「サンダーロード」不器用な男の生き方だけど、最後には神様が彼に微笑んでくれるんだよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「サンダーロード」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

最愛の母親が亡くなり、ジムは葬儀の用意をしています。母が好きだったブルース・スプリングスティーンの「涙のサンダーロード」に合わせてダンスをしようと用意をしているのですが、ラジカセが上手く動きません。そして葬儀が始まってしまいます。司会者が息子のジムに話しをして貰いますと紹介され、母親との思い出話をするのですが、上手く話せず、メモもどこかにいってしまいます。

 

 

ジムの兄と姉は、それぞれ葬式には来ず、次男のジムが全てを背負ったのでした。話は上手く行かなかったので、それならと、涙のサンダーロードに合わせてのダンスをしようとするのですが、やはりラジカセは動きません。仕方なく、音楽が無いまま、涙ながらに葬儀でダンスを踊ります。それはバレエ教室を主宰していた母親への息子からの思いを込めたダンスだったのだが、誰が見ても、奇妙に映ってしまいました。

 

ジムは警察官をしていますが、ヘマをすることが多く、上司に怒られてばかり。駐車場で男が騒いでいるという通報で現場に行くと、物を投げられて、怒ったジムと乱闘になってしまいます。上司はジムに少し仕事を休むようにと言います。

 

 

母親の家の片付けをして、処分をします。そして娘のクリスタルを迎えに行き、家に帰りますが、娘は母親を恋しがります。ジムは、妻と離婚協議をしており、娘の親権を争っていました。妻は娘を連れて、遠くの街で暮らしたいと言う希望ですが、ジムは到底納得がいかず、協議は難航していました。

 

娘に新しい部屋を与えますが、こっそり化粧をしているのを見て、ジムは怒ります。クリスタルは逃げるように学校へ行ってしまいますが、後日、学校からジムに電話が入り、呼び出されます。クリスタルの担任教師は、クリスタルが、先生とも同級生とも上手く行かず、問題児であることを伝えます。ジムは驚き、感情的になりますが、教師になだめられて抑えます。妻のロザリンドに電話をするのですが、話す間もなく、電話を切られてしまいます。

 

 

何もかもが上手くいかないジムは、離婚裁判で裁判長の心象を悪くし、負けてしまいます。このままでは娘を妻に取られ、遠くの街へ行ってしまいます。どうしたら良いのか悩んでいると、姉から母親のある話を聞き、本当の母の姿を知ります。そして・・・。後は、映画を観てくださいね。

 

この映画、コメディじゃないんだけどコメディに見えちゃうんですよ。監督・脚本・主演のジム・カミングスが段々とジム・キャリーに見えてきちゃって、直ぐに逆ギレする姿なんてソックリじゃんって思っちゃいました。

 

 

亡くなった母親を凄く愛していたんです。彼にとっては、母親は全てにおいて完璧で、それだからこそ、完璧な息子じゃない自分を恥じていて、母親の好きだったバレエを踊って送りたかったんだけど、おかしなダンスになっちゃったんですよねぇ。で、そのダンスが致命傷となって、離婚裁判で娘の親権を妻に取られることになってしまい、自爆放棄になっちゃうんです。

 

愛する娘に会えなくなるっていうんだから、おかしくなっちゃうのは解るんだけど、でもホントに、オイオイっていうくらいおかしいので、そばに居たら「落ち着け。少し落ち着け。」って言ってやりたくなりました。アブアブしている姿があまりにもリアルで、笑っちゃいけないんだけど、笑っちゃうのよね。ジムは真剣に悩んでいるんだから、笑う所じゃないんだけど、どこかおかしいんです。その微妙な感じが、上手いなぁと思いました。

 

 

親友とも喧嘩をしてしまうし、警察署長にはクビを言い渡されちゃうし、全てが葬式から狂って行ってしまい、お母さんのお墓の前で考えるんですけど答えは出ず、何となく、姉の家に行ってみるんです。忙しそうで、あまり話は出来なかったけど、姉から母親の話を聞くんです。完璧な母親だと思っていたんだけど、実は、バレエで挫折をして、バレエ学校の教師になったという事実を聞き、母親も苦しんだんだってことを知って、少し楽になって行ったのかなって思いました。

 

親や兄弟が完璧に見えて、すごい劣等感を持ってしまうことってあるでしょ。なんで自分には出来ないんだろうって、悩む事ってあると思うんです。でもね、完璧な人間なんていないし、完璧より、少し抜けていて楽に生きて行く方が、よっぽど人間らしいし、幸せだと思います。そんなことも思わせてくれる映画でした。

 

 

この映画、ちょっとラストが強烈だったんだけど、これ、ジムにとってはハッピーエンドだったのかな。話の流れから考えると、やっぱり善人は勝つって事かしら。ジムは馬鹿正直で後先考えないで行動するタイプだから、色々、失敗はするけど、根本的に良い人なんです。だから、ちょっと驚くような展開だったけど、良かった良かったって思っちゃいました。

 

 

私は、この映画、お薦めしたいと思います。単館系映画で、ちょっと解り難い部分はあるとは思いますが、難しく考えずに楽しめば良いと思います。深く考えると、裁判でジムが負けるとか、娘が学校で問題児だとか、色々な問題が描かれているけど、まぁ、楽しんだらよいと思います。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

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