こんにちは。

最近、あるゲームの実況動画を見て、思わず涙が止まらなくなってしまいました。

それが『??がつくった映画館』というインディーゲーム。

Steamで600円ほどで買える、たった3時間程度で終わる小さなホラーゲームです。

 

きっかけは実況動画 

 

最初は何気なくYouTubeで見つけた実況動画でした。

タイトルからして意味深で、「ホラーゲームかな?」くらいの軽い気持ちで再生したんです。

でも、見終わった時には画面が涙で滲んでいました。

「これは…ただのホラーゲームじゃない」

そう感じた瞬間、ある想いが湧いてきました。

「受験を乗り越えたばかりのうちの子に、このゲームをプレイしてほしい」

 

大学一年生の我が子に頼んでみた

 

うちの子は今、大学一年生。

つい最近まで受験勉強に追われていた日々が、まだ記憶に新しいはずです。

「ねえ、ちょっとこのゲーム、プレイしてみてくれない?3時間くらいで終わるから」

「え、急に何?」と不思議そうな顔をされましたが、週末の夜に時間を作ってプレイしてくれることになりました。

 

ゲームの内容(ネタバレなし) 

 

このゲームの主人公は、桜井聡太という男子高校生

母子家庭で育ち、入学以来ずっと学年1位を守り続けている秀才です。

大学受験を控えた高校三年生の彼の日常が、「おかしな映画館」で映画として映し出される――。

そんな不思議な設定のゲームです。

最初は普通の日常シーンから始まります。

学校に行って、家に帰って、勉強して。

でも、徐々に「異変」が起き始めます。

部屋の壁に血の染みができたり、謎の女性の霊が現れたり…。

ホラー演出はかなり本格的で、ジャンプスケアも容赦なく襲ってきます。

でも、このゲームの本当の恐怖はお化けではなく、主人公の心の崩壊なんです。

 

プレイ後の我が子の反応

 

ゲームを終えた我が子が、リビングにやってきました。

いつもならすぐに自分の部屋に戻るのに、ソファに座って黙っています。

「どうだった?」と聞くと、少し考えてから口を開きました。

「…めっちゃ怖かったけど、最後まで見て良かった」

「っていうか、これ…去年の自分を見てるみたいだった」

 

子どもが語った感想 

 

「聡太くん(主人公)が抱えてるプレッシャー、すごく分かるんだよね」

我が子はゆっくりと話し始めました。

「お母さんに心配かけたくないから、しんどくても『大丈夫』って言ってた」

「友達は余裕そうに見えて、自分だけ焦ってるような気がして」

「でも誰にも言えなかったんだよね」

正直、驚きました。

受験期、この子は弱音を吐かず、黙々と勉強していました。

「頑張ってるね」と声をかけても「うん、大丈夫」としか言わなくて。

私は我が子が順調だと思っていたんです。

「去年のあの時、本当はめちゃくちゃしんどかった

「でも、お母さんに心配かけたくなくて、何も言えなかったんだ」

その言葉を聞いて、胸が締め付けられました。

「でもこのゲーム見て思った。もし自分が聡太くんみたいに追い詰められてたら、お母さんは絶対に悲しむよね」

「大学に受かることより、私が元気でいることの方が大事だったんだよね、本当は」

「ごめん、気づいてあげられなくて」と言うと、

「ううん、お母さんのせいじゃないよ。自分が言えなかっただけだから

そう言って、少し笑ってくれました。

「でも、もし次しんどいことがあったら、ちゃんと言うね」

 

最近思うこと――命の儚さ

 

実は、このゲームを我が子にプレイしてもらおうと思ったのには、もう一つ理由がありました。

最近、身近な方が亡くなる話をよく聞くんです。

知人の親御さんが急に倒れたり、友人が病気で入院したり。

その度に「もっと話しておけば良かった」「もっと優しくすれば良かった」という後悔の声を聞きます。

人の命って、本当に儚いんだなって。

当たり前のように明日が来ると思っているけれど、それは決して当たり前じゃない。

今隣にいる人が、明日もいてくれる保証なんてどこにもないんです。

親として、我が子が毎日元気に大学に通っている姿を見られること。

「行ってきます」「ただいま」という何気ない会話ができること。

それがどれだけ幸せなことか。

このゲームを通して、改めて気づかされました。

 

このゲームが教えてくれたこと

 

『??がつくった映画館』というゲームは、ホラーという形を借りて、とても大切なことを教えてくれます。

  • 完璧でいなくていいこと
  • 辛い時は助けを求めていいこと
  • ちょっとした選択で、人生は大きく変わること
  • 今この瞬間の大切さ

ゲームの中で主人公は「映画」として自分の人生を見ます。

そして気づくんです。

「あの時、違う選択をしていたら」

「あの時、誰かに助けを求めていたら」

でも、私たちにはまだ「今」があります。

選び直すチャンスがあるんです。

 

親として思うこと

 

我が子の受験期、私は「頑張れ」「応援してるよ」としか言えませんでした。

でも本当は、こう言うべきだったのかもしれません。

「しんどかったら、いつでも言ってね」

「大学に落ちても、お母さんはあなたの味方だよ」

「成績より、あなたが笑っていてくれることの方が大事だから」

もう一度、受験生の親に戻れるなら、そう伝えたい。

今からでも遅くないと思って、我が子に言いました。

「これから先、何があっても、お母さんはあなたの味方だからね」

「しんどい時は遠慮しないで言ってね」

すると我が子は、少し照れくさそうに「うん、ありがとう」と答えてくれました。

 

現在の幸せを当たり前と思わずに

 

このゲームをプレイして、我が子と話して、改めて思いました。

今、家族が元気でいること。

今、子どもが笑って話してくれること。

今、「ただいま」と帰ってきてくれること。

今、一緒に朝ごはんを食べられること。

それは全て、決して「当たり前」じゃない。

だからこそ、今日という日を大切に生きたい。

家族に「ありがとう」を伝えたい。

我が子に「大好きだよ」「大切だよ」って伝えたい。

 

最後に

 

もしあなたの周りに、頑張りすぎている人がいたら。

プレッシャーに押し潰されそうになっている人がいたら。

そっと声をかけてあげてください。

「無理しなくていいよ」って。

「辛かったら話してね」って。

その一言が、誰かの人生を変えるかもしれません。

そして、お子さんがいる方へ。

「大丈夫」と言っている我が子が、本当に大丈夫かどうか。

時には立ち止まって、ちゃんと見てあげてください。

「何かあったら、いつでも話してね」

その言葉を、何度でも伝えてあげてください。

『??がつくった映画館』というゲームに出会えて、本当に良かった。

そして、我が子がこのゲームを通して本音を話してくれて、本当に嬉しかった。

人生に「もしも」はないけれど、「これから」はある。

今日も、大切な人との時間を、大切に過ごしていきたいと思います。


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※ホラー演出があるため、苦手な方はご注意ください
※Steam評価:非常に好評(97%が好評)