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ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「見はらし世代」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働く蓮は、幼い頃に母を亡くし、ランドスケープデザイナーである父・初と疎遠になっていた。ある日、配達中に偶然父と再会した蓮は、姉・恵美に話すが我関せずだった。それでも蓮は改めて家族との距離を測り直そうとするが。

というお話です。

 

 

再開発が進む東京・渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働く青年、蓮。ある日、蓮は配達先で父・初と数年ぶりに再会する。ずっとシンガポールに仕事で行っていたが、最近、日本に帰ってきたらしい。驚いた蓮は、つい胡蝶蘭を投げ渡して飛び出してきてしまった。そのことで蓮は会社で怒られ、配送の仕事を辞めさせられてしまう。

 

姉・恵美にそのことを話すが、恵美は一見すると我関せずといった様子で黙々と自分の結婚の準備を進めている。母を失って以来、姉弟と父は疎遠になっていたのだ。初は元々、仕事第一の人で家族を顧みることは無いような人だったが、母が亡くなり、もっと酷くなったのだ。

 

 

悶々と日々を過ごしていた蓮だったが、彼はもう一度家族の距離を測り直そうと考える。姉が結婚のために引っ越しをすることになり、蓮はその手伝いをし、運ぶ途中で寄り道をして、父と姉と3人で会うことを計画する。

 

待ち合わせ場所で落ち合った3人。変わりゆく街並みを見つめながら、家族にとって、最後の一夜が始まる。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、何と言ったらいいのだろうか。父親と子供たちの確執があり、数年間音信不通だったらしいというところから始まります。蓮は20代で姉は30歳くらいかしら。そこまでの何年かは父親から生活費は貰っていたんじゃないかな。胡蝶蘭の配達で、あの生活レベルが維持できるとは思えなかったんです。

 

それにしても建築系は胡蝶蘭好きだよねぇ。今もそうなのかしら。もう30年くらい前に私が建築を始めたころ、竣工祝いというと胡蝶蘭が送られて、その頃は花1個ではなく、花1本が1万くらいでした。3本胡蝶蘭の花が立っていれば3万って感じかな。この映画では父親の事務所の開設祝いに送られていましたね。

 

 

初の年齢設定が何歳くらいなのかな。蓮が20代なら50代くらいだと思うので私と同年代と考えると、仕事中心で家族を顧みないという感じが解るんですよねぇ。あの頃、みんなそんな感じで、仕事をやっていればイイみたいな風潮でしたから。偉そうにランドスケープとか言ってるけどただの建築屋ですからね。
 

仕事をしているのが偉いみたいに感じていて、女は家で子育てしろというような考え方で、女の私は現場に入れて貰えず苦労をしました。そんな所から始まっている人たちなので、時代が変わっても無神経で自分中心なんです。蓮や姉が父親を諦めていたのがよく解ります。こいつらダメだなと思ったら、もう諦めていうのも面倒だと思っちゃうんですよ。

 

 

そんな父親と、もう一度近づいてみようとする心がけが偉いなぁと思いました。きっと色々と見回してみて、このままでは良くないと感じたんでしょうね。姉は結婚するし、自分だってこれからしっかりと家庭を持って行こうと考えたら、一応、家族形成は作っておいた方が良いと思ったのかな。

 

見はらし世代という題名の本当の意味はよく解らないけど、私はこの蓮が、家族や周りを俯瞰して見ることで、それぞれの人物の立場や考えを理解し、自分の父親がどうしても曲げられずにやってきてしまった仕事とそれにより壊れた家族のことを後悔しているんだろうなということに気が付いたんじゃないかな。

 

 

人って解っていても曲げられないことがあるし、年を取ればとるほど、そういう事って溜まって行っちゃうんですよ。若ければ、間違えたらすぐに引き返せるけど、年を取ると引き返せないから後悔が沢山あるんだと思うよ。でも、きっとその分、しあわせなことも沢山あっただろうから、プラマイゼロなんですけどね。

 

蓮もそんな父親のことを理解して、ま、仕方ないから許してやるかって思ったのかもしれない。いつも父親に見下ろされているような気持ちでいたけど、自分が父親を見る立場になって大人になったんじゃないかと思いました。

 

ネタバレ出来ないから書けないんだけど、後半にファンタジーっぽい部分が出てきて、いきなり雰囲気が変わってしまったので少し戸惑いました。悪いとは言いませんが、1本の映画で全く違う空気を作ると観ている方は戸惑います。

 

 

フランス料理食べていたのに突然に和菓子が出てきたような気持ちになるので、出来ればファンタジー色を最初の方から匂わせてくれていればよかったかも。理解して慣れるまでに時間がかかりました。

 

若い監督さんだそうですが、映像が美しかったです。家族を描くストーリーでまぁまぁ良かったと思います。出演者が上手かったので、その演技で随分とカバーされていたように感じました。これからの活躍に期待します。

 

ラストのループ(LOOP)の映像は何だったんだろう。あれ、車運転していると凄く怖くて迷惑なんですよ。交通法を守ってくれていれば良いんだけど、歩道を走ったり蛇行したり追い抜いたり、マナーが酷いので取締って欲しいなぁと観ながら思い出しました。早く無くなって欲しいんですよね。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。単館系映画で解り難い部分もありますが、そこは自分の解釈で観て良い映画なのだと思います。こんなに良い役者さんが出てくれるほど期待されている監督なので、今後楽しみです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「見はらし世代」