先日、「マザーウォーター」を観てきました。
ストーリーは、
どこにでもあるような小さな街の小さなバー。カウンター席だけのどこにでもあるバーだが、違うのは、メニューにウイスキーしかないこと。店主のセツコは、オーダーが入るたびにグラスに大きな氷を入れ、マドラーで丁寧にかき混ぜてから水を注ぐ。家具職人のヤマノハは、セツコが言う「適当にやっているだけ」が、本当は適当でないことを知り、毎日のように店に来ては、その日に考えたことを話すのだった。
というお話です。
「人はピトピト進化していくんだよ。」ってセリフどおりの映画です。
映画内でも、ぴとぴと時間が進み、 なんだか、とってもゆっくりと時間が流れているようなそんな映画でした。
子供が出てくるのですが、きっとこの子供がキーで、子供を安心して人に預けられる、町全体で、子供を育てていくような、そんな町を理想とする映画なのだと思います。街に流れる川が、ゆっくりと人々を育んで、そして、規制に囚われないように、人間を開放していく感が伝わってきました。
私も、こんな町に住みたい・・・。子供を産んでも、安心して育てられる環境。安心して暮らせる環境が、人間を育んでいくのでしょう。ステキな映画です。
私が子供の頃、祖父母の家に預けられたり、近所のオバちゃんたちが、なんだかわからないけど、面倒を見てくれたり、まだ高校生だった伯父が面倒をみてくれたりしていて、誰かが私の周りに居てくれたような気がします。でも、同年代の子供は少なかったようで、なんだか、学校に行き始めたら、若年寄のように精神年齢だけ友達より高かったような気がしました。この映画に出てくる子供も、大人ばかりが周りに居るのでは、ちょっとかわいそうかなって思いました。
ストーリーとしては、まったく派手な動きが無く、始まりから終わりまで同じ空気が流れ、その幸せな地域で生活する人は、何か、過去に色々あったんだろうなぁって思わせるような雰囲気をかもし出しています。社会で揉まれてきて、疲れを癒すために、この地域に流れ着いてきたような人達ばかりなんです。その人達が、淡々と普通の毎日を過ごしており、それを日記のように、映像にしたものが、この映画だと思うんです。だから、アクションやサスペンスが好きな方には、ちょっと物足りなくなるかも。
でも、