WPTC2008記念講習会 ☆ ガトー編 -2 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ
チームJAPAN ☆ WPTC2008 記念講習会
WPTC2008記念講習会 ☆ introduction編
WPTC2008記念講習会 ☆ アメ細工編 -1
WPTC2008記念講習会 ☆ アメ細工編 -2
WPTC2008記念講習会 ☆ チョコレート細工編 -1
WPTC2008記念講習会 ☆ チョコレート細工編 -2
WPTC2008記念講習会 ☆ ガトー編 -1
(WPTCオフィシャルサイト・PCG参照 )



アントルメ ・グラッセを審査する審査員は、ボンボンを審査したメンバーです。
チームJAPAN代表の審査員である中島氏も審査にあたられました。

アントルメ グラッセとは、
 ・アイスクリーム
 ・シャーベット
 ・機械を回したものではない、冷菓(冷凍のパルフェなど)
 ・パティスリーと認められるもの(メレンゲ、スポンジ、ビスキュイなど)を組み合わせたもの。













  
型にシリコンマットを貼り、ムースグラッセを表面にもってくるという普通とは逆の構成に。
この構成の方が、崩れにくく、デギュスタシオンに適しているのだそう。

アントルメ・グラッセは、通常のガトーとは異なる
“冷凍の世界”と和泉シェフは表現されていました。

  
アントルメ グラスを構成する4つ以上のパーツは、それぞれにきめ細かさを求められ、
さらに全体としてのきめの細かさも求められます。
チームJAPANの作品は硬さ・柔らかさの食感、口どけのきめ細かさは
素晴らしいものだったと審査を担当した、中島氏はおしゃっていました。
  
この部門で1位を獲得したのは、チームITALY。
チームJAPANは、チームUSAと並び2位を獲得しました。

  

  





    
【ENTREMET GLACE(アントルメ グラス) : 
ENERGY(エナジー)】

ライムのムースグラッセに覆われているのは、ピンクグレープフルーツのジュレと
バジルを加えた
パイナップルのシャーベット。
その中心に、グレープフルーツコンフィを合わせたバニラアイスクリームを仕込み、
グレープフルーツのゼストを加えたアーモンドのダックワーズ、ココナッツのメレンゲを重ね、
ナパージュヌートルで上掛けし、アメ細工を飾って。


グレープフルーツの酸味とアーモンドのナッティなコク、
ココナッツのやさしい風味が重なり合い、風味のバランスがよく、
各層のキメ細やかな口溶け感が素晴らしい一品。

  












  
2日間にわたって競技の行われるWPTC最後の味覚の審査はプチガトーです。
プチガトーの審査にあたるのは、アントルメの審査にあたったメンバーとなります。
  
各チームは3種類のプチガトーを製作します。
 ・フルーツのプチガトー1種類
 ・チョコレートのプチガトー1種類
 ・残りの1種類は自由
大会規定の指定に沿った3種類を、各13個製作しなければなりません。
これらの作品は審査員への提出はもちろんのこと、競技時間終了後に設けられる、
「展示台に各作品を展示するための時間」にパスティヤージュトレイに盛りつけられます。

   
チームJAPANは「とにかく美味しいと思えるものをとことん作っていこう」
というところからこの作品を考えられたのだとか。
和泉シェフは、この講習会でプチ・ガトーを作られている際にも
まずは美味しいものを、そして作業性を考えて作りました
と繰り返しおっしゃってらっしゃいました。
作業性を良くするためのアイディアのほとんどは、
日々の仕事をしている中で生まれたものなのだそうです。

たとえば、プチ・ガトーを型から抜いているこの道具は、
〇印良品のアクセサリーケースを重ねて作られたものだそう。
スコーン!と気持ちよく型から抜けていましたよ(笑)

