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ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「種まく旅人 醪のささやき」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

日本酒を愛する農林水産省官僚の神崎理恵は、日本酒産業の現状を知るため、淡路島の老舗酒蔵・千年一酒造へ視察に訪れる。蔵人の中には藤原夏美ら若手の姿もあるが、杜氏の草野は後継者を育てることに焦りを募らせ、他の蔵人たちとの間に誤解が生じていた。その矢先、千年一酒造に海外からの事業買収の話が舞い込む。

というお話です。

 

 

伝統的な手法を続ける兵庫県淡路島の老舗酒蔵に、農林水産省官僚の神崎理恵がやってきた。日本酒産業のいまを知るべく、「日本酒オタク」の異名を取る彼女に視察の白羽の矢が立ったのだった。

 

理恵が訪れた淡路島の千年一酒造では、伝統的な手法を貫こうとする蔵元の松元恒雄と新しい方法を取り入れていこうとする息子の孝之がぶつかり合っていた。その上、設備投資の銀行融資を頼んでいたが良い返事が戻ってきていない。

 

一方、蔵人の中には、女性蔵人の夏美を含め若手の姿もあるが、後継者を育てることに杜氏の草野は焦りを感じており、ほかの蔵人たちとの間にちょっとした誤解が生じていた。


直面する様々な問題を垣間見た理恵は愛する日本酒を守るため解決策を模索していくが、そんななか、怪しげなM&Aを持ち込んでくる海外からの事業買収の話まで持ち上がる。後は、映画を観てくださいね。


 

この映画、兵庫県淡路島の町おこし的な作品で、日本の第1次産業を応援する映画「種まく旅人」シリーズの第5作目です。と言っても、私はあまり観れていないんですけどね。国から助成金とか出ているんだと思うけど、税金を使われているのかと思うとちょっと複雑な気持ちになりました。

 

酒蔵を農水官僚が訪ねて引っ掻き回すってお話なのですが、たしか、このシリーズの1,2作目もそんな話だったと思います。ただね、これおかしいんですよ。農水官僚がその企業に行って、泊めて貰うことを強要したらダメでしょ。利益供与になり、国家公務員法違反じゃないの?

 

 

企業を訪ねるのは良いけど、泊めて貰うのは違反だからホテルを取らないと。何か法律の抜け穴があるのかもしれないけど、一般的には視察した企業に泊めて貰うなどは違反です。手伝うのは視察ということで、アルバイト代などを貰わなければ良いと思うけどね。

 

そういう基本的な部分がごっそり抜け落ちていて、いくら農水官僚だからと言って、何をしてもよい訳では無く、一般人よりも規制が厳しいと思いますよ。視察の製品についての情報は聞いてもよいけど、顧客情報などを調べたり、資金関係を調べるのはダメなんじゃないかな。資金関係は税務署でしょ。

 

 

なので、この映画だと結構ムチャな話になっていて、やっちゃいけないことをしているんじゃないかな。映画はエンタメだからとは思うけど、さすがに農水官僚なんて名前を出しているなら、それは法律にのっとった使い方をしないとマズいでしょ。

 

映画が始まって直ぐに、農水内で日本酒産業に関しての会議のようなことをしているのですが、これが酷かったです。学芸会のように全員がセリフを棒読みなんです。で、菊川怜さんが主演なのですが、申し訳ないけど、こんなに下手な役者さんでしたっけ。いや、もう台本を持って読んでいるように見えてしまい、いきなり観る気が失せました。こんな方でしたっけ。ちょっと驚きました。

 

最初だけかと思ったら、菊川さんの演技は全編変わらずでどうしちゃったんでしょう。他の役者さんたちは上手いので、升毅さん、白石加代子さん、永島敏行さんなど安心して観ていられましたし、若手の俳優さんも良かったのですが、その分菊川さんが浮いてしまっていて違和感があるんです。バランスが悪いんです。

 

 

ストーリーも、昔のヤクザっぽい買収屋が出てきて迷惑行為をしたりしていて、これ今どきありえないんです。大体、書類にサインしただけで合意とはならないでしょ。お金の問題だから金融機関と行政書士が必要になるんじゃないの?うーん、現代は昔と違うので、そこら辺も一応調べてやって欲しかったかな。

 

そうそう、酒蔵で醪を作っているのですが、その過程で蒸した米にこうじ菌を撒いているところで、主人公の神崎が顔を米の中に突っ込み、そのまま米を口に入れて”おいしい”と言うんです。あまりの汚さについ”汚い”と声が出てしまいました。

 

ファンデーションと口紅が塗られた顔を米に入れて口を付けて、それをそのまま酒を造る醪にするなんて、衛生管理どうしてるんですか!マスクをして帽子をかぶってやって欲しいくらいなのに、マジで引きました。実際にはこんなことはしていないと思いますが、さすがに気持ち悪かったです。

 

 

地方創生とか、地元企業の応援という意味ではよい映画かなと思いました。淡路島に日本酒があるなんて知らなかったし、山田錦が兵庫県を代表するお米だったこともこの映画で知りました。なのでこういうご当地映画というか、町おこし、産業おこし的な映画はよいと思いますが、若手の映画監督を集めてコンペをしたり若手俳優を起用する方が面白いモノが作れるんじゃないかなと思いました。古いありきたりな脚本では魅力がありません。

 

このシリーズが続くなら、商業映画で利益を追求するのとは違うので、若手を使うとか、反対にシニア世代ばかりを集めて作ってみるとか、何か違うことをしてみるのもよいのではないですか。脚本もコンペして集めてみれば面白いものがあるかもしれない。このまま、同じ路線で作るのは限界な気がします。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。はっきり言って、よくある脚本であまり上手い出来とは言えませんが、淡路島には玉ねぎだけじゃないんだってことが解りましたし、昔ながらのモノは守って欲しいなという気持ちになりました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「種まく旅人 醪のささやき」