先日、「蜂蜜」を観てきました。ユスフ三部作の1作です。
ストーリーは、
6歳のユスフは、手つかずの森林に囲まれた山岳で両親と共に暮らしている。幼いユスフにとって、森は神秘に満ちたおとぎの国で、養蜂家の父と森で過ごす時間が大好きだった。ある日、森の蜂たちが忽然と姿を消し、父は蜂を探しに森深くに入っていく。その日を境にユスフの口から言葉が失われてしまう……。数日経っても父は帰ってこない。ユスフに心配をかけまいと毅然と振る舞っていた母も、日を追うごとに哀しみに暮れていく。そんな母を、ユスフは大嫌いだったミルクを飲んで励まそうとする。そしてユスフは、1人幻想的な森の奥へ入っていく……。
というお話です。
ユスフという6歳の男の子も、凄いです。これ、どうやったんだろう。山の道を歩いている雰囲気だけで、今、どうしようって思っているとかが判るんです。その行動や態度で、ユスフの気持ちが、すごく伝わってくるの。お父さんが好きで、お母さんが好きで、まだまだ甘えていたい、わがままを聞いてもらいたい、そんな子供が、お父さんが帰ってこないという不安から、自分がママを守らなきゃと思って、子供ながらに、すごい頑張るんです。
自分のパパが、学校の友達に何かをプレゼントしたのを見て、すごい嫉妬して、学校で友達にイジワルしてしまったりするんですけど、後から、やっぱり悪い事をしちゃったなって思って、誤りに良くところが、なんだか、本当に6歳の子供って、こういう感じだよなって思いました。6歳って、とっても微妙な年齢で、ある程度判ってきているけど、でも、まだ両親に甘えたい気持ちが大きいんですよね。学校に行き始めるから、親離れしなきゃいけない時期なんだけど、まだ難しいですよね。親から見ても、そんな子供のいじらしい感じが、一番かわいい時期なんじゃないかしら。
子供の心の動きを、とても細かく描いていて、子供の目線での映像になるので、本当に新鮮で、なんだか、ちょっと懐かしいような気持ちになりました。もう一度、子供に戻ってみたいなぁなんて思いながら観ていたのですが、事態は、悲しい方向に転換していき・・・。う~んる幻想的な森が、ユスフを産まれ変わらせてくれることでしょう。
これは、ベルリン映画祭で金熊賞貰うだろうなっていう作品でした。でも、ちょっと「ブンミおじさん」タイプの映画ですね。もちろん、こちらはストーリーもしっかりしているし、理解出来ますけど、映像の美しさなどが、似ていると思いました。これは、映画通の人は、必ず観ないと、ウンチク語れないよなぁ。きっと、難しい解説をしてくれそうな気がします。
私は、お薦めしたい作品です。子供の心情を細かく描いている、繊細な作品です。森林の中の映像も美しくて、幻想的です。ぜひ、映画が好きな方は、この作品と、他のユスフ3部作と言われると作品を観て欲しいです。もう、映画館でやっているところはほとんど無いと思うので、DVDを待って3作連続で観たら良いかもね。
・蜂蜜@ぴあ映画生活
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