【フランス映画祭 2022】
「メグレと若い女の死」
を観てきました。
ストーリーは、
1953年のパリ。ある日モンマルトルで、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。血で真っ赤に染まったドレスには5か所もの執拗な刺し傷。この事件の捜査を依頼されたメグレ警視は、死体をひと目見ただけで複雑な事件になる予感がするのだった。
持ち物類は何も無く、事件を目撃した人もいない。彼女が誰なのかを知る人もいない。警察内部では、金銭目的の強盗だろうという見解がほとんどだったが、メグレはどうしても納得が出来ない。違和感を感じ取ったメグレは、一人、捜査を始めるのだった。
彼女は、若い女性には不釣り合いなほど高級なドレスを着ていた。そのドレスが彼女を特定する唯一の手がかりになるのではと考えたメグレは、ドレスを調べ始めると、そのドレスはレンタルされたものだという事を突き止める。あるブティックから貸し出されたモノだった。そこから、彼女の素性が少しづつ紐解かれていく。
メグレ警視は身元不明の彼女がなぜ殺されなければいけなかったのか、彼女はどんな人生を送ってきたのかを探っていく。そして、そこには傲慢な人間たちの欲望と自分勝手な考え方が見えてくる。メグレはこの事件、どんな解決をするのか。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったです。1954年に出版されたフランスの有名な推理小説を映画化したものです。以前にもTVドラマとして映像化されたそうです。今回は、メグレ役をジェラール・ドパルデューが演じていて、これぞメグレ警視という雰囲気を醸し出していました。
映画の内容は、身元不明の美女の死体が見つかり、その事件をメグレが追っていくというものでした。雰囲気は、何となく日本の刑事ドラマの”十津川警部~”とか、”火曜サスペンス劇場”とか、そんな感じでしたが、そこはフランス映画、崖が出てきたりはせず、静かに事件を追って行きます。
メグレは、ジェラール・ドパルデューが演じているので解ると思いますが、走ったり、飛んだりというアクションはありません。あの体形で走って犯人を追いかけるとかは無理なので、静かに推理をして、犯人を追い詰めていくというものでした。
こういう映画は、やはり主役の存在感が一番重要だなと思ったのですが、メグレがいるだけで、もう威圧感が凄いんです。きっと、この人なら犯人を捕まえられるんだろうなと、最初の方で思ってしまう。だから、安心して観ていられるという部分もあり、その奥深い謎を解いていく推理に没頭出来て、楽しめるんです。主役がポンコツだと、本当にこの謎が理解出来るのかなぁと心配になっちゃうでしょ。(笑)
警察の仲間たちはほとんど覚えていないなぁ。印象が薄いというか、メグレの印象が強いのと、敵となる人物が、これまた曲者で強い印象の方なんです。犯人は書けませんが、観れば、この人が一番の敵っぽいなと感じると思います。この二人の印象が強いので、面白いですよ。メグレが、事件の真相を解明して、追い詰めていくのが楽しめます。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。ちょっとレトロな雰囲気ですが、素敵な推理サスペンス映画で、主演を務めるジェラール・ドパルデューは必見です。素晴らしい演技をしています。これを観てしまうと、この役は彼しか出来ないと思ってしまうんじゃないかな。面白いです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
この映画は、2023年の3月頃に公開予定だそうです。
「メグレ」