[井上佳哉シェフ編
]
[島田進シェフ編
]
オーボンヴュータンの河田シェフは、ガトー・ブルトンを紹介してくださいました。
河田シェフのデモを拝見させていただくのは初めてなので、ドキドキ❤
本来はもう少し波型の幅の広い、3種類の大きさのブルトン型を使うそうなんですが、
その型をまだ入手することができていないので、
今回はビスキュイ・サヴォアの型を使ってとのこと。
以前に別の講習会で焼いてとても美味しかったので、
今回はこのガトー・ブルトンをセレクトしてくださったんだそう。
型に丁寧にバターを塗っていかれる河田シェフ。
2つ目からは、他のシェフに任せたら・・・と言われても、
自分で塗る!と言われて、丁寧に楽しそうに塗られていました(笑)
材料はとてもシンプルで、卵黄を加えたパートダマンド・クリュに
たてた卵白と強力粉を豪快に手で混ぜ合わせていきます。
(パートダマンドは、アーモンドと砂糖の割合が1:1。
パートダマンド・クリュは、アーモンドにもシロップにも火が入っておらず、
卵黄、卵白、あるいは水で結着しますが、卵を使うと日持ちが短くなります)
お店では、スペイン産のバレンシア(混合種)のみを使用されているそう。
以前はマルコナ種を使われていたそうなんですが、
もっと深みを追求されたのと、単一種のアーモンドには飽きてしまわれたからとのこと。
皮付きのアーモンドを湯むきして乾燥させ、砂糖とバニラビーンズを合わせて
ローラーで挽き、自家製タンプルタンを作られています。
美味しいお菓子を作る為には、加工品に頼ることなく、
たとえ手間がかかろうとも素材にこだわりぬく!
というお菓子作りの原点にこだわり、守り続ける姿勢を貫き通されている
河田シェフの想いが、言葉のひとつひとつから伝わってきました。
最後にフルール・ドランジュ(オレンジの花の水)を10滴加えて。
河田シェフが参考にされたという古書がこちら。
永井シェフが指さしてらっしゃるお菓子が、時代を超えて再現されました。
これはアントナンカレームの弟子が、今から150年以上も前、1856年に著したもので、
その当時のモダンなお菓子「PATISSIER MODERNE」が、数多く紹介されています。
現在では見られない、凹凸のある印刷なんですって。
2番目に大きな型が一番早く焼きあがり、170℃で50分程。
一番大きな型で、1時間半程かかりました。
このような普段は見られない壮大な造形美を見られるのも、
この伝統菓子講習会だからこそですね!
素材はとてもシンプルながら、アーモンドの香り高く、
外はサクッ、中はしっとり、ふんわりと食感のコントラストが感じられる一品。
まさにフランス伝統菓子の美味しさがストレートに伝わってくるお菓子でした。
今年の講習会のテーマは「今を生きる伝統菓子」ですが、
進化より、退化した中から何か面白いものを見つけてやろう!
と思うんですとおっしゃる河田シェフ。
その語り口調にいつの間にか惹き込まれてしまう、
素晴らしい河田シェフのデモンストレーション初体験でした。
つづいては、ちょっぴり講習会は休憩して、
翌日お伺いしたオーボンヴュータンさんのお菓子
をご紹介しますね♪