今日は、ナイト・シャマラン監督制作の「デビル」を観てきました。
最近のシャマラン監督の作品は、ちょっとハズれるモノが多かったので、実は、あまり期待しないで観に行きました。
ストーリーは、
高層ビルで男が墜落死し、現場に急行した刑事ボーデン(クリス・メッシーナ)は、ロザリオを握りしめた死体に違和感を感じつつも、状況から自殺と判断する。ちょうどそのころ、同じビルのエレベーターが突然停止し、閉じ込められた5人の男女が、照明が消えるごとに1人ずつ無残な死を遂げるという奇怪な事態が起きていた。
というお話です。
まず、オープニングに聖書の言葉が出てきます。”ペテロの第一の手紙 5章8節”の言葉で、「身を慎み、目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、吼えたける獣のように、食い尽くすべきものを求めて歩き回っている。」をいう言葉が出ます。悪い事をしていると、悪魔が寄ってきて地獄に連れていこうとするよっていう事なんですけど、この言葉通りのお話です。だから、とっても解りやすいですね。今までのシャマラン監督作品より、明瞭完結です。
新約聖書の言葉が出てくるから、カトリック的な話なのかと思いきや、ずーっと観ていると、どちらかというと、ユダヤ的かなぁって思いました。悪魔の位置が、ただ、悪に引きずり込むとかじゃなくて、悪いことをした人間を、摂って食うという感じなんです。だから、善人から観ると、悪魔が敵を討ってくれている感じで、悪魔というより天使っぽい感じに思えるという、不思議な感覚の進み方をします。
考えてみれば、ルシファーは大天使の一人であり、神様の基にいたんですもんね。只々、悪いことだけを滅茶苦茶にするのではなく、ルールがあり、目的があってこその行動なのです。それを理解していれば、この映画も、面白く観れるのではないかな。もちろん、何も知らなくても、自殺が起こって、エレベーターに閉じ込められてっていう恐怖映画として観れるけど、きっと創る側は、聖書の事は解っていると思って作っているから、知っている方が、本当の怖さとか面白さが伝わりますよね。(悪魔の目的は、地獄の軍団を作って、ミカエル=キリストとの戦いに勝利すること。デビルマンを読んでいれば解るよね。(笑))
密室から出れなくて、奇妙な事がどんどん起こっていく恐怖と、警備室からその密室を覗いていて、助けたいけど助けられないという恐怖、そして、周りで起こっていく自殺や事故、理解出来ないまま、どんどん事態は悪くなっていくので、結構、映画としては、面白いと思います。次に何が起こるのかと思って、ドキドキして観ているので、眠くなりません。
でも、突っ込みどころは、結構あるかもなぁ。最初の自殺の詳細は一切判らないし、罪についても、あまり詳細が判らないんです。調べたら、こんなん書いてましたけど~みたいな感じなの。ま、重要な事は判るけどね。時間を短くするのに、大して重要じゃないことは全部省いたのかしら。
私は、結構、お薦め出来る映画ではないかと思います。シャマラン系列では、解りやすい作品だと思いますよ。でも、またも聖書が解ったほうが、より、深く理解出来ると思います。そうそう、見終わった後、なんとなく、「日本昔ばなし」を観たような気持ちになりました。悪いことはしちゃいけないんだよ~って感じです。
涼しくなるために、ちょっと、行ってみたらいかがでしょうか。
・デビル@ぴあ映画生活
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