先日、演劇「ふくすけ」で、”ねじ式”の話が出ていたので、懐かしくてDVDを観ました。なんか、随分前に観たと思うんだけど、まったく覚えていなくて、ちょっと驚くような内容でした。有名な役者さんも出ていて、驚きますよ。
ストーリーは、
貸本漫画家のツベは家賃が払えなくなり内縁の妻・国子と別れて放浪生活を始める。毎日膨らむ一方の妄想を繰り広げ、その妄想はいつしか現実との境界が曖昧となっていく。夢とも現ともつかぬ世界の中、ツベは次々と奇妙な人たちとの出会いを経て、さらに夢想の旅にはまっていく…。
というお話です。
原作マンガを以前に読んでいるのですが、こんな話だったかなぁって感じで、思い出せないんですよね。ツベが彼女と別れてと言うか、捨てられて、放浪生活をするのですが、段々と、現実と妄想世界が交わってきてしまい、自分が今、どこにいるのか、どういう状態にあるのか、分からなくなってくるんです。そんな状態でも、自分の欲望を持ったまま、やりたい放題で放浪をしていて、大人の堕落した生活を続けていくんです。
結構、AVとは言わないけど、18禁じゃないかなっていうような映像も多くて、驚きました。確かに、マンガだとそれほど気にならないけど、映像で見せられると、結構、ドキっとしますよね。それに、妄想の世界の描き方が、とってもアングラ劇団っぽい感じで、トップレスにペイントしていたりして、なんか、ちょっと気味が悪い映像が多いです。
主人公のツベを浅野忠信さんが演じていて、マンガのツベより全然カッコイイので、映像としては、結構、イケるんではないかなって思いました。他にも、有名俳優さんがそろっていて、こんな映画に、こんな凄い人がたくさん出ていて、どうしたのかしらと思いました。丹波さんや、清川虹子さんが出演していて、あの「ほら、ポキン金太郎」をやってくれます。セリフは、ちょっと違っていたかな。でも、実写だと、こういう風になるんだなって思いました。
それにしても、どうしてこの映画、作ったんだろう。1998年に作られていて、私は、その時代、まだ映画をそれほど観ていなかったので、映画館で上映したのかも知らないのですが、これだけ、有名どころを集めていたんだから、上映したのでしょうね。戦後の日本っぽい風景で、これで全国上映だったとは思えないんだけど、単館でやったのかしら。不思議だなぁ。
この映画、オタクというか、こういうエンタメが好きな方は、押さえておいた方が良い作品じゃないかなぁ。だって、演劇にも使われるし、映画でも、たまにこだわって作っている人は使っているし、この”つげ義春”さんという方は、独創的な世界を描いた方で、物を創る方たちのファンがすごく多いのだと思います。映像や絵画、造形など、色々な世界に影響を与えた漫画家だと思いますよ。
ぜひ、時間があったら、DVDを観てみてください。但し、子供には見せないでね。
P.S:それにしても、”メメクラゲ”って、どんなクラゲなんだろう。静脈を切るって、いったい・・・。
・ねじ式@ぴあ映画生活
ねじ式 - goo 映画
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