パン・ペルデュ・オ・フリュイ・ルージュ@タンドレス | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ



 
2010年2月のクグロフグラッセ 以来、久々に登場した
タンドレスさんのイートイン限定デセール!
待望の第2弾は、パン・ペルデュ・オ・フリュイ・ルージュです。

パン・ペルデュとはフレンチトーストのことで、余ったブリオッシュや
バケットなどを卵と牛乳に浸して焼いたもの。

でもその“パンペルデュ”という言葉から想像していたものとは
全くかけ離れた、麗しきビジュアルのデセールが登場しました。

しかも、数口食べてみるまで全く気付かずにいたんですが・・・
実は私、このパンペルデュ・・・以前にいただいたことがあったんです。
まだベックルージュ時代の2006年10月に。。。

当時はサロンがなかったので、テイクアウトできるスタイルで、
フリュイルージュのソースは別添えになっていました。
クリームの高さももう少し低めだったかな。

ひと口食べて、ん???
ふた口食べて、あれっ、これ??
み口食べて、あっ、もしかして?!
と気付くまでにやや時間がかかったのは、
最近私の物忘れ度がUPしているからだけでなく(笑)
テイクアウト時代よりも格段に美味しく変貌していたから❤

 
 
 


 
 
イートイン限定デセール パン・ペルデュ・オ・フリュイ・ルージュ

ブリオッシュにクレーム・ダマンドを塗って焼き上げ、
キルシュ風味のクレーム・パティシエールと赤い果実のソースを添えて。

まず、Qweenのごとき風格の漂うたたずまいにうっとり。。。
そして、ひと口お口に運んでさらにうっとり。。。
馨しきビターアマンドと気品高きキルシュの香り、甘酸っぱいベリーの香り、
そしてふくよかなバターの香りに包みこまれていきます。。。

パンペルデュという文字から、そしてこのビジュアルから想像していた
テイストをはるかに凌駕する魅惑の大人テイスト。

クレームは、トゥルン♪という軽やかな口あたり。
イチゴ、フランボワーズ、ブルーベリー、グロゼイユなどキラキラと煌めく
大粒の赤い果実たっぷりの甘酸っぱいソースがとろ~りと絡み、
フレッシュのミントが清々しさを添えています。

 
 
 


 
ブリオッシュ生地は、エッジがキリッと立つ凛々しいビジュアル。
外はサクッと軽やかに、中はしっとり、ふうわりとした食感に焼き上げられています。

でも・・・口あたりは軽やかながら、余韻はバターリッチ。
バターも卵もかなり贅沢に配合されているそう。
そんな配合でなぜこんなに軽やかな食感に仕上がるんですか?!とうかがうと、
普通に焼いてるだけなんですけどね(苦笑)と山口シェフ。
この“普通に・・・”が曲者なんですよね^^;
しいて言うならば・・・菓子屋のブリオッシュだからとのこと。
リッチ感が違います!

  
 

 
 


 
以前はテイクアウトできたこちらのパンペルデュ。
でも、他のケーキと一緒にテイクアウトできるようにすると
ブリオッシュ生地も冷えてしまうことに。
クリームやソースのテクスチャーも変わってきます。

タンドレスさんのお菓子は、シェフが食べ頃の温度にまでこだわってらっしゃる
ことからも分かるように、テクスチャーが最大の魅力と言っても過言ではありません。
それはブリオッシュというヴィエノワズリーにも共通すること。。。
サクッ、ふわっの食感のコントラストがテイクアウトのものとは全くの別物でした。

もちろんテイクアウトした時も、きちんと食感のコントラストは残っていましたし、
充分美味しいと感じたんですが…やはりこのイートインデセールを食べてしまうと^^;
食感のコントラストが素晴らしいのはもちろんのこと、香りの広がりが全く違うんです!

ビターアマンドとキルシュ、そしてふくよかなバターとフレッシュなフルーツの香りが
次々と折重なり、一度も閉じこめられることなくパッと花開き、
食べ終わった後もしばらく、麗しの香りの渦の中に浮かんでいる感じ。。。

あぁ・・・思い出すだけでもう一度食べたい誘惑に駆られちゃいます。
でも残念ながら・・・かなりお手間がかかるということで、とりあえずは
先週末の3日間だけのご予定だそう。
一期一会縁のない私にしては、とってもラッキーな巡り会いでした♪

タンドレスさんのデセールは、まさに山口シェフが表現したいと
考えられていることの集大成とも言える作品。
味や香りはもちろんのこと、究極の食感や温度差までもが
余すところなく存分に表現されています。
また、一期一会のご縁に恵まれますように。。。

 
テイクアウトしたお菓子につづきます・・・