「太陽と桃の歌」
を観てきました。
ストーリーは、
スペインのカタルーニャで、3世代にわたる大家族で桃農園を営んでいるソレ家。収穫を迎えようとしていた矢先、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう通達される。桃の木を伐採して、その場所にソーラーパネルを敷き詰めるというのだ。それぞれの方法で桃園の危機を回避しようとする彼ら。家族の関係に大きな亀裂が入ったまま、最後の収穫が始まる。
というお話です。
カタルーニャで、三世代に渡る大家族で桃農園を営むソレ家。例年通り収穫を迎えようとしたある日、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られる。祖父は家族に言われて書類を探すが、借地の請求書は出てくるものの契約書は無く、口約束だけで先代の地主から借りていた事が解る。既に息子の代になっていて為すすべがない。
桃の木を伐採して、代わりにソーラーパネルを敷き詰めると地主は言う。頑固者の父親は激怒するが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば「楽に稼げる」という囁きに心を動かされていく。今、果物の値段が下落しており、大手スーパーなどが原価より安く買いたたいていたのだ。農民たちは怒ってデモなどをしていたが良くなる気配は全く無かった。
賭け事で稼ごうとする祖父、取り付く島のない父、少しでも資金の足しにと畑の片隅で大麻栽培を始める長男など、てんでバラバラに桃園の危機を何とかしようとするが、分かり合えずに大喧嘩が始まってしまう。一家に大きな亀裂が入ったまま最後の収穫が始まろうとしていた。後は、映画を観てくださいね。
この映画、ベルリン国際映画祭で金熊賞に輝いた作品です。内容が今の日本の現状を訴えているようでビビりました。2022年の金熊賞なので、日本より前にスペインではこのエコによる環境破壊の問題を理解して訴えていたんですよね。日本ではやっと今、このソーラーパネルによる環境破壊が問題になってきていて、遅いよなと思いました。
温暖化だからと言って多額の補助金を出したために、ヤ○ザさんのフロント企業がみんな手を出して土地を買い漁り、草木も生えないような荒地にしたんです。ソーラーパネルを置けば土地は死にますから。日が当たらなければ下の土地は腐りますよね。あのソーラーパネルの寿命は20年ほどで、電気を変換する機械の寿命は10年ほどです。なので一般家庭などで付けたら全く元は取れません。なので補助金が出ているのですが、廃棄費用を考えたら損でしょうね。
企業は広い土地の草木を伐採して全てソーラーパネルにしてしまいます。奈良県の古墳周りのソーラーパネルは酷いでしょ。あんなこと平気でやるんだから、センスが無いというか頭が悪いというか。あそこまでしても大した電気量じゃないんだから、全く効率が悪いのにね。
映画の話に戻りますが、このソーラーパネルをソレ家の桃農園を潰して作るというんです。地主としては安い地代を貰っているよりも、ソーラーパネルを敷き詰めて何もせずに儲かる方が良いですよね。それは理解出来るんだけど、そうなると農家が無くなり食料自給率が下がり、自分たちの首を絞めることになると気が付かないんです。目先の事しか考えずに行動してしまって、後から失敗したと思っても後の祭りなんですよ。そんな事、歴史上何度もやっているのに、どうして同じことを繰り返すんですかね。
一方、桃栽培をしているソレ家は土地の問題以外に、収穫した果物の買取価格の問題にも直面しています。大手企業が果物の買取価格を安くして、原価以下の価格で売らなくちゃいけなくなるんです。農民たちは怒り、デモを起こしますが、改善はされないようです。
これも、日本で同じことが起きてますよね。日本は果物よりも酪農家が儲からないからと言って、沢山廃業しています。農業や酪農業は国が助けていかなければ国力が落ちるのに、何故、助けないんでしょうね。中国産の食べ物は害があると解っていても輸入しているでしょ。日本国民を殺して、中国人を入国させようと政府がしているのかしら。疑っちゃいますよ。
この映画の中で起きていることは、全て今日本で起こっていることで、誰かが止めなければ人間が衰退していくんです。まず、ソーラーパネル設置を止めること。そして食料となる農作物を適正価格で買い上げること。それが基本じゃないのかな。このままでは恐ろしいことになります。
映画ではどんなにソレ家の人々が抗っても太刀打ちできる訳もなく、ただ呆然と桃の木たちが倒されていくのを見ているしかないんです。辛い映画でした。時代の流れがそうだからといって、これを見過ごす訳に行かないでしょ。自分たちの命にも関わってくることなのに、どうしようもないなんて悲しいですね。
もうモモは食べられなくなり、その土地は腐っていくだけなんです。発電するとしても20年くらいでしょ。そしたらソーラーパネルを廃棄するのにいくらかかるんでしょ。どれだけCO2排出量があるんでしょ。どんどん地球が壊されて、環境破壊され、温暖化が進みます。
そんな事を訴えている映画でした。映画としては、1つの家族が付きつけられた現実に立ち向かっても立ち向かっても、押しつぶされていくというような内容で、やるせない気持ちになりますが、この家族が直面している問題は今世界に生きる人々が直面していることなんです。自分が生きている内ではないかもしれないけど、次世代の子供たちが苦しむことになるのが目に見えているのに改善させられないというのは、難しい問題だなと思いました。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。映画としてはスッキリする内容ではありませんが、今、観なければならない作品だと思いました。子供たちが可愛いです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「太陽と桃の歌」