボン賞を受賞。

今回は新作のキャラメル2種と3種のボンボンを試食させていただきました。
時計回りに・・・ルルーさんからの説明後、五感をフルに働かせていただきます。








●サンクサヴァー
 
オレンジ・洋ナシ・ショウガ・サフラン・ジャスミンの5つの風味。
まずサフランが香り、フルーツ、ジャスミン・・・
そして、余韻にほんのりと刺激のあるショウガの香りが広がります。
舌にザラッとあたるのは洋ナシのピューレ。
美しい黄色はオレンジ果汁とサフランでだしていて、
他のキャラメルに比べて、火の入れ方がとてもデリケートなんだそう。





  


●ショコラオランジュ

マイルドなショコラテイストのキャラメルの中に、
オレンジの皮のコンフィとグリエしたスライスアーモンド。
アーモンドは顎を使って噛み砕く食感と、層のようなデザインのアクセントに。
キャラメルが溶けた後に、アーモンドの欠片とオレンジの香りの余韻が残ります。

ルルーさんがセミナー中何度もおっしゃっていたのが、
「キャラメルもボンボンも高級なものなので、少しずつ味わいながら食べることが大切」
ということ。パクパクと食べられるのは心外なご様子でした。
京都で言うと、哲学の道を歩きながらゆったりと食べる感覚で・・・と。







●ノワゼット・レ

クラッシックな一品。 
まず、プラリネの作り方を丁寧に教えてくださり・・・
ノワゼットの香りを生かすためには、自分はミルクチョコレートを使っているが、
どのようなショコラを合わせるかはショコラティエの好み、感覚で。
ルルーさんは、アソートBOXの中に入れてバランスのいいように考えられているそう。









●イ・グワラニ

パリのサロン・デュ・ショコラで発表したライムの果実を使った新作。
昨年(2009年)はフランスにおけるブラジル年だったので、
パリに住んでいるブラジル人デザイナーとコラボして生まれた作品。
グワラニはブラジルの先住民族です。
パリのサロン・デュ・ショコラ恒例のファッションショーでは、
オペラ「イ・グワラニ」(グワラニ族とポルトガル人の禁じられた愛)
をモチーフにした衣装を披露されたそう。

そこからさらにイマジネーションを広げ、自家製のライムのコンフィを加えた
ムース状のガナッシュを、ビターチョコレートでコーティングした
ボンボンを考案。それがこのイ・グワラニ。
ライムのコンフィのフルーティな香りとかすかな苦味の余韻が残ります。







●クリスティーヌ

ネーミングを聞いただけでピン!ときますよね。
そう、クリスティーヌ・フェルベールさんをイメージして作られたボンボンなんです❤

ルルーさんのいるキブロンと、フェルベールさんのいるニーデルモルシュヴィルは
100kmも離れているので、なかなか行き来はできないそうなんですが、
ルルーさんがフェルベールさんのラボを訪れられたことがあるそうで。。。

フェルベールさんはショコラ、コンフィチュール以外にパンデピスのスペシャリスト。
そこで、訪問した記念に作ろうと考えられたのが、
このパンデピス風味のボンボンショコラなんですって。

オレンジ風味のパート・ド・フリュイの上にパンデピス風味のガナッシュを重ねて。
パート・ド・フリュイの層がある分、先の2種のボンボンほどは柔らかくなく、
パンデピスのスパイシーな香りが織重なりながら広がった後に、
オレンジの爽やかな香りが追いかけてきます。
まるでアルザスを旅している気分になる、とてもインパクトのあるショコラ。

パンデピスに使われているスパイスは、胡椒、ジンジャー、クローブ、
ナツメグ、アニスなどで(これをクリスマススパイスと呼ばれていました)
このクリスマススパイスを生クリームに入れ、香りを抽出しています。
私も好きなんですよね・・・このクリスマススパイスの風味と香り。
フェルベールさんのベラベッカ、コンフィチュール・ノエル・パンデピスは
今まで食べた中で一番好みのクリスマステイストでした❤








そして今回、ルルー氏は新しい試みをされています。
これまでホワイトチョコレートは自分にとってはチョコレートでないと
考えられていたルルー氏。
でも抹茶にはホワイトチョコでないと抹茶の香りを生かすことができないと考え、
今回初めて使われたのだとか。
今まではイースターの飾りなどに、年間250gだけしか使っていなかったそう。
だけど残念ながら、このホワイトチョコと抹茶・フランボワーズを合わせたボンボンは
東京ですでに完売してしまっていました★

 
「新しいものを作り出すのに大切なことは?」というお客さまからの質問に、
私たちは神ではないので、あまり自分にプレッシャーをかけないこと。
雲のような軽い気持ちで。。。
人との出逢い、何かを食べたときの驚き、日常生活の一つ一つを大切に。
何かひとつアイデアが浮かんだら、具現化することが大切。
足はしっかり地につけて、頭は雲の中に・・・という感じでね!とのこと。
御歳67歳のルルーさんのお言葉・・・心に響きますね♪

アンリ・ルルーというとキャラメルのイメージが強く、
ボンボンショコラはあまりいただいたことがなかったのですが、
繊細なテクスチャー、香りの広がりが素晴らしいボンボンでした。

「キャラメルもボンボンも高級なものなので、新鮮なものを少しずつ購入して、
 大切に、ゆっくりと味わいながら食べてほしい。。。」
ひと粒ひと粒を愛おしそうに見つめ、いろいろな情景を思い浮かべながら
ゆっくりと味わってらっしゃるルルーさんのお顔は本当に幸せそうで・・・
こういう方に作られるお菓子は本当に幸せだなぁ。。。と感じました。

ルルーさん、たくさんの心に沁みるお言葉をありがとうございました(*^^*)❤