「荒野にて」の試写会に行ってきました。Fan's Voiceさんの独占試写会で、観せていただきました。
ストーリーは、
幼いころに母親が家出し、愛情深いがその日暮らしの父親と2人で生活する少年チャーリーは、家計を助けるため厩舎で競走馬リーン・オン・ピートの世話をする仕事をしていた。しかし、そんなある日、父親が愛人の夫に殺されてしまう。さらに、試合に勝てなくなったピートの殺処分が決定したという知らせを受けたチャーリーは、ひとりピートを連れ、唯一の親戚である叔母を探すため荒野へと一歩を踏み出す。
というお話です。
父親と二人で新しい土地に引っ越してきたチャーリー。母親は、彼が小さい頃に家出をし、それからは父親と二人の生活です。父親はチャーリーを大切に思っているのですが、その日暮らしだし、女性にはだらしないし、同じ場所に居つけないような人でした。
チャーリーは、引っ越してばかりなので学校にも行かず、家計を助けるために仕事を探します。家の近所に競馬場があり、そこでデルという厩舎のオーナーと出会い、馬の世話をする仕事をさせてもらう事になります。チャーリーのお気に入りは競走馬のリーン・オン・ピート。ピートの世話をすることで、苦しい生活の中に幸せを見つけ始めるチャーリー。
ある日の夜、男の罵声が聞こえ、驚いて寝室から出ると、「女房と寝たろ!」と言って、大柄な男が父親に迫っている。助けようと思うが、あまりにも相手が大きく、竦んでいると、大きな音がして、父親が倒れて、相手が逃げていく。父親は大怪我をして動かない。直ぐに近所の人に救急車を呼んでもらい病院に搬送するが、容態は思わしくない。数日後、少し持ち直したので、チャーリーは、父親の入院費を稼ぐために、ピートの遠征にデルと騎手のボニーと一緒に出掛けることになる。遠征先から病院に何度も電話をするが、父親とは話が出来ない。
遠征先から帰り、病院へ急ぐと、既に父親の姿はなく、容態が急変して亡くなったという。一人になってしまったチャーリーを医師は心配するが、チャーリーは振り切り、ピートの厩舎へ走りこむ。しかし、ピートも競走馬としての寿命が付きかけており、デルはピートを売り払う事を決め、その先で殺処分になるのは明白だった。チャーリーは、ピートを助けるため、一人でピートを乗せたトラックを運転し、伯母が住んでいたワイオミングを目指して逃げる。
チャーリーはマージー伯母さんを好きだったが、父親が喧嘩をして、全く連絡が取れなくなり、父親に住所を聞いても教えてくれなかった。しかし、今、チャーリーが頼れるのはマージー伯母しかいない。彼女が以前に暮らしていた土地を目指して、旅が始まる。そして・・・。あとは、映画を観てくださいね。
私、この映画、すごく好きです。本当に良かった。チャーリーは、まだ15歳なんです。義務教育を受ける年齢なのに、父親は、そんなことはどーでも良いという感じで、全く手続きもせず、お金もほとんど無くて、酷い生活をしていたんです。だけど、チャーリーは、とっても素直で、良い子なんです。こんな父親なのに、良く、こんな子が育ったなと思うほどでした。父親は、息子の事を愛しているんですけど、ダメオヤジなんですよねぇ。酷かったです。そりゃ、殺されるわよって思っちゃった。
実は、お父さんが殺される場面で、私は、銃で撃たれたように見えたのですが、プレスやサイトを見ると、殴られて怪我とか、窓から出たとか書いてあるんだけど、家の中で倒れていたし、銃で撃たれたと思うんですよね。本当はどうだったのかしら。もう一度観れば分かるかな。
チャーリーの友達はピートだけで、ピートと旅に出るんだけど、15歳の少年が何の計画も無しに逃げ出したので、あっという間にガソリンに困り、食べ物に困り、大変なことになっていくんです。ピートも、それまでは厩舎で暮らしていたのに、今までとは違う場所に連れていかれて、怖い音とか、光とか、色々なものに怯えてしまって、簡単にチャーリーに扱えなくなってくる。本当に可哀想でした。ピートを助けたいけど、自分が子供だから、その術も知らないし、力も無いことを実感して行くんです。観ていて辛かったなぁ。
そして、段々とホームレスのような状態になっていき、素直だったチャーリーが歪んでいくんです。もう、観ていられなくなりました。子供にこんな思いをさせる親って、何なのよっ!親なら、自分が面倒を見れないなら、誰かに助けを求めるべきでしょ。自分の好き勝手に子供を連れまわすなんて、やってはいけない事だと思います。チャーリーは、お父さんが大好きだから、周りが色々言っても聞かなかっただろうとは思うけど、せめて伯母さんが一緒にいてくれたらと思いました。
突然、一人になり、誰にも助けてもらえずもがく少年の姿が良く描かれていました。チャーリーは、本当に良く頑張ったと思います。頑張っている少年の姿と、それに寄り添うように旅するピートという馬とが、自然の中で、孤独で、いつかどこかに自分の家が見つかると思いながら、最後まで未来を捨てないチャーリーの姿は、涙が出るほど感動出来ました。本当に良い映画でした。
今住んでいる家が自分の家と思っていても、あれ?と気が付くと、周りに誰もいなくて、ここは自分の家じゃないって気持ちになる事、ありませんか?私は、実は、結構、あるんです。実家に帰っても、家にいても、どーも自分のいるべき場所じゃないって感じることがあるんですよ。この感覚はなんなんですかね。いつか、ここが家だよって安心出来る場所が出来るのかしら。うーん。
私は、この映画、超!お薦めしたいと思います。これは、良い映画でした。私は大好きです。内容は盛り沢山で、観ていて飽きません。でも、内容的には、単館系の映画かな。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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