爆弾 リアルタイムサスペンス  | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「爆弾」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

酔った勢いで自販機と店員に暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男「スズキタゴサク」。霊感が働くと言い、都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。やがてその言葉通りに都内で爆発が起こり…。

というお話です。

 

 

酔っ払いが酒屋の自販機と店員に暴行を働いたという事で警察に連行される。所轄の刑事・等々力が話を聞いていると予感がすると言いだし、爆発が起きると予言をする。するとほどなく秋葉原で爆発が起きる。

 

驚いた等々力は報告をし、警視庁捜査一課強行犯捜査係の清宮と類家が到着する。等々力と替わり清宮が取り調べを始める。男はスズキタゴサクと名乗り、住所も何も解らない。爆弾はあと2つあり、予言はこの場所でないと感じないかもと言い出す。そしてハセベユウコウという名前を言い出した。それは以前にこの野方署にいた刑事の名前だった。

 

 

爆弾はどこに仕掛けられているのか?目的は何なのか?スズキは一体、何者か?次第に牙をむき始める謎だらけの怪物に、警視庁捜査一課の清宮は翻弄され、飲み込まれていく。スズキの言葉や仕草すべてにヒントが盛り込まれ、その謎を解けなければ次の爆弾は爆発する。スズキに振り回され爆弾は止められない。

 

清宮と替わり、類家は真正面からスズキに勝負を挑む。すべてがヒントで、すべてが挑発。密室の取調室で繰り広げられる謎解きゲームと、東京中を駆け巡る爆弾探し。類家は嘘と真実を交えながらスズキを追い詰め、場所を聞き出そうとするのだが。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、面白かったぁ。良く出来ているというか、原作が面白いんだろうなぁ。これは圧巻でした。演じている役者さんたちも素晴らしくて、人間が持っているドロドロした部分を隠しながら現実を生きているんだということが伝わってくるように演じていて、いやぁ、もう痺れましたよ。

 

群像劇なので全員が主役級なんですが、やっぱりスズキタゴサク役の佐藤さん、凄かったです。とんでもない怪物になっていました。これ観ちゃうと、もうこの役は佐藤さん以外では考えられなくなっちゃいます。それくらいこの役にピッタリに演じていました。唯のおっさんに見せておいて魔王なんです。彼に関わった人々をすべて沼に引き摺り込むような力がありました。

 

 

魔王に対するのが、等々力、清宮、類家、伊勢の4人の刑事です伊勢は記録係として補助をしているのですが、スズキはそんな彼を使って捜査の方向を動かしていきます。相手の心理を突く上手いやり方で、知らない内に操られているんです。伊勢が文芸系というのを確認したのも、石川啄木の詩に気付かせるフリだったと思います。

 

そして最初に対峙する等々力は所轄刑事でハセベという人物と関わりがあった刑事です。スズキはその場所で捕まれば彼が必ず出てくると解っていて捕まったんだと思います。等々力はとても頭の切れる刑事でいくつも謎を解いていました。

 

 

次に清宮がスズキの取り調べにつきます。清宮はとてもキッチリしているタイプで、自分は正義を貫き間違えないと自信を持って仕事をしている人なので、スズキはそこを突いて清宮を潰していきます。9つのクイズというゲームを通じて彼の自尊心をぶち壊していきます。凄いやり方だなぁと感心してしまいました。

 

そして最後に対峙するのが類家です。彼は天才的に頭が良く、世間を少しバカにしている感じがあります。スズキはそれを見抜いて、彼が社会に馴染むために抑えつけている暗い部分をズルズルと引き出していきます。清宮が類家に”言葉に出すな”と止めるのですが、心の声がダダ洩れしてしまいます。

 

 

でも類家が思っていることって、表立っては言わないけど、きっと誰もが心の奥底に持っている部分で、それは言ってはいけないと理性が押しとどめていることなんです。例えばベビーカーが迷惑だなと思っても言わないでしょ。自分だって乗っていたハズだし、子供を育てた時は使っていたんだから。でも今使わなくなったら本当に迷惑だと思う。それって自分中心に考えていることで、思っても言わないよね。

 

スズキはそんな心の奥深くに押しとどめている気持ちを解放して、全部ぶちまけてしまえっていうことで、この爆弾テロを仕掛けたんだと思うんです。まぁ、自分が最初では無いにしても、全ての不満を外に吐き出しているんです。それはやってはいけないことだけど、何かタガが外れたら、人間誰しもがやってしまう事なのかもしれないと思わせる内容だったんです。

 

 

ネタバレ出来ないから、あまり詳しくは書けないんだけど、ハセベという人物がキーポイントになってきます。この人、元刑事で素晴らしい人物だったらしいんだけど、ある出来事で警察を追われることになったらしいんです。それは映画で確認して欲しいんですけど、そのことが全てに関わってきているんです。

 

そうそう、所轄の巡査で爆弾を探したりという現場の仕事をしている矢吹と倖田の2人がいるんです。坂東さんと伊藤さんが演じているのですが、この二人の動きも面白かったです。この二人が一番一般人の考え方に近くて、町のお巡りさんってこんな感じでいて欲しいねって二人でした。結構、巻き込まれて大変になりますが、何の罪も無い人が巻き込まれるってこういう事よねっていう典型でした。ショックでした。

 

うーん、この映画はマジで面白かった。これは原作を読みたいと思いました。きっと原作の方がより細かく説明があると思うので、原作で堪能して、もう一度観たい作品だなと思いました。それくらい、キャストの皆さんの演技が良いです。観ていて惹き込まれて、観終わったら疲れるくらいです。素晴らしかったと思います。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。こういう映画が好きなんですよ。考えさせてくれる映画って大好物なんです。もちろんアクションやコメディも楽しいんだけど、こうやって脳と心臓にぐいぐい来る内容だと面白いんですよねぇ。脳と心に残るんです。うーん、好きでした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「爆弾」