はじめに:前回のおさらい
前回の記事では、長考する人が物を捨てられない理由について、「決断疲れ」という心理現象を中心にお話しました。忙しいお母さんは日常の多くの判断で意志力を消費しており、物を捨てるという決断に直面したとき、長く考えれば考えるほど判断力が低下し、結局何も捨てられなくなってしまうことをご説明しました。
今回は、そんな「決断疲れ」を克服し、忙しいお母さんでも実践できる、物を捨てる決断力を高める具体的な方法をご紹介します。長考せずにスムーズに物を手放せるようになるためのテクニックです。
1. 物を捨てる決断力を高める5つの方法
① 決断ルールをあらかじめ決めておく
物の要・不要を判断する明確な基準をあらかじめ決めておくことで、その都度悩む必要がなくなります。これは「事前決断」と呼ばれるテクニックで、決断疲れを大幅に軽減できます。
実践例:
- 「1年以上使っていないものは捨てる」
- 「同じ種類のものが3つ以上あれば、最も使用頻度の高い2つだけ残す」
- 「壊れたままで3ヶ月経ったものは修理せずに捨てる」
- 「子どもの作品は、学期ごとに特に思い出深いもの3点だけを厳選して残す」
ルールを決めておくことで、物一つひとつについて長く考える必要がなくなり、判断のスピードと質が向上します。決断ルールの効果
② 脳が疲れていない時間帯を活用する
決断力は1日の中で変動します。一般的に、十分な睡眠をとった後の朝は、脳が最もクリアで判断力が高い状態です。
実践例:
- 週末の朝、家族がまだ起きていない静かな時間に15〜30分だけ物の整理に取り組む
- 平日でも、朝の時間を少し早め、子どもを起こす前の短い時間で少しずつ進める
- 午後の休憩時間など、気分がリフレッシュした時間帯を活用する
疲れているときに無理に物の整理をすると、判断力が低下し、結局何も決められなくなります。脳の調子が良いときを選んで短時間でも取り組むほうが効果的です。
③ タイムリミットを設ける
何かを決めるときに延々と迷わないように、タイムリミットを設けましょう。タイマーを使うのが効果的です。
実践例:
- 「この引き出しの中身は15分以内に仕分ける」とタイマーをセットする
- 「3つ数えて、まだ迷っていたら捨てる」というルールを自分に課す
- 「週末までに本棚1段を整理する」など、期限を設定する
時間が限られていると、直感的な判断が促され、結果的に後悔の少ない決断ができることも多いのです。タイムリミットの効果
④ 「保留ボックス」を活用する
どうしても決められない物は、すぐに捨てずに「保留ボックス」というシステムを活用しましょう。
実践方法:
- ダンボール箱などに「保留ボックス」と書いておく
- 迷うアイテムをいったんそこに入れる
- 箱に日付を書き、3ヶ月間触れない
- 3ヶ月経って、一度も必要に感じなかった場合は捨てる
この方法の利点は、「永久に捨てる」という重圧から解放されることです。「いったん箱に入れるだけ」なら心理的ハードルが低く、決断しやすくなります。また、3ヶ月間本当に必要なかったという事実が、最終的な判断の助けになります。
⑤ 質の良い睡眠をとる
決断疲れは脳の疲労です。適切な睡眠をとって脳をリフレッシュすることで、判断力は大きく向上します。
実践ポイント:
- 物の整理をする前日は特に良質な睡眠を心がける
- 寝る前にスマホやパソコンを見ない(ブルーライトは睡眠の質を下げる)
- 就寝時間を一定にして、体内時計を整える
忙しいお母さんにとって十分な睡眠確保は難しいかもしれませんが、物の整理に取り組む前には特に意識してみてください。睡眠不足の状態では、感情的になりやすく、合理的な判断が難しくなります。
2. 忙しいお母さんのための「少しずつ」整理術
忙しいお母さんが一気に家中を片付けるのは現実的ではありません。少しずつ着実に進める方法を紹介します。
① 「15分ルール」で負担を減らす
どんなに忙しい日でも15分なら確保できるはずです。毎日たった15分の整理を続けることで、大きな成果につながります。
実践例:
- 朝の支度をしながら、洗面所の棚を1つ整理する
- 子どもの夕食の準備中に、キッチンの引き出し1つを整理する
- 子どもが宿題をしている間に、本棚の1段を見直す
毎日15分の積み重ねは、月に7時間以上になります。1年では90時間以上の整理時間になり、かなりの量の物を見直すことができます。15分ルールの効果
② 「ワンイン・ワンアウト」の法則を実践する
新しい物を家に入れるたびに、同じカテゴリーの古い物を1つ手放す習慣をつけましょう。これは「ワンイン・ワンアウト」と呼ばれる方法です。
実践例:
- 新しい服を買ったら、クローゼットから1着手放す
- 子どもの新しいおもちゃが増えたら、古いおもちゃを1つ処分する
- 新しい本を購入したら、読み終わった本を1冊寄付する
