「暗数殺人」を観てきました。これも自粛前に観ようと思っていたのに、映画館が休みになっちゃって観れていなかったんです。
ストーリーは、
恋人を殺害して逮捕されたカン・テオから「全部で7人殺した」という突然の告白を受けた刑事キム・ヒョンミン。しかし、テオの証言以外に証拠はなく、警察内部でもテオの言うことを信じる者はいない。それでも、テオの言葉が真実であると直感的に確信したヒョンミンは、上層部の反対を押し切り捜査を進めていく。やがて、テオの証言通りに白骨化した遺体が発見されるが、その途端、テオは「死体を運んだだけ」と証言を覆す。
というお話です。
この映画、良く出来ているとは思うのですが、この韓国映画の独特の暗さはなんとかならないんですかね。私、韓国映画は面白いという事に文句はないのですが、この全体的に流れる暗さが好きではないんです。日本的に言うと、昭和の臭さというか暗さというか、これが苦手なんです。映画が良いのは文句の付けようが無いんですけど。
暗数殺人という言葉を初めて知りました。事件にならない殺人をこういう言い方するんですね。日本でも、こんな事件、沢山あるんだろうなぁ。人との関係が薄い人が居なくなっても、”あれ、あの人見ないね。”って言うくらいで、失踪届なんて出さないですもんね。やっぱり家族にはマメに連絡するべきですね。
刑事のキムは、カン・テオという殺人犯に利用されていくのですが、これ、途中で面倒だから聞くのやめたって言ってしまったら、誰も捜査しないから、死んだ人はそのまま悔しい思いを残しているんでしょうね。絶対に恨んで出てくると思うけど、こういう犯人って、そんな事、全然気にならないのかしら。これこそサイコパスってやつなのかな。だって、凄く頭が良いんですよ。先の先まで読んでいて、キムに告白を少しづつ続けていくんです。イヤらしいですよね。マジでイヤな奴でした。ま、でも、チュ・ジフンさんが演じているのでイケメンなんですけどね。
この作品、実際の連続殺人事件をモチーフにしているらしいんです。直ぐにキレるタイプの犯人のようで、映画の中では、ちょっとしたことでムカつくと、キレて殺してしまうようで、連続殺人と言っても、ただ感情的に殺しているだけで、殺人に関連性は無いんです。映画「セブン」のように七つの大罪を表す為に殺すとかではないようでした。本当のサイコパスなら、何かこだわりがあるだろうから、この犯人は、本当のサイコパスではないのかもしれませんね。
キム刑事役のキム・ユンソクさん、味がある役者ですね。キムさんが演じると、あんまり考えてないような場面でも、深く考えているように見えるところが凄いよなぁ。映画を観ていたら、ここに被害者が埋まっているかもと言って掘らせたり、凶器の一部分がこの辺りにあるからと言って海に潜って探させたりするのですが、どう考えても、もう何年も前の事件を”そこら辺り”って感じで探させるのはダメでしょ。普通、既にそこに無いから。埋まっているのはあるかもしれないけど、海は無理だから。流れるから。韓国警察、酷い事させるなぁと思いました。
何かとちょっと文句を言ってしまいましたが、面白かったです。暗い気持ちになったけど、楽しめる映画だと思いました。私は、この映画、お薦めしたいと思います。映画としては、よく出来ているし、面白かったです。でも、やっぱり暗くなりました。この映画を観る前に「サーホー」を観ておいて良かった。暗くて潰れるとこだった。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。