またプチガトーのPETALの底に使用されているノワゼット・クランブルは、
アントルメのMIRAGEで、サイドにつけたノワゼット・クランブルと同じもの。
同じ素材を形を変えて使うことで、
全く違うパーツを使っているかのように表現するこの手法こそ、
日々の仕事の中から見つけ出されたものだそう。
プチ・ガトーを作るということは、シェフの方々にとって最も日常的な作業ですものね。

   
   
 
   




  
【PETITS GATEAUX(プチガトー) : 
PETAL(ペタル)、STUB(スタッブ)、ORE(オール)】
 
手前右から反時計回りに・・・

Petal(ペタル):フルーツのプチガトー
           
 フリュイルージュのジュレが斜めに仕込まれた
            シンプルながらにオリジナリティーあるデザインの作品。
            クレーム・マスカルポーネにほのかにミントの香るフリュイルージュのジュレ、
            アーモンドのダコワーズ、ノワゼットのフィイユティーヌを重ね
            ノワゼット・クランブルを土台に。
            スリジェに原型となったプチ・ガトーがあるのだそう。
            ベリーの酸味とミントのさわやかな香味、カリカリと響くナッツのコクの
            フルーティーなハーモニー。






Stub(スタッブ):チョコレートのプチガトー
            
キャラメル・サレとクレーム・ショコラを流した小さなタルトと
             ビスキュイショコラを口どけのよいムースリーヌ・ショコラで覆い、
             グラサージュ・ショコラに金粉を加えたものを上掛け。
             ヌガティーヌ・カカオ・ピスタッシュをのせて。
             61%のダークチョコレートを使用したビターで濃厚なムースリーヌと
             キャラメルの塩味、カリカリのヌガティーヌのアンサンブル♪

  
ORE(オール):残りの自由なプチガトー
            
バニラの香りをしっかりとつけたアプリコットのソテーに
            アプリコットとパッションのクレームを重ね、プラリネクリームで覆い、
            ダコワーズ・ショコラとクルスティヤン・アマンドを重ねて。
            仕上げにホワイトチョコレートのアパレイユを吹き付け、
            アプリコットのジュレとパッションシードを飾って。

            バニラの甘い香りと、パッションの酸味によって、ジューシーなフレッシュ感を
            引き立てられたアプリコットとナッティなプラリネのハーモニー。




  














  
アントルメとアントルメ・グラッセに飾るアメ細工を作る川村シェフ。

それでは改めて、味覚部門全作品をご覧ください。


  
●アントルメ 「Mirage(ミラージュ)」






●アントルメ・グラッセ 「Energy(エナジー)」



●アシェット・デセール 「Aurora(オーロラ)」



●プティ・ガトー 「Petal(ペタル)」



●プティ・ガトー 「Stub(スタッブ)」



●プティ・ガトー 「Ore(オール)」






●ボンボン・ショコラ 「Mur mur(ミュー・ミュー)」



●ボンボン・ショコラ 「Ripple(リップル)」



●ボンボン・ショコラ 「Drops(ドロップス)」



 
この記念講習会から2週間余り・・・
毎日毎日膨大な写真と睨めっこをして、やっと書き終わりました~。
全くプロ目線ではないので、初めてこのような講習会に参加させていただいて
一からピエスを組み立てていくところを拝見し、
そのあまりに繊細かつ迫力のある美しさから得た感動と、
ちょっとほろっときてしまうほどの、3選手のチームワークの素晴らしさを
自分の備忘録として書き留めておきたかっただけのはずが・・・
改めて、WPTC2008に関して記録されたものを読むにつれ、
興味と感動がますます大きなものになっていき、このような長編に・・・

 
この講習会で、ピエスの魅力と、チームJAPANとしてコンクールに臨まれる
シェフの方々の雄々しい姿に惚れこんでしまった私は(笑)
来年の2月に開催される、WPTC2010の予選会に駆けつけるのはもちろんのこと
来年1月にリヨンで開催されるクープ・デュ・モンドも
現地まで応援に行こうと思っています(*^^*)♪