「サマリア」 キム・ギドク監督の、人間の心情を深く深く描いた作品 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

DVDで、「サマリア」を観ました。


ストーリーは、

ヨジンとチェヨンは親友同士。2人でヨーロッパ旅行へ出るために、チェヨンが援助交際をし、ヨジンはそれを嫌いながらも、見張り役をしている。ある日、警察に踏み込まれたチェヨンは、いつもの笑顔を浮かべたまま、窓から飛び降りて死んでしまう。ヨジンは、そんなチェヨンの罪滅ぼしのために、相手の男たちにお金を返しはじめる。しかし、ヨジンの行動に気付いた父、ヨンギは、やり場の無い怒りから、男たちへ制裁を加えはじめた。
というお話です。


2005年に公開された映画です。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-サマリア1

援助交際を高校生でやっているんですが、なんだか、お粗末なんですよね。ホテルに警察が踏み込んだりして、逃げたりするの。日本で、警察がホテルに踏み込むなんて、聞いたことないけど、どうなのかなぁ。裸で走っているし、笑ってしまいました。滑稽に見えるけど、未成年の売春だから犯罪です。いつも思うのですが、買う人が居るから少女たちが売ってしまうんでしょ。理性の無い大人がいかに多いのかということを、鋭く描いていて、日本も韓国も同じなのだなと感じました。


チェヨンが援助交際をしているのを外で待っているヨジンは、身体を売っているチェヨンに負い目を感じながらも、自分が出来ないことをやっているチェヨンに嫉妬しているように見えました。イヤな事をやってくれている友達なんだけど、自分の知らないことをやっているのが憎らしかったのかなって思えました。でも、汚い男に触られた友達を可哀想に思い、自分がキレイにしてあげようと思ってお風呂に一緒に行って、身体を洗ってあげている姿もあり、少女の複雑な心情がすごいと思いましたね。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-サマリア3

そして、友達が事故で死ぬと、何故かお金を返そうと、チェヨンが抱かれた男性に連絡を取って、お金を返し始めるという、トンでもない展開で、不思議に思ったのですが、観ているうちに、自分が抱かれて、お金を返せば、汚れて死んでいった友達が清められると思ったように見えました。不思議な考え方なんだけど、チェヨンと話している時に、ある聖母のような娼婦の話をしていたことを思い出し、抱かれても相手を癒しているのだから聖母なのだということなのかもしれません。


ヨジンの父親が復讐をしていくのですが、ま、父親なら当たり前ですね。私も、自分の子供が、たとえば売春をしたことを知ったら、相手を殺そうと思うと思います。それほど親の愛は深いんですよ。好きな人とそういう事をしてしまったなら許せるけど、子供の身体を買った奴は許せんでしょ。このお父さんの気持ち、すごく解ります。でもね、復讐だけじゃなくて、娘とも話し合わなきゃダメだよね。話せないのも解るけど、でも、話して欲しいなぁ。


ゆきがめのシネマ、試写と劇場に行こっ!!-サマリア2

なんだか、最近は、援助交際なんて言葉、聞かなくなってますよね。だって、考えて見ると、援助じゃないじゃん。売りが仕事で、仕事の報酬を貰っているだけで、援助じゃないよね。(笑)若い頃にそんな事やってたら、身体がボロボロになるでしょ。そりゃ、色々、訳があるんだろうけど、ただ、今の自分の物欲を満たす為に身体を売っているんだったら、いつか腐るほど手に入れられるようなお金をつかむ為に勉強した方が、よっぽど良いと思うけどなぁ。小汚いオヤジに身体売るより、自分の力でいくらでも買えるようになる未来があるのに、勿体無いよ。人を観察して人間研究するのが、お金を儲ける一番の近道です。勉強って、学校の勉強じゃないですよ。そんなもん、必要無いからね。(笑)


この映画、人間の心理を深く深く描いていて、疲れました。でも、面白いです。表面だけ観ていると、ふーんって思って終わってしまうような感じだけど、場面場面の表情とか態度を観ていると、人間ってこうなるよなって、すごく心にズーンと来ます。もし、時間があったら、ぜひ、観てみてくださいね。カメ

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