ホウセンカ 人生の大逆転を信じたヤクザの半生です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ホウセンカ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人・阿久津。傍らのホウセンカが声をかける。そして阿久津は自身の過去を思い起こしていく。1987年、夏。ヤクザの阿久津は兄貴分の世話で那奈とその息子とともにアパートで暮らしはじめる。ある日、大金を用意しなければならなくなり、兄貴分と共に組の金庫から3億円の強奪を企てる。

というお話です。

 

 

無期懲役囚の老人・阿久津が独房で孤独な死を迎えようとしていたとき、声を掛けたのは人の言葉を操るホウセンカだった。“会話”の中で、阿久津は自身の過去を振り返り始める。
「お前たちが来た日のこと、よく覚えてるぜ」(ホウセンカ)

1987年、夏。海沿いの街。しがないヤクザの阿久津は、兄貴分として慕う堤の世話で6歳年下の那奈と、ホウセンカが庭に咲く素朴なアパートで暮らし始めた。生まれたばかりの那奈の息子・健介も一緒だ。縁側からは、大きな打ち上げ花火が見える。3人は、慎ましくも幸せな日々を送っていた。



 

やがて土地転がしのシノギに成功し羽振りがよくなった阿久津は、享楽的に過ごし家を顧みなくなる。時代はバブル景気で経済は膨れ上がるが、そんな状態が長く続く訳が無い。ある時点から膨れたバブルは崩壊し、一気に崩れ始める。

 

時同じくして、阿久津は大金を工面しなければならなくなり、兄貴分の堤も組の跡目問題で金庫番をやっている子分が目障りになり、共に組の金庫にある3億円の強奪を企てるのだった。そして実行に移すのだが…。「退路を断ったもんだけに大逆転のチャンスが残されてんだよ」(阿久津) 後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、あのオッドタクシーの方々が作った新作アニメーション映画です。あちらも可愛い絵ながらストーリーはシビアな内容だったでしょ。今回もほっこりするような絵なのに、ストーリーはシビアなんですよ。

 

今は無期懲役で刑務所にいる阿久津という男が、何故刑務所に入ることになってしまったのか、そして花のホウセンカが彼の人生を知っているのは何故なのかということなんです。阿久津はバブル時代のヤクザで、一緒に暮らしていた那奈という女性は水商売の女性だったようです。彼女とのことも因縁がありましてネタバレはしませんが訳アリです。

 

 

一緒に暮らし始めて子供も生まれ、普通の家族のようになるかと思っていたらバブル経済の全盛になり、阿久津は家に帰らなくなり、那奈はワンオペで子どもを育てます。そしてバブルがはじけて経済が下火になり、不動産関係はボロボロになって行きます。

 

阿久津と兄貴分の堤は、あまり頭が良くなさそうなので、きっと負債を抱えたんじゃないかな。そんな時に同じ組の若松は見た感じも頭が良さそうで、きっと不動産を売り抜けたんじゃないかな。だから金庫にお金が沢山入っていて、親分からも可愛がられて、堤を追い越して若松が若頭に任命されそうだったんじゃないかと思うんです。

 

 

堤は若松が許せないという事と不動産で開けた穴をふさぎたいからお金も欲しくて、阿久津を巻き込んで金を奪おうとしたんだと思うんです。一方、阿久津もある事があり、どうしてもお金が必要になって、それも期限があるので急いでいたんです。それで二人でヤクザ事務所に入って金庫の金を盗もうとするんです。

 

阿久津は自分のためだけに動いているように見えるんだけど、実は自分のためじゃないんです。観ていくと、段々と人間関係がよく解ってきて、阿久津が周りに上手く使われていることが解るんです。でも、彼はそれに文句を言う訳では無く、向き合って精一杯出来ることをするんです。最後まで観ると、あれは那奈さんと心から愛しあっていたんだろうと思います。

 

 

そんな阿久津の人生を最後まで見届けていたのがホウセンカなんです。あの子たち、1年で枯れてしまうけど種をばらまくでしょ。その種が記憶を繋いでいて、阿久津がアパートに引っ越した日から今までの記憶をずっと憶えているんです。阿久津が刑務所に入ってからは庭で那奈たちの姿を記憶していたのかな。

 

どうやって刑務所の阿久津のところにホウセンカが届けられたのか解らないけど、缶に入れられたホウセンカが話をするんです。ホウセンカが届けられたということは、きっと大逆転が成功したという事だと解っていたんじゃないかな。でも、刑務所の差入って鉢植えの花はダメな気がするんだけど、どうなのかしら。ま、どちらにしろ、最後に笑ったのは阿久津だったんだと思います。

 

 

阿久津は無期懲役だったけど模範囚で出れるチャンスはあったようなんです。でも身元引受人が見つからないとか何とかで出れなかったようなことを言っていたと思うけど、きっと出る気は無かったんだと思いました。出たら堤に直ぐに狙われるだろうし、もしかしたら那奈や健介にも被害が及ぶかもしれない。刑務所の中にいた方が安全だったからだろうと思いました。

 

ホウセンカの声をピエール瀧さんが演じていて、あのオラフとは全く違う声で驚いちゃった。オラフは好きだったんだけどなぁ。ディズニーだから復帰はあり得ないですよね。ホンセンカの声はちょっとやさぐれた大ネズミって感じだったなぁ。(笑)他の皆さんの声も良かったです。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。大人のアニメーションという感じで楽しませていただきました。よく出来ていたし、雰囲気がとても良い映画でした。そんな中で話すホウセンカにくすっと笑ってしまう、それも楽しめました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ホウセンカ」