「EIFFEL エッフェル」有名なエッフェル塔はこんな思いで建てられたかもというお話です。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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フランス映画祭オープニング作品

 

「エッフェル」

 

を観ました。

 

ストーリーは、

アメリカ〈自由の女神像〉の制作に協力したことで大いなる名声を獲得した、ギュスターヴ・エッフェルは、1889年開催「パリ万国博覧会」のシンボルモニュメントの制作をフランス政府より依頼を受ける。様々苦難に立ち向かいながら作り上げられた、パリの顔〈エッフェル塔〉。その完成の裏には、ギュスターヴが忘れることができない、愛する人への秘めた想いがあった。

というお話です。

 

 

ギュスターヴ・エッフェルは、自ら考案設計した、パリの中心にある塔からパリを見下ろしながら、自分の半生を思い起こします。

アメリカ〈自由の女神像〉の制作に協力したことで大いなる名声を獲得した、エッフェルは、次の仕事として、1889年開催「パリ万国博覧会」のシンボルモニュメントの制作をフランス政府より依頼をされるが、彼は地下鉄を作りたいと思い断っていた。

そして政府に地下鉄の設計をさせて欲しいと要望を伝えるために、友人の記者であるアントワーヌ・ド・レスタックに仲介を頼む。アントワーヌはあるパーティにエッフェルを連れて行き、大臣に紹介するのですが、その時に自分の妻であるアドリエンヌも紹介します。実は、アドリエンヌはエッフェルが若い頃に愛し合った恋人でした。驚いたエッフェルは言葉を失います。



 

パーティで大臣に地下鉄の建築を願いますが、時代遅れと言われ、モニュメントを作って欲しいと促され、アドリエンヌもそれを称賛しているのを見て、エッフェルは、つい、300mの塔を建てると言ってしまいます。

自分の希望とは違うモニュメントを引き受けてしまったエッフェルは、その日から塔の設計に取組み、様々な苦難に立ち向かいながら、パリの顔である塔の建設に力を尽くしていくのだが、彼の心には、いつもアドリエンヌへの思いが渦巻いていた。二人の過去に何があったのか。エッフェルは若い頃の恋愛を思い出す。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、実在の人物伝を元に作られていますが、随分と内容は変えられています。映画で描かれる素敵な恋愛はフィクションのようでした。でも、凄く情熱的な内容で、私は、とても気に入りました。エッフェル塔に、こんな素敵な歴史があるとはと思ったら、また登ってみたくなっちゃいました。

 

エッフェルさんは、建築と言っても土木が専門で、構造を考える人です。なので、地下鉄とか橋とかの設計を受け持っているのですが、こういう塔もお得意ですね。こういう建築物は、荷重と風圧、バランスが重要で、ほとんどがトラス(三角)を組んでいく事で構成されるものが多いです。通常、土木の場合は、デザインは二の次とされていましたが、このエッフェルさん辺りから、デザイン性も兼ね備えた建築家が出てきたような気がします。社員が持ってきた塔の設計を”醜い”と言って、一発で撥ねていたので、”おおっ、それだよ、それ!”と思ってしまいました。美しくなきゃ建築じゃないんですよ。

 

 

まず、建築の話しをしてしまいましょう。設計も構造も出来て、さぁ、建設となるのですが、ここで問題となるのが、いつもお金です。建築は、芸術とか言われながら、必ず予算というものが存在し、どんなにお客が願いを言ったとしても、予算に合わなければ作れないというのが現実です。この塔も、お金の問題で、途中で何度も工事が止まり、作業員のストライキなども起こります。大体、建築物の予算なんて、最初はギリギリで見ているので、建て始めると予算をオーバーするんです。なので、騙し騙し色々な手を考えるのですが、このエッフェル塔は、実は、彼の恋愛によっても、危機に陥ります。それは、映画で確認してくださいね。

 

建築に関してはこれくらいかしら。では、エッフェルの恋愛について、書いて行きましょう。エッフェルは、若い頃に、既にその能力を認められて、橋の建設に携わっていました。その時に、橋に関わっている人物の娘がアドリエンヌでした。二人は、愛し合い、結婚をも考えていたのですが、ある事がきっかけで、別れることになってしまいます。

 

 

その後、エッフェルは結婚し、何人もの子供に恵まれますが、妻は早死にしてしまったようです。でも、しあわせな家庭だったんじゃないかなと思わせるような、娘との会話もありました。きっと、アドリエンヌとの恋愛後に、素敵な人と知り合って、愛し合っていたんじゃないかな。アドリエンヌにこだわって不幸になっていたより、良かったなと思いました。

 

そして、何年も経った後、二人は再会します。それも、アドリエンヌは、友人の妻として。これ、辛いだろうなぁと思いました。一応、友人ですからね。アントワーヌは穏やかで良さそうな人物だったので、主人公はエッフェルだけど、アントワーヌが可愛そうに見えました。だって、彼の妻なのに、横から出てきて、昔の恋人ですなんて、どの面下げて言えるんだよっ!

 

 

人の妻を横取りしたって事になるので、どう考えても、エッフェルが悪いんです。どんな過去があろうと、既に違う人の妻なんだから、そこは自重すべきでしょ。だけど、エッフェルとアドリエンヌの過去は、可哀想でした。これは、どちらにも罪は無いですよ。不幸だったねとしか言ってあげられないですもん。

 

そんな恋愛があり、エッフェル塔の建設にも、この恋愛が関係してきて、最後まで建築出来るのかと、心配になりました。でも、まぁ、現在、エッフェル塔が建っているので、出来ない訳が無いんですけどね。(笑)でも、映画を観ていると、やっぱりドキドキしちゃうのよね。解っていても、心配になるのよ。

 

 

あのエッフェル塔の形が、本当は何を表しているのか、それは、映画を観て、確認してください。本当にエッフェル塔って、美しいですよね。あの曲線は、他にはない曲線です。何で、日本の建築には、あういう美しい曲線が少ないのかしら。東京タワーは、スラッとして曲線で細くなっているので、まぁ、美しいけど、東京スカイツリーは、何となく”もーん”としてますよね。美しいとは言い難い。高さの問題だろうとは思うけど、どうせなら、日本古来の美しさを受け継いだデザインにすれば良かったのに。日本の寺や神社には、美しい曲線が沢山使われているのにね。

 

この映画、人物描写も良くされていましたが、建築の知識も詳しく描かれていて良かったです。建築関係は頷いてしまうほど、実際に起こる問題などを詳しく描いていました。ボルトじゃなくリベットでと言った時には、彼の決意が観て取れました。これ、結構、重要なポイントなんです。そして、エッフェルとアドリエンヌの愛も、こんなに愛し合っていたなら、若い頃に一緒にさせてあげたかったなと共感してしまいました。

 

 

エッフェル役のロマン・デュリスさん、素敵でした。実際のエッフェルさんも、背が低かったそうなので、ロマン・デュリスさんは、ピッタリだったのかな。実物も、やっぱり素敵でした。逢えて良かった。監督のマルタン・ブルブロンさんも素敵でした。あまりお話を伺う時間は無かったんだけど、写真は撮らせて貰えたので、嬉しかったです。アドリエンヌ役のエマ・マッキーさん、これから出てきそうだな。若いのに、しっかりした美貌の持ち主で官能的です。素敵でした。

 

 

私は、この映画、超!超!お薦めしたいと思います。私、最近のロマン・デュリスさんの作品では、一番好きかもしれません。建築関係だったこともあるけど、エッフェルが、愛のために塔を最後まで建てたことが判った時には感動しました。良い映画でした。来年の3月3日に公開予定です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「エッフェル」