【演劇】「睾丸」学生運動をしていた時代から25年経ち、おじさんになった人々は・・・。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

舞台「睾丸」を観てきました。

 

ストーリーは、

 

1993年、旅行代理店を営む赤本健三とその妻・亜子。ある夜、遅くに電報が届く。それは二人の共通の知り合いである七ツ森豊の訃報だった。彼らは25年前の1968年、学生運動の闘士として、共に闘った仲間だった。

 

七ツ森の死の知らせに動じる事も無く、葬式に行くのか行かないのかと押し付け合っている。七ツ森は25年前に事故に遭い、意識不明で機械で行かされていた状態だったのだ。今更、訃報を知らされても、自分たちのことで精一杯の健三には、愁いている暇はない。

 

健三と亜子は離婚をしようとしており、亜子は既に付き合っている男性がいた。家には、亜子の弟が居候しており、二人が離婚しても義弟・光吉が一緒に住んでいるというのもねぇと話し合っている。光吉は、今も元妻を家に呼んでSEXをするような関係であり、めちゃくちゃである。家には二人の娘の桃子も住んでいるが、そろそろ家を出ようと思っているらしい。

 

そんな家に、25年前に一緒に闘っていた同志の立石が訪ねてくる。家が火事で全焼し、しばらく泊めて欲しいというのだ。断りたいのだが、あまりにも強引で、断わり切れずに家に入れてしまう。奇妙な同居生活が始まり、大学生の頃の事を思い出し、話をしていると、その頃にやろうとしていた演劇がある事を思い出す。脚本もキャストも劇場も決まっていたのに、七ツ森の事があり、演劇の公演をする事は出来なかった。もう一度、あの頃の舞台をやってみたいという思いに駆られた二人は、亜子が隠し持っていた台本を貰って、再度、上演出来るように動き始めるのだが・・・。

 

後は、舞台を観て下さいね。

 

 

1968年頃に、学生運動で闘っていた人々が、もうおじさんおばさんになって、今、どう生きているのかという内容でした。その頃の気持ちは忘れないと言っているのですが、やっぱり年は取っているし、子供もいるし、社会の酸いも甘いも判って来てしまっている彼らが、突然、25年前の考え方を突きつけられて、今更何言ってんだって感じなんです。

 

若い頃って、何だか分からないけど、つるんで、何でも出来るような気持ちになっていたのだと思うんです。でも、社会の仕組みを知って、自分が、その中の1本のネジでしかないと解かると、何をやっても無駄だよなぁって考え方に変わって行くんだと思うんです。それでも、人間は生きていなかければならないし、その時代、時代に、恐ろしい事は沢山あるってことが描かれているのかなって思いました。最後、ちょっと怖かったです。

 

 

学生運動の時代って、あまり知らないし、良く分からないんです。だって、何の為に闘っていたのかな。共産主義になりたかったのかな。共産主義なんてイヤだよねぇ。だって、自分の物は国の物、国の物はみんなの物ってヤツでしょ。必死で働いても、働いてない奴と同じ給料なんでしょ。そんなのイヤだよね。やったら、やっただけ欲しいもん。私は、サラリーマンにはなれないタイプです。なので、共産主義は無理ですね。

 

写真では、ヘルメットをかぶって機動隊の人とぶつかっている姿とかありますよね。何か、あれで良い方向に動いたのかしら。きっと、あの時代には、それなりの何か大切な考え方があったのでしょうね。それを知らないから、何とも言えないなぁ。でも、あんな無駄な事はしたくないなぁ。

 

 

三宅さんと坂井さんが夫婦役で、本当に掛け合いが面白かったです。やっぱり上手いよなぁ。完璧ですもん。今までも、ずーっと観てきましたが、この二人の掛け合いが、私は一番好きです。なんか、とっても合ってますよねぇ。そんな二人に、義弟役の赤堀さんが、笑っちゃう。もう、なんでトランクス一枚でフラフラしているんですかっ!オヤジ臭がしてきそうでしたよ。楽しかったです。

 

この舞台、私は感想が上手くまとまりません。だって、凄く面白いんだけど、学生運動と言ってしていた事は、結構、酷いことだったし、犯罪もしていたようだし、それを正しいとしていた時代の自分たちを、今、彼らは汚点だと思っているのかなと私は思えたんだけど、どうなんでしょ。懐かしいと思う部分もあり、思い出したくない部分もありという、微妙な感じなのかなと思えて、ちょっとモヤモヤでした。凄く面白かったんですけどね。

 

 

私は、この舞台、お薦めしたいと思います。素直に楽しんでくれば良いのかなと思いますが、学生運動を宗教の様にやっていた彼らの姿は、どう解釈して良いのか分かりませんでした。でも、大笑い出来ましたよ。ぜひ、観に行ってみて下さい。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

ナイロン100℃ 「睾丸」

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