「アンチグラビティ」を観てきました。
ストーリーは、
事故に遭った男が目を覚ますと、あらゆる建物や地面が重力を無視して浮遊する異様な空間が目の前に広がっていた。記憶も失っており呆然としていた男に、突如として黒い怪物が襲いかかる。間一髪で何者かに助けられた男は、ヤンという人物が率いる彼らの住処に案内される。そこで男は、いまいる世界が「昏睡状態の人間たちが暮らす脳内の世界」だと知らされる。男と同じく彼らもまた、現実世界では昏睡状態にあるという。この世界を抜け出すには昏睡状態から目覚めるしかない。彼らはいつか目覚めることを信じて、リーバー(死神)と戦い続けていた。しかしヤンは、この世界にリーバーのいない島があり、その場所を男が知っているというが・・・。
というお話です。
ある男が自分の部屋で目を覚ます。記憶が少し曖昧になっているが、目を覚まして周りを見回すと、自分は建築家らしく、建物の設計図が並んでいる。1枚の設計図を持ち上げると、そこは”無”になっていて、自分が見ると、思い出したように作られていく。これは何なんだと怖くなり、部屋の外に出ると、空間が歪んでおり、上や下、至る所に、色々な場所が浮いている。何が何だか分からず唖然としていると、どこかから黒い影が近づいてきて、彼を襲い始める。このままでは殺されると思ったその時、人間が現れ、彼を助けてくれる。
彼らの隠れ家に連れていかれ、彼らのリーダーらしき男ヤンに紹介される。ヤンは、この世界が昏睡状態になった人間たちの脳内世界だと説明し、この世界から抜け出すには、昏睡状態から目覚めるしかないらしい。黒い影の敵はリーバー(死神)と呼ばれており、ここに来た人間を襲うらしい。
記憶が曖昧な男にゆっくり思い出すはずだと話し、思い出したらリーバーが来ることが出来ない”島”を男に探して欲しいらしい。予言では、男だけがそれを探せるらしいのだった。よく解らないが、部屋に案内され一晩寝ると、部屋の壁に男の記憶が段々と浮き上がってくる。男は、車の事故で昏睡状態になったらしい。事故現場が壁に再生されていたのだった。
その世界での暮らし方を教わり、この世界にいると、それぞれ特殊な能力が生まれる事が多い事を聞き、男にも何か力があるかもしれないと色々試されるのだが、何も無いようだった。ヤンは、もう少し様子を見ようと言い、簡単な仕事から任されるようになる。しかし男を良く思っていない戦闘部隊の隊長”ファントム”は、何かと男に突っかかり、自分の恋人のフライに手を出すなと牽制する。男は何故か、フライが気になってしまうのだった。
ある時、潜水艦がある場所に魚雷を取りに行く作業に取り掛かったが、リーバーが襲ってきてやられてしまうという時に、突然、男が力を発動させ、大きなスロープを作り出す。彼の能力は脳内で設計して現実に造り出す力があるようだった。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、「インセプション」と「マトリックス」を足した様な映画でした。ロシア映画で、知っている俳優さんはいないんだけど、思っていたよりもよく出来ていたと思います。SF好きの人向けかな。でも、随分と設定が粗いかなと思いました。大体、敵のリーバーの設定が曖昧なんです。脳死患者が作ったらしいのですが、なんで作ったのか、何故人間を襲ってくるのか、全く理由が解らないまま、スルーなんです。まぁ、他のストーリーも入り組んでいるから、そこは目をつぶったけど、ちょっと不満が残りました。
昏睡状態になった人間が入る世界という設定なのですが、それぞれの脳によって世界は違いそうなもんだけど、何故か、昏睡状態になると、みんな同じ世界に入る事が出来るらしいんです。まぁ、脳を何かラインで繋いでいたから、そこら辺が、この組織の新しい研究なのかもしれないけどね。
ネタバレ出来ないから感想が難しいのですが、ある組織がこの脳内世界の開発に関わっていて、男は生きている時に、その組織に利用されてしまったようで、それでこの世界に入ってきちゃったらしいんです。ちょっと面倒くさいでしょ。まぁ、文句は色々あるんだけど、それがネタバレになっちゃうから書けないのでごめんなさい。でも、昏睡状態になっている現実が描かれ始めた辺りから、おいおいっ!っていう展開になりまして、ストーリー的に無理やりって感じになりました。もう少し、脳内世界を減らして、現実世界を描いた方が良かったんじゃないの?
文句を書きましたが、映像はよく出来ていたと思います。ロシアって、CGが凄いのかしら。脳内世界の描き方が素晴らしいと思いました。それに、男が建築家で、自分が設計したランドスケープをその脳内世界で造り出し始めるのですが、それが素晴らしかったです。CADを使ってやったんだろうけど、頑張っていたなぁと思いました。プレゼンの時にCGで建物やランドスケープを造るの、大変なんですよ。素晴らしいです。
私は、この映画、まぁ、お薦めしたいと思います。ストーリーは、あまり万人ウケする内容ではないと思いましたが、とにかく映像が美しいのが素晴らしいです。映像を観るだけでも、ロシア頑張っているなぁと思います。ここまで作れるなら、もっと他の国のクリエイターと組んで仕事が出来たら、大きな映画も作れるんじゃないかな。色々な映画が観てみたいと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。