トゥジュールさんの焼き菓子たち。
稲木シェフがこの場所でお店を!と思ったきっかけとなり、
トゥジュールさんの顔ともなっている
薪で焼き上げる「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」
フランス・ピレネー地方の伝統菓子で、棒に生地を巻きつけて回しながら、
薪の炎で1本ずつ焼き上げていきます。
100年以上昔の作り方をもとにしフランスで作ってもらった芯棒を使い、
お父さまが割りだめてくれたり、ご近所の方からいただいた山陰地方の薪を使って。
お店の横の薪棚に薪が積み上がっている姿は、まるで外国の風景のようでした。
今回薪釜も拝見させていただいたんですが、写真は遠慮したので、
トゥジュールさんのFBページのカバー写真からお借りしました。
こんな風に焼き上げられる様子を拝見してみたいですね♪
薪で焼き上げると火のあたりにムラができるためデコボコになり、
表面はカリッ、中はしっとりとした食感に。
ひとつひとつ表情が異なるのも、こういう素朴なお菓子の魅力。
小麦粉、砂糖、バター、卵の基本生地に、塩とオレンジ、
そして薪の燻香がアクセントになっていました。
そして大好きなお菓子「クグロフ」
この姿で店頭に鎮座していたら、連れて帰らないわけにはいきませんよね(笑)
発酵バターと卵の香り豊かな、ブリオッシュベースのクグロフ。
レーズンの酸味とオレンジピールの苦みをアクセントに、
オレンジフラワーウォーターの香りを纏わせて。
生地はきめ細かくむっちりとした食感ながら、ほわりとお口の中でほどけていきます。
やっぱり大きく焼き上げたお菓子って、美味しいですよね(*^-^*)
ただ…カットしても、結局はホールを食べきるまで
止まらなくなっちゃうのが危険ですが(笑)
「ガトー・ブルトン」のラッピングも素敵!
発酵バターのふくよかな香りに、サレがアクセントに。
サクッ、しっとりと素朴ながらしみじみと伝わってくる美味しさです。
大人買いしていかれるお客さまも多いという人気の「カヌレ」
ガリッ、もちっという食感のコントラストがGood!
「五つの香りのマドレーヌ」等、個包装の焼き菓子も充実しています。
そしてお菓子屋さんなのに、こんなに本格的な
「パン・ド・カンパーニュ」も週末限定で作ってらっしゃるんです。
小麦を住処とする菌を自然培養したルヴァン種を使い、
高加水、低温長時間発酵させた生地を石窯で焼き上げて。
クラストは薄くパリッ、クラムはしっとり、もっちり。
稲木シェフは、このカンパーニュを焼くようになってから、
お菓子の生地に対する姿勢も変わってきたそうで、
その日の気温や湿度などの状態に合わせて生地の状態にも注意をはらい、
生地のご機嫌をうかがいながら作り上げていくようになったそう。
この一期一会が、美味しさの秘密なんでしょうね。
トゥジュールさんのお菓子には、この場所だからこそ
表現できる美味しさがいっぱいに詰まっていました。
沢山の人の想いがこもった薪で焼く焼き菓子やパン、
庭で育てられた果物やハーブを使ったケーキやコンフィチュール、
北海道で出会った美味しい珈琲などなど。
他に比べるものがない場所だから逆に、
お客さまは「ガトー・ア・ラ・ブロッシュ」や「アニョーパスカル」など
関西でもあまりお目にかかれない様な伝統菓子も
すんなりと受け入れてくれるのだそう。
もう少ししたら、ラクソンさんの型を使ったビスキュイ・ド・サヴォワも登場予定です!
今の時代、お菓子をお取り寄せすることは簡単だけど・・・
私は基本的に、 自分がお店にお伺いして、自分の目で舌で確認した
お店のものをお取り寄せさせていただくことにしています。
なぜなら…味はもちろん大切ですが、作り手の想い、
お店の雰囲気など、全ての空気感こみでお取り寄せしたいから♡
念願かなってお伺いできたトゥジュールさんは、本当に素敵なお店でした(*^-^*)
山陰地方に行かれる機会があったら、ぜひ足をのばしてみてくださいね!