●エス
店名を冠しているのでシェフのスペシャリテかと思いきや・・・
お客さまにお薦めはなんですか？と聞かれた時に困らないように
通年商品があった方がいいかなぁ…と思い考えられたガトーなんですって。
どなたにも好まれるお菓子を・・・ということでチーズケーキにされたとのこと。
でもやはり“ムースを関西にも定着させたい！”という想いがお強いので、
こちらもムース仕立てにされています。
なめらかな口溶けのフロマージュ・フレとクリームチーズのムースの中から、
リキッド状のフランボワーズのソースがスーっと流れだしてきます。
グロゼイユのキュンとした酸味がアクセントに♪
余韻には生地にアンビベされたキルシュの香りがふわり・・・
どなたにも・・・というよりも、白ワインに合わせたくなるような
大人テイストのチーズケーキでした。
●ポワール・マロン
アーモンドをまぶしたビスキュイ・ショコラの中には、
コニャックを効かせたマロンのムース。
マロングラッセのコンカッセが散りばめられています。
上には、オードヴィーを効かせた洋梨のムースを重ねて。
口溶けはとろりとやわらかなイメージながら、
余韻には馨しくキレのあるコニャックの香りが広がっていくアダルトなガトー。
マロンとコニャックの華やかなマリアージュ…好きだなぁ・・・❤
●カノン
“カノン”は、音楽のカノンから？とおうかがいすると、
パティスリー・Sさんが入ってらっしゃるマンション名の
「KANON」から取られたのだそう。
フランボワーズと白ワインのムースに、
エルダーフラワーシロップの香りがアクセントに。
ミルキーホワイト×ピンクという春をイメージさせる色合いながら、
ファーストノートは、パッと弾ける爽やかなライムとレモンの香リ♪
よ～く眼をこらすと、ムースの中にグリーンとイエローのゼストがご覧いただけるかしら？！
ミドルには、フランボワーズの酸味にグロゼイユの土っぽさがアクセントに。
そしてラストノートには、エルダーフラワー（西洋ニワトコ）の
ほんのりと甘く、フルーティーな香りの余韻が長く続いていきます・・・
優雅に流れる白ワイン香りの中に、柑橘やベリーの爽やかな香りが現われては消え、
最後に甘やかなエルダーフラワーの香りがまとめあげていく感じ・・・
ひと口いただいている間に、色々な表情を楽しむことができる
Sさんがオープンした季節の、まだほんのりと寒さの残る春を髣髴とさせる
フェミニンで上品な雰囲気のガトーでした。
●ミニュ
カシス×ラムレーズンは、間違いのないアダルトなマリアージュだし、
バナナ×ラムの相性もばっちりだけど・・・
ねっとりと甘みが濃厚なバナナ×滋味深い酸味のカシスって？
と全層のマリアージュがイマイチイメージできなかったので、いただいてみました。
バナナはあの特有のねっとり感はなく、オレンジの酸味を効かせたコンフィのような感じ。
全層がひとつのハーモニーを醸し出しているというよりも、
お口の中で、インパクトのある色々なフレーバーがパッ、パッと瞬時に現われてきて、
ラストに華やかなラムの香りが長く続いていきます・・・
中元シェフのラム使いは、焼き菓子をいただいた時にも感動していたので
きっとこのお菓子も好みだろうなぁ・・・と思っていたんですが、
ちょっぴりマニア好みの面白い感覚のガトーかな。
でもやっぱり、ラムの効かせ具合は絶妙でした。
シェフ曰く・・・“ミニュ”は真夜中の12時という意味なので、
その時間の、ワ～っというテンションを表現したお菓子なんですって＾＾；
そのイメージが面白いです・・・
つづきます・・・
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店名：Patisserie S（パティスリー・エス）
住所：京都市下京区高辻通室町西入繁昌町300-1
カノン室町四条1階
電話：075-361-5521
定休日：木曜日
営業時間：11:30～19:30