ホルモンって何?

 

ホルモンは「体の中の連絡係」のようなもの。血液に乗って全身を回り、各臓器に「今こうして!」と指令を出します。エネルギー管理でも、複数のホルモンがチームワークで働いています。(性的なものだけではないんです)

 

  主要な「エネルギー管理ホルモン」

 

1. インスリン(貯蔵の司令官)

どこから出る? 膵臓のβ細胞 いつ活躍? 食後、血糖値が上がった時

主な仕事

  • 「糖分を筋肉と脂肪に貯めなさい!」
  • 「肝臓は糖分の放出を止めなさい!」
  • 「お腹いっぱいになりましたよ」と脳に連絡

インスリンが多く出る時

  • 甘いものや炭水化物を食べた後
  • 大量に食事をした時
  • ストレスが少ない時

2. グルカゴン(放出の司令官)

どこから出る? 膵臓のα細胞 いつ活躍? 血糖値が下がった時、空腹時

主な仕事

  • 「肝臓よ、貯蔵した糖分を放出せよ!」
  • 「脂肪よ、分解してエネルギーを作れ!」
  • 「筋肉よ、アミノ酸を肝臓に送れ!」

3. アドレナリン(緊急事態の司令官)

どこから出る? 副腎髄質 いつ活躍? ストレス時、運動時、低血糖時

主な仕事

  • 「緊急事態!すぐにエネルギーを!」
  • 心拍数を上げる
  • 血糖値を急上昇させる
  • 脂肪分解を促進

4. コルチゾール(長期戦の司令官)

どこから出る? 副腎皮質 いつ活躍? 長時間の絶食、慢性ストレス時

主な仕事

  • 「筋肉を分解して糖分を作りなさい」
  • 「脂肪の分解を続けなさい」
  • 「免疫機能は一時停止」

 

  ホルモンたちの「会話」

 

食後の場面

血糖値上昇 → インスリン「みんな、糖分を貯蔵して!」 ↓
 筋肉「了解!糖分をグリコーゲンに変換します」
 脂肪「余った分は脂肪として貯蔵します」
 肝臓「糖分の放出を停止します」

 

 

 

空腹時の場面

血糖値低下 → グルカゴン「エネルギー不足警報!」 ↓
肝臓「貯蔵していたグリコーゲンを放出します」
筋肉「アミノ酸を肝臓に送ります」 
脂肪「分解して脂肪酸を放出します」

 

 

 

緊急時(激しい運動・強いストレス)

緊急事態 → アドレナリン「フル稼働せよ!」 ↓ 
心臓「心拍数アップ!」
肝臓「糖分を大量放出!」
筋肉「最大パワーで動きます!」

 

 

  生活でのホルモンバランス

 

良いバランスを保つ生活

規則正しい食事

  • インスリンとグルカゴンが適度に働く
  • 血糖値が安定
  • エネルギー効率が良い

適度な運動

  • ホルモンの感受性が向上
  • インスリンが効きやすくなる
  • ストレスホルモンの分泌が適正に

十分な睡眠

  • 成長ホルモンが分泌
  • コルチゾールの分泌リズムが整う
  • 食欲を調整するホルモンも正常化

バランスが崩れる時

不規則な食事

  • インスリンが出すぎたり出なかったり
  • 血糖値の乱高下
  • 疲労感や集中力低下

慢性的なストレス

  • コルチゾールが出すぎ
  • 筋肉が分解される
  • 免疫力低下、太りやすくなる

睡眠不足

  • 食欲を増進させるホルモン増加
  • インスリンの効きが悪くなる
  • ストレスホルモン増加

 

  実践!ホルモンバランスを整える生活

 

朝の習慣

  • 起床後1時間以内の朝食(インスリン正常化)
  • 軽い運動や散歩(アドレナリン適度な分泌)
  • 日光を浴びる(概日リズム調整)

日中の過ごし方

  • 3時間おきの適度な食事(血糖値安定)
  • こまめな水分補給
  • ストレス発散の時間を作る

夜の習慣

  • 深い眠りのために自己指圧
  • リラックスタイム(コルチゾール抑制)
  • 消化にいいものを補食(タンパク質)

 

  次回予告

 

最終回は「病的状態での変化」。糖尿病、低血糖症、肥満など、ホルモンバランスが崩れた時に起こる体の変化と、それを防ぐ方法をお話しします。