先日、「ふゆの獣」の試写会に誘ってもらって、行ってきました。
フランス映画祭の感想の間に入ってしまってゴメンナサイ。どんどんアップしていかないと、詰まっちゃうんですよ~。(~_~;)
ストーリーは、
ユカコは同じ職場で働くシゲヒサと付き合っているが、最近、シゲヒサの浮気を疑っている。精神的に不安定になり、駅の地下道で倒れたユカコを介抱したのは、同じ職場で働くノボルだった。ノボルはアルバイトのサエコに恋し自分の気持ちを伝えるが、シゲヒサと密会を繰り返していたサエコは、ノボルを同僚以上には見ていなかった。地下道で介抱したことをきっかけに、ユカコとノボルはお互いの事を語り合う。そして、ひとつの狭い部屋で、4人が顔を合わせる機会が訪れる……。というお話です。

こんなに笑っていいんだろうかって言うほど、大笑いしながら見てしまいました。これ、笑う映画なのかなぁ・・・。でも、私、超面白かったんですもん。もちろん、とても真面目な映画なんですよ。でもね・・・、あまりにも、私からは考えられない展開で、笑ってしまったんです。
男女4人の恋愛が入り乱れて、ありえねぇ~!!って展開に転がっていくのですが、この撮影、脚本が無かったそうです。その場その場で、セリフを考えるというか、演じていて出てきた言葉をそのまま使っているとのこと。面白いでしょ。だからこそかも知れないけど、現実に、こういう恋愛の場面にぶち当たったら、自分ならどうするかって、色々考えてしまい、どうしてこんな行動をしてしまう女性がいるのかな?とか、この男はどうしてこんな言葉が吐けるのかなとか、とても考えさせられました。
ユカコとシゲヒサのカップルなんですが、この二人は、長く付き合っているようで、半同棲状態のように見えました。ユカコは、シゲヒサの浮気を疑いながらも、見てみない振りを通します。まず、この時点で、私にはありえね~って感じでした。浮気しているようなら、私なら聞いちゃうもん。とことん話し合って決着付けないと、先に進めないでしょ。停滞している自分って耐えられないんです。
あと、ノボルとサエコというキャラが出てくるのですが、このサエコがシゲヒサの浮気相手で、ノボルはサエコが好きなのですが振られ、シゲヒサに浮気されているユカコをノボルが慰めていて関係を持ってしまう・・・。これで、関係が解りましたか?この4人、同じ会社にいるようで、なんて世界が狭い4人なんだろうって思ってしまった。誰もが手近なところで、適当に相手を探しているように思えて、笑ってしまいました。もう少し、世界を広げればいいのにぃ~。(笑)
ま、こんな関係なのですが、この映画で描いているのは、そんな修羅場でも自分の身を守ろうとするアホ男と、自分の相手が自分を裏切って離れていくと言うことを受け入れられない女と、先輩女性を尊敬しながらも男の事となると貪欲に奪い取ろうとする女と、草食系で自分の欲しているものが何なのかを良く理解していない男、という4タイプの人間を生々しく表現しているのです。きっと、誰もが、とても身近に起こっているような出来事だと思えると思うので、この女や男はありえないと思うのか、この女性の感覚とても解るとか、この男の態度解るなぁとか、色々な想いが浮かんできて楽しめると思います。
私は、とにかく、どのキャラクターも共感出来なかったなぁ。だって、修羅ったら、そんな男、捨てるもん。直ぐ、次の男を探さないと寂しいでしょ。出来れば、次を見つけておいて、ハシゴしたいくらいなのに。クダらない男に関わっている時間が無駄だもん。女だったら当たり前だと思うよ。男性の方、私の言っていることは、結構、世の女性がほとんど考えていると思います。(笑) 自分だけ思って付いてきてくれるなんて、幻想です。(笑)
サエコという若い子が、先輩の男を奪おうとするのですが、人の物って良く見えるんですよね。それに、仕事で自分を教育する立場にいる男って、同年代の男より頼れるように見えて、ついメロメロって来ちゃうのも解らないでも無いです。でもね、そこで一息考えて欲しいのが、同年代の男も、そのおっさんと同じ年になれば、同じように頼れるようになるんですよ。若いのに、おっさんの餌食にならないでください。ちゃんと、相手の性格を見て、年齢に関わらず、自分に合う人を見つけてください。
第11回東京フィルメックス最優秀作品賞受賞
と、色々考えさせられる、とっても笑える映画でした。私は、恋に悩んでいる人や、恋をしたい人は、この映画を見て、自分はどういうタイプなのか、冷静に見直してみるのが良いと思いました。恋愛でボロボロにならないように、どこで引いたら良いのか、考えてみてください。お薦め映画ですよ。
・ふゆの獣@ぴあ映画生活
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