「ライブリポート」を観てきました。
ストーリーは、
警察のもとに透明の箱に閉じ込められて泣き叫ぶ少女の映像が届いた。少女の命が64分しかないことを知った警官のペニーは、誘拐捜査の協力を申し出たネット配信リポーターのエイヴァとともに捜査を開始する。レポーターによる映像はSNSで拡散され、視聴者からも情報が寄せられるが、正しい情報と誤った情報が錯綜する。タイムリミットは刻一刻と迫っていく中、ペニーが関わったある事件が発覚する。
というお話です。
この映画、迫力はあるんだけど、どーも納得がいかなくて、考えてしまいました。警察が誘拐事件の犯人を追っていくのに、それを生配信したら、情報が犯人にも筒抜けで、まして野次馬が追ってきちゃうと思うんですよ。映画の中でも、野次馬が車を追ってきて、気を取られて大事故を起こす場面がありますが、現実なら、もっと多くの野次馬とマスコミが追うので、捜査なんて出来ないはずなんですけどね。
それにこんな状況で自分が犯人だったら、もう人質を殺して逃げると思うけど。そこら辺が全くリアルじゃないんです。笑っちゃうくらい、マスコミも人々も協力的で、犯人まで協力してくれるんですもん。笑えるでしょ。
ドキュメンタリーで警察24時とかやってるけど、あれば警察の宣伝みたいなものだから、マズい映像は出さないだろうし、マズい部分だけ削除してるでしょ。まして、誘拐事件なんてデリケートな事件は、絶対に配信出来ないよね。だって人質の命がかかってるんだから。それこそ配信して殺されちゃったら、配信した人間の殺人と言ってもいいよね。マスコミは直接手を下さなくても人質を殺す事が出来るんだから、怖いです。そんなミステリー、書けそうですね。マスコミに人質を殺したいと思う人がいたら、いくらでも殺す事が出来ますもん。
主人公の警官も酷いのよ。配信を許して、連れ回したら危険だって分かるでしょ。でも、女も強引に配信したいってついてくるのがムカつくのよ。偉そうに現実を見せたいとか言うけど、どう見ても、フォロワーやいいねが欲しいだけの人気ユーチューバーになりたいだけに見えるの。欲が押し出されていて、気分が悪くなりました。正義を振りかざす偽善者にしか見えないんです。
今も偽善者がSNSに溢れているけど、本当の正義って何なのかってことを考えさせられました。全ての現実を人目に晒すことが良い事なのか。公に見られても良い個人情報って無いでしょ。誘拐事件だったら、本人と家族の承諾を得ないで放送したら犯罪ですよね。命がかかるんだから。それ、報道の自由とは関係ないでしょ。
そんな自分の利益しか考えない人間の集まりが、犯人を追っているように見えました。なので、人質がかわいそうですよね。これ、絶対にやっちゃいけないことだと思いました。特に誘拐事件でこれをやったら、人質を殺すことになるので、絶対に現実ではありえない捜査なんです。
まぁ、今回は映画なので、許してあげてください。現実にやったらダメな例として映画で観てもらえたら良いと思います。観ていて、恐くなりましたもん。これ、やってたら、絶対に人質死んでますから。親だったら、この警官と配信者&マスコミを訴えていると思います。何度も言いますが、絶対にあってはいけない捜査ですから。
悪い教訓を教えてくれる映画だと思いました。私は、この映画、お薦めしたいと思います。迫力はあって、ハラハラドキドキするのですが、それは、映画が上手い訳では無く、こんな事をして欲しくないという気持ちでの緊張なので、面白いからという訳では無いと思ってください。でも、まぁ、楽しめるし、考えさせられます。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。