舞台「オセロ」を観てきました。白井さんが、演出と俳優もやられているものです。
ストーリーは、
ヴェニスの将軍オセロ(仲村)の旗手イアーゴ(赤堀雅秋)が、同輩キャシオ(加藤和樹)を取り立てるオセロを恨み、陥れようと策を練る。オセロの妻デズデモーナ(山田優)とキャシオの浮気を疑わせる罠を仕掛け、その結果、嫉妬に狂ったオセロは破滅の一途をたどる……。
というお話です。

シェイクスピアの「オセロ」を、面白い演出で楽しませてくださいました。まず、客席の中に、演出家の席があって、それ以外にも、何席か、役者が座るように、席が用意されているんです。舞台も、客席と、同じ目線にあり、まるで、舞台稽古をしているような雰囲気になっているんです。そして、観客も、俳優と一緒に舞台に立っているような雰囲気を味わえるようになっているんです。
オセロは、ヴェニスの将軍でありながら、白人ではなく黒人であり、素晴らしい功績を挙げているとはいえ、あまり一般の人間からは良く思われていなかったようで、デステモーナと結婚を望んでも彼女の父親に祝福されず、見た目は、素晴らしい威厳のある将軍だが、心の中には、不安と嫉妬などが渦巻いていたのだと思います。

そして、周りに居た白人たちの中にも、自分の上に立つ人間が異邦人の黒人であることに、嫉妬を抱いていた者がいるのです。その妬みから、相手を潰す為に、色々な嘘を重ね、オセロを罠にはめて、破滅に追い込んでいくのです。
その舞台を、ある劇団が舞台で演じていて、その劇団の中でも、嫉妬が渦巻いているように見えます。現実の世界でも、嫉妬があり、舞台の上でも、嫉妬が描かれている。そんな二段階の嫉妬の世界に、観客も巻き込まれ、グイグイと引っ張られて、その嫉妬の炎が心を締め付けていくのを、オセロと一緒に味わうことになります。
有名なシェイクスピアのお話なので、お話に関しての感想は控えますね。色々な演出家のオセロがあり、解釈も違うのですが、お話としては同じですもんね。
私のイメージとして、オセロって、大柄な黒人の男で、容姿は良い方だけど、やっぱり野蛮に見えるって感じの人という感じなのですが、仲村さんは、まさに、声の出し方や動作で、大柄で、ちょっと野蛮な感じを出されていました。イメージどおりって感じに思えました。デステモーナは、素直で可憐な、少女のまま大きくなったような女性という感じでしたが、声がちょっと聞き難かったかな。篭ってしまうように聞えて、ちょっと聞き取り難い箇所などがありました。
他のキャストは、舞台なれしている方ばかりなので、楽しかったですが、高田さんのギャグが、ちょっと欲しかったな。マジメな話だから、高田さんもマジメなのよ。少しだけでも、面白い高田さんが見たかった。(笑)
私は、オセロ、楽しませていただきました。もう、上演が終ってしまうので、お薦めしても観れないかもしれませんが、もし、観る方がいらしたら、1階で観ると、通路側にキャストの方々が座ったりするので、ドキドキものです。私は、たまたま通路側の席で、すぐ前に演出家席という、舞台装置の一つがあったり、横をたくさんの方が走ったりしていて、とっても楽しめました。
ぜひ、楽しんできて下さいね。
シアターガイド様のサイトから、写真をお借りしました。問題があるようでしたら、すぐに対処いたしますので、ご連絡ください。よろしくお願いいたします。m(__)m
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