「僕とカミンスキーの旅」を観てきました。
ストーリーは、
無名の美術評論家ゼバスティアンは、金と名声のために芸術家の伝記を書くことを思い立ち、スイスの山奥で隠遁生活を送る老画家カミンスキーを訪ねる。マティス最後の弟子でピカソの友人、60年代ニューヨークで「盲目の画家」として脚光を浴びた伝説的な人物であるカミンスキーの新事実を暴くため、ゼバスティアンはカミンスキーが若き日に愛した女性に引き合わせることを画策。年老いたカミンスキーに振り回される、ゼバスティアンの珍道中がスタートする。
というお話です。
美術評論家のセバスティアンは、スイスの過疎地で隠居生活をしている画家カミンスキーを訪ねて、彼の伝記を書かせてもらおうとする。既に高齢だし、亡くなったら高値で取引されるようになる伝記を、今の内から取材して書き溜めておこうという魂胆なんです。
カミンスキーは、60年代の画家でマティスの弟子であり、ピカソの友人、シュールレアリスム系の絵を描き、盲目となってしまった事で「盲目の画家」として脚光を浴びた人物です。
カミンスキーに会い、意気投合したセバスティアンは、娘に管理されて自由に出歩いたりが出来なくて不満を貯めていたカミンスキーを連れ出し、彼の昔の交友関係を尋ねながら旅をする事にします。
勝手に車で出かけて、旅を始めるのですが、カミンスキーは、途中、小汚いオッサンを拾ったり、その街一番の高級ホテルと言われて行くと受付に老人が一人しかいないホテルだったり、ホテルの部屋に女の子を連れ込んだりと、次から次へと、トンデモナイ事を起こし、セバスティアンは頭を抱えながらも、彼を連れて旅をします。
そして、カミンスキーが若い頃に別れたという女性を探す事にし、彼女の居場所を見つけるのですが・・・。後は、映画を観て下さいね。
おじいちゃんと若者の可愛い珍道中という感じで、とても好感が持てる内容なのですが、私、元々、ロードムービーって、それほど得意では無いので、途中、ウトウトしてしまいました。
カミンスキーという架空の画家と、彼を連れ歩く美術評論家のセバスティアンのコンビは、何とも言えず、イイ感じでした。もう、このおじいちゃん、分かってやっているのか、とぼけているのか、解らないんです。突然、老人っぽくヨボヨボして、物忘れが激しくなったと思ったら、シャキッとして、女を連れ込んだりして、私がセバスティアンだったら、「クソジジイ!いい加減にしろよ!」って言っていると思うなぁ。(笑)
カミンスキーの娘が出てきて、父親をガッチリ管理しているのですが、父親の事を思ってだとは思うけど、さすがに、これだけ管理しちゃったら、可哀想だなぁって思いました。もう時間が少ないんだから、好きな事をさせてあげれば良いのにね。父親の事を思ってって口では言っているけど、只、財産を守りたい感じにも見えるのよね。年を取ったら、子供に帰って行くんだから、もう、甘やかしてあげれば良いのに。その方が、きっと大人しくしてくれるし、ボケも少ないと思うんですけどね。親の心子知らずって言うけど、その通りだと思いました。
セバスティアンは、美術評論家なんだけど、この評論家と呼ばれる人達って、何なんでしょうね。自分が何もせずに、評論なんて出来ないと思うんだけど、それでも偉そうに評論家ですとか言っちゃうところが、なんて傲慢なんだろうといつも思います。映画業界もね。自分が絵を描いていて、売れないから評論をするんだろうけど、結局は、絵画の値段を吊り上げる手助けをしているだけのように見えて、ゲスいなって思っちゃいます。もちろん、映画評論家も、映画会社に言われて良い評論をしてお金を貰うんだから、只の宣伝屋ですよね。まぁ、それも仕事だから、嘘でも仕方ないか。
そんな評論家も、この映画では、良く描かれていると思いました。そのゲスさ加減もね。もちろん彼だって人間だし、色々な苦しみがあったりとかするのですが、そんな部分も、カミンスキーとの珍道中で、何となく癒されて、セバスティアンは、きっと、次のステージにアップ出来たんじゃないかな。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。良い映画とは思うのですが、ロードムービーが私のように苦手な方は、最初の方で、ちょっとウトウトしちゃうかも知れません。でも、大丈夫。ちょっとウトウトしたくらいでは、面白さは損なわれないから、ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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僕とカミンスキー
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