この方法を習慣にすることで、物の量が自然とコントロールされ、大きな断捨離をしなくても済むようになります。
③ 「スモールステップ」で成功体験を積む
大きな断捨離よりも、小さな成功体験を積み重ねる方が長続きします。
実践例:
- まずは「賞味期限切れの食品」など、明らかに不要なものから始める
- 次に「重複しているもの」(同じ機能の調理器具など)を減らす
- その次に「使用頻度の低いもの」に進む
小さな成功体験を積むことで、「物を手放すことへの不安」が薄れ、次第に難しい判断もできるようになります。
3. 長考せずに決断するための日常習慣
物を捨てる決断力を高めるためには、日常生活から決断疲れを防ぐ工夫が必要です。
① できるだけルーティン化する
日常的な決断をルーティン化することで、意志力の消費を減らすことができます。
実践例:
- 平日の食事メニューをある程度パターン化する(例:月曜は麺類、火曜は魚料理など)
- 洋服のコーディネートをシンプルにする(基本となる組み合わせをいくつか決めておく)
- 家事の順番や方法を固定化する(洗濯→掃除→料理など)
ルーティン化により、小さな決断の積み重ねによる疲れを防げます。ルーティン化の効果
② 一度にまとめて決める習慣をつける
細かい決断を都度するのではなく、まとめて決める習慣をつけましょう。
実践例:
- 週末に次の週の献立をまとめて決める(献立ボードなどを活用)
- 子どもの学校行事や習い事の送迎計画を月単位でまとめて立てる
- 買い物リストを作り、計画的にまとめ買いをする
「献立ボード」などのツールを活用すると、毎日の「今日は何を作ろう」という決断から解放されます。
③ 完璧を求めない心の持ち方を練習する
ベストな選択を追い求めるのではなく、「十分に良い」選択で満足する姿勢を持ちましょう。
実践ポイント:
- 「これは100%正しい選択か」ではなく「これで十分良い選択か」と問いかける
- 小さな判断ミスを許容する心の余裕を持つ
- 「やってみて、うまくいかなければ修正すればいい」という柔軟な姿勢を持つ
完璧主義を手放すことで、決断のスピードが上がり、結果的に物の整理も進みやすくなります。
4. 子どもと一緒に整理する工夫
忙しいお母さんは、整理を「一人で抱え込む」ことが多いですが、子どもと一緒に取り組むことで、新たな可能性が広がります。
① 子どもの判断力を育てながら整理する
子どもに自分の持ち物について考える機会を与えることは、判断力を育てる良い教育になります。
実践例:
- 「この中で一番好きなおもちゃを3つ選んでみよう」というゲーム形式で選別する
- 「使わなくなったおもちゃを寄付して、他の子に使ってもらおう」と社会貢献の意識を育てる
- 子どもと一緒に「要る・要らない」を分類する時間を設ける
子どもの判断を尊重しながら進めることで、親子で楽しく整理ができ、子どもの決断力も育ちます。子どもの判断力育成
② 家族全体で取り組む仕組みを作る
整理を母親だけの仕事にせず、家族全体で取り組む習慣を作りましょう。
実践例:
- 週末に30分だけ「家族整理タイム」を設ける
- 各自の担当エリアを決めて、並行して作業を進める
- 整理ができたら、家族でご褒美(アイスを食べるなど)を共有する
家族で取り組むことで、母親一人の負担が減り、家族の協力意識も高まります。
そしてここまで読んでくれてありがとう・・・
③ユキんこ実践していること「友だちと通話しながらの断捨離」
これが楽しくできるんですよ。
話をしながらすることで長考しない!!!
そして捨てる背中を押してくれる仲間がいる。
とにかく会話することで後ろめたさを解放してくれる。
ガンガンゴミ袋に服を詰めていける。
ありがとうお友達です。
さあ、明日から私と通話しながらお片付けしませんか?
追加でお片付けが終わったら自己指圧で自分の身体を労わりましょうそして糖質を補給
まとめ:長考せず、少しずつ前進を
物を捨てられないのは、長考することによる「決断疲れ」が大きな原因です。特に忙しいお母さんは、日常生活の中で多くの決断を強いられており、判断力を温存する工夫が必要です。
決断ルールを事前に決める、タイムリミットを設ける、少しずつ取り組むなどの工夫で、長考せずに物を手放す決断ができるようになります。完璧を求めず、少しずつでも前進していくことが、結果的には大きな変化につながるのです。
物が減ることで生まれる心の余裕と空間の快適さは、忙しい毎日を送るお母さんにとって、何よりの贈り物になるでしょう。
参考文献:
- 「捨てられない気持ちとお別れ!決断力をUPさせる6つのコツ」引用元
- 「決断疲れを避ける:決断するコツを教えます」引用元
- 「毎日クタクタで何も考えたくないママのための「決断疲れ」を乗り切る3つのコツ」引用元
- 「「片付け」で子の決断力・段取り力・実践力が育つ 就活の武器にも」引用元