「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」を観てきました。
ストーリーは、
何不自由ない日々を送る大富豪のひとり息子ヤーコブは、楽しみのない人生に嫌気がさし、自殺を試みるが、常に邪魔が入り自殺できずにいた。たまたま拾ったマッチ箱に記された謎の「代理店」をベルギーまで訪ねると、その店は事故に見せかけて自殺をほう助するサービスを提供する旅行代理店だった。
というお話です。
由緒正しい歴史ある貴族の家系に生まれたヤーコブは、子供の頃から何不自由の無い生活を送ってきました。彼は、年老いた母親の面倒を見ていたのですが、とうとう母親も亡くなってしまい、自分の生きる意味が無くなり、死んでしまおうとしたのですが、何度自殺を試みても邪魔が入り、死ぬことが出来ません。
ある日、崖地で不思議な光景を観た後、マッチを拾います。そのマッチに記されていた会社に電話をしてみると、謎の代理店であり、旅行代理店だと言います。但し、世界旅行を案内する代理店では無く、死への道を示す旅行代理店だったんです。これは、願ったり叶ったりと思ったヤーコブは、その代理店で、自分の”旅行”をお願いします。
その代理店で知り合った、他の客の女性・アンネと意気投合します。アンネに好意を持ってしまったヤーコブは、彼女をデートに誘ったり、家に招いたりしてしまいます。段々と、彼女への想いが大きくなるヤーコブは、”旅行”に行くのを伸ばして欲しくなってしまいます。しかし、契約した”旅行”は、変更する事が出来ず、どうしようもなくなります。アンネとの関係を続けたくなってしまったヤーコブは・・・。そして、アンネは・・・。後は、映画を観て下さいね。
この映画、全然、期待をしていなかったのですが、結構、面白かったです。主人公のヤーコブは、ある事件で心に傷を持っていて、ほとんど感情を表に出す事が無くなってしまった男性なんですね。だから、それまでは、恋愛をする事も無かったし、母親が亡くなっても、感情的にならないんです。母親は、とても心配していて、生きている時に、何度もヤーコブを病院に連れて行って、感情を取り戻させようとしたのですが、変わる事はありませんでした。
そんな可哀想なヤーコブには、有り余る財産があり、それを相続するのですが、そんなものは、彼にとって、何の役にも立たないものだったんです。可哀想でしょ。だから、死にたくてしょうがなかったんでしょうね。母親が生きている時は、やっぱり、母親を見送らなければと思っていたから、生きる意味があったんでしょうけど、それが無くなったら、彼には生きる意味が無くなっちゃったんです。
こういう男性って、イマドキ、結構、居るのかもって思いました。だって、TVとかでも、母親と同居している年配の息子が、とかってニュースがあるじゃないですか。自分で面倒を見ていて、母親が亡くなってしまい、どうしたら良いのか分からなくなっちゃって、そのまま放置してしまうとか、年金を貰っているとか。それって、確かに、お金の為もあると思うけど、どうしたら良いのか分からなくなっちゃう方が大きいんじゃないかな。男性にとって、母親の存在って大きいと思うし、まして、この映画のヤーコブは、父親を亡くして心に傷を負っているんだから。可哀想だなって思いました。
そんなヤーコブが、死を目の前に、女性と出会ってしまうなんて、笑えるでしょ。なんか、可哀想だと思いながらも、笑ってしまうコメディなので、とても楽しめましたよ。これ死をテーマにしながらも、人って、そんなに簡単に死ねないんだよって言っているようで、楽しくなっちゃいました。
私は、この映画、お薦めしたいと思います。なんか、とっても可愛くて、笑えて、ちょっとしんみり、じんわり感動する感じが、良いと思いました。ぜひ、観に行ってみて下さい。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
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