佐藤さんと佐藤さん 夫婦の立場にこだわりがあるとキツいのかもしれません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「佐藤さんと佐藤さん」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

活発なアウトドア派の佐藤サチと、真面目なインドア派の佐藤タモツ。出会いからほどなくして一緒に暮らしはじめる。5年後。司法試験を受けるも不合格が続いていたタモツを応援するつもりでサチも司法試験の勉強を始め、サチが一人だけ合格してしまう。そんな中、サチの妊娠が判明し2人は結婚することに…。
というお話です。

 

 

活発なアウトドア派の佐藤サチと、正義感が強く真面目なインドア派の佐藤タモツ。正反対の性格なのになぜか気が合う2人は、出会いからほどなくして交際し、一緒に暮らしはじめる。

5年後。弁護士を目指しているタモツは司法試験に失敗。サチは独学を続けるタモツに寄り添い応援するため、自身も勉強をして司法試験に挑むことに。そして見事合格したのはサチだった。



 

申し訳ない気持ちのサチと、プライドを深く傷つけられたタモツ。そんな中、サチの妊娠が判明し、2人は結婚することに。産後すぐに弁護士として働きはじめたサチに対し、タモツは塾講師のアルバイトをしながら息子の世話をし、司法試験の勉強に集中できずにいた。

忙しい生活を送るなか、育児に対する考え方も全く異なる2人。お互いに相手を思いやる気持ちも失せ、タモツは家事を押し付けられているように感じ、サチは仕事も家事も自分ばかりがやっているように感じ、二人のバランスは崩れていく。そして…。後は、映画を観てくださいね。



 

この映画、よい作品でした。観ていて凄く解る~!って感じてしまいました。きっとこの映画が描いていることは、ちょっと立場は違っていてもどこか自分に当てはまる部分があったりして、”あゝやっぱり”なんて思うことが多いんじゃないかなと思いました。

 

大学で出会って付き合い始めた二人。タモツは弁護士を目指していて、司法試験を受け始めます。でも5年受けても受からず、独学なのが悪いのかもと思い、応援の為にサチも一緒に勉強することにします。するとサチの方が司法試験に受かってしまうんです。うーん、これはキツいよね。

 

 

実は我が家も私の方が先に一級建築士に受かってしまい、気まずくなるかと思ったのですが、うちの夫は”それじゃ、オレは受けなくていいね。1人持っていればいいもんね。”と言いました。私は夫のそういうところに惹かれたんだなと思ったんですよね。私が持っていれば大きい建物も問題無いし、夫は二級でしたがそれでも私よりも稼いでいたので、それまでと変わらずでした。

 

色々な夫婦のタイプがあるので、一概にこの映画のようになるとは言えませんが「じゃぁ、あんたが作ってみろよ」の勝男のように古い考え方を持っている方だと、男が買い物に行くとか料理を作るとか掃除をするとかという家事をやるのはおかしいという思いがどこかに残っていて、妻の態度を見てイラつくというのはあると思います。

 

 

タモツは司法試験に受かり弁護士になって、妻と子供を養っていくという考え方だったと思うんです。まさか妻になったサチが司法試験に受かるなんて全く思っていなかったんじゃないかな。だから腹が立ったし悔しいし、感情が抑えきれなくなったんだと思うんです。でも妊娠が分かったので直ぐに仲直りはしたんです。

 

それから何度か司法試験を受けたのですが受からずに、タモツは焦って行きます。サチは司法試験に受かり、弁護士事務所で弁護士として働くようになります。仕事も忙しくなり、家事をタモツに任せることが増えたんじゃないかな。これは仕方が無いよね。だって、誰かが働いてお金を稼がないと子供もいるし、タモツも司法試験の勉強をしなきゃいけないんだから。

 

 

タモツはそれも解っているんだけどそれでも妻に養われているような状態がプライドを傷つけられていたんだと思うんです。一方、サチはそういう事に気が付きそうで気が付かないタイプなのかな。試験に受かっちゃった時はタモツに悪いと思っているような素振りがありましたが、子どもを産んで弁護士として働き始めた後は、私が働かなきゃという母ちゃんの顔になっていたので、もうタモツに気を使ってはいなかったように見えました。

 

子供を産むと妻の仕事よりも母親の仕事にシフトチェンジするから、夫の面倒なんて見ていられないですよね。夫はいつまでも自分の面倒を妻が見てくれると思っているかたが多いようだけど、夫は他人ですからね。子どもは血を分けた子供。そりゃ子供にの側に付きますよ

 

そして二人の関係はぎくしゃくしていきます。サチにはもう少し気を使って欲しいんだけど、元々活発でどちらかというと大雑把なタイプなので、繊細で傷つきやすいタモツとは違うんですよね。だからタモツが細かいことを言うとサチが面倒臭そうな返事を返してしまうので関係が悪くなっていくんです。

 

 

結局、二人の関係は崩れていき付き合ってから15年後に別れることになるんです。その別れるまでの過程をこの映画では描いているんです。辛い内容なんだけど、でも、誰もが二人のことを理解出来るんじゃないかなと思うんです。タモツの気持ちもサチの気持ちも痛いほどわかるから。

 

これタモツかサチの性格が違っていたら、この別れにはならなかったと思うんです。わが家のように夫にこだわりが無く、主夫になったとしても全然OKだよって言えるような人だったら、夫婦は続いていたんじゃないかな。まぁ、別に続かなきゃいけないことも無いし、もしかしたら新しい恋もあるかもしれない。別に結婚というものにこだわらなくてもしあわせに生きられるんです。

 

そんな事を凄く考えさせてくれる映画でした。岸井さんと宮沢さん上手かったな。凄く面白かったし、あるあるって頷いてしまう部分も沢山ありました。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは誰が観ても考えさせられるんじゃないかな。とても良い作品だと思いました。でもサチがちょっと勉強したくらいで司法試験に受かってしまうというのは、ちょっと調子が良かったかな。まぁ、そんな事もあるのかもね。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「佐藤さんと佐藤さん」