WPTC2008記念講習会 ☆ アメ細工編 -1 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ
チームJAPAN ☆ WPTC2008 記念講習会
WPTC2008記念講習会 ☆ introduction編 ]
(WPTCオフィシャルサイト・PCG参照 )

  
  


  
誌面やweb上の写で拝見するのとは格段に異なる
その透明感と煌めきの美しさに、すっかり心を奪われてしまった
川村シェフのアメ細工☆

「イマジネーション」というテーマに合わせて
生物の自然界において自由の中にある厳しさを
蝶と蠍のモチーフで表現されたそう。

  
  
  



優勝チームであるアメリカのアメ細工が、
赤、黄、オレンジ、緑、青とカラフルなビビッドカラーであったのと対照的に
グリーンを基調に、白と赤をアクセントに配するという
シンプルな配色の川村シェフのアメ細工。

深い緑色から放たれる不思議な清涼感。
なんて幻想的な色合いなのかしら・・・

深く、重厚感溢れる煌めきをもつ緑のグラデーションの上に、
蝶の羽の白色と蠍の赤色が、クリアに浮かび上がり、
印象的な存在感を放っています。







私が最も魅せられたのが・・・このキラキラと煌めく蝶の羽根。

このクーレを用いた蝶の羽のキラキラとした質感は、
川村シェフが、何度も練習を重ねた進歩の結果であり、
勝つために見出した、新しい技術的なアピールポイントなんだそう。

まるで雪の結晶のような、透明度の高い煌めき・・・
見る角度によって、煌めき具合と色合いが異なり、
その表情が全く違って見える、神秘的なオーラを醸し出す蝶・・・
まるで今にもふわりと飛び立ってしまいそうな雰囲気。

私がアメ細工に対して感じた “firsut deep impression”
として、この蝶は深く脳裏に刻み込まれました。





















このような真剣な表情で、たんたんと作業を進められていく川村シェフ。
葉のモチーフ以外の型は持ち込んではいけないという規定があり、
本番では、優勝候補である日本だからこその
厳しい指摘も受けられたりして、怒りを感じることもあったそう。

このお話の時だけは、川村シェフも感情を露わにしてらして(笑)
今は皆さん笑顔で語ってらっしゃいましたが、
ほんの少しのミスが命取りになるという極限状態の現場では、
さぞかし緊迫した空気が流れたことでしょう・・・
ここでも英語がご堪能な上村氏がご活躍されたようです。











アメ細工には、大きく分けると
「シュクル・ティレ」(引き飴細工) 「シュクル・クーレ」(流し飴細工)
「シュクル・スフレ」(吹き飴細工) 「シュクル・フィレ」(糸飴細工)
などの技法がありますが、川村シェフの手にかかると、
ただの塊であった飴の色と形が、あっという間に変化していくんです・・・
まさに変幻自在・・・魔法の手!
でも使われる道具は、こんな普通のドライヤーやポンプなんですね(笑)









飴に極薄のシリコンシートで、蝶の模様を入れます。
このシリコンシートは、チョコレート細工にもプチ・ガトーにも使われていて
いわゆる日本の秘密兵器!?

飴細工最大の敵は湿度。
湿度が高いと飴がだれてしまうし、逆に低いと割れてしまう。
単に飴を溶かして接着するというだけでなく、
接着用の飴を別に用意して、さらに接着力を強化するという方法もとってらっしゃいました。
細かいパーツが外れないように、そして倒れてこないように、
本当に繊細で緻密な作業の積み重ねによって、
このような大きく素晴らしいピエスが仕上げられていくんですね。
(私の身長をゆうに超えていました)

  
アメ細工 2日目につづきます・・・