今日は、「軽蔑」を観てきました。私は、結構、気に入りました。良かったです。
ストーリーは、
東京で堕落した生活を送る若者カズ（高良健吾）は、歌舞伎町で働く踊り子の真知子（鈴木杏）と激しく惹（ひ）かれ合い、彼女と一緒に故郷に戻って暮らし始める。しかし、彼らを歓迎する者はなく、真知子は東京へと去り、カズは高利貸しの山畑（大森南朋）の金で賭博にのめり込む。やがて山畑は借金の帳消しと引き換えに真知子を要求し……。
というお話です。
中上健次さんの原作を映画化したもので、「軽蔑」という名前に表されるように、軽蔑されるような人間それぞれの、生きる道を描いています。私は、結構、引き込まれて、一切眠くならず、１３５分間、釘付けでした。面白かったです。だって、こういう人間って、周りに結構居たりするし、こういう閉鎖的な町って、今でもたくさんありますよね。都会に居ると、地方からたくさんの人が集まってきていて、それほど周りに居る人間を知ることもないし、気にすることも無いけど・・・。
閉鎖的な町で、こういう不良って多いですよね。自分達は、何をやっても許されるというか、自分達が一番だと勘違いしている子供たち。大きなことをする訳でもなく、人の為になる訳でもなく、反対に人に恐怖を与えるほどの力も無く、どこまで行っても中途半端な人間。そして、そんなアホな若者を食い物にする、ヤクザまがいの人間達。外に出て行って、大きく稼ごうという意欲も力も無い、これも中途半端な大人達。最後は、自分で稼ぐわけではなく、親の残した遺産の管理のみで生活をしているのに、自分は他の人間より上流の人間だと勘違いしている、これも中途半端な大人。どれも中途半端な人間ばかりで、誰一人、自分の力のみで生きていこうという、必死さも、サバイバル的な雰囲気も無いんですよね。こういう人間達、私も、軽蔑しています。
軽蔑される人間達なんだけど、でも、それぞれ、それなりに生きていて、それなりに悩みもあり、苦しみもあるんです。だから、軽蔑してしまうけど、でも、どこか愛らしい、憎めない、助けたくなる、そんな気持ちになってしまうんです。高良くん演じるカズは、本当に、ダメ男の典型なんだけど、何故だか、誰もが助けたくなってしまう。周りに人が集まってきてしまうんです。確かに、容姿は抜群に良いけどね。でも、このアホさかげんは、許せないよなぁ。精神的に弱すぎるんです。私なら、どこかに修行に行かせるけどね。
全面に軽蔑されるような人間がたくさん出ていました。そして、一番表面的に軽蔑されるような、トップレスバーの真知子＝鈴木杏さんが、一番まともな考え方で、一番女性らしいなって思いました。どこまでも好きな人を守っていこうとするところは、軽蔑されるべき人間では無いと思えました。
高良くんは、人生を甘く見ているバカな若者を、すごく良く演じていました。キレるところとか、自分が抑えられない甘えきった人間の、少し狂っているような目が凄かったです。鈴木杏ちゃんは、あまりの脱ぎっぷりに驚きました。良く頑張りましたね。私が言うのもなんだけど、若い子の身体って、本当にキレイですね。こういう美しい身体を見てしまうと、そこらのお姉ちゃんのグラビアを見ても、サイボーグに見えてしまって、エロさも何も感じなくなってしまいます。アッパレでした。
この映画、私は、お薦めしたい映画だと思います。子供には、この深さは解らないかも知れないけど、大人なら、軽蔑するべき人間と、軽蔑されるべきでは無い人間の違いが解ると思います。人間は、職業や財力で評価されるのではなく、人間としての資質、そして心のあり方で評価されるべきであるのだと解ります。そして、自分は、人からどう見られているのか、どう思われているのかを、今一度、考えてみようと思いました。偽善者と軽蔑されることが無いよう、頑張っていきたいと思います。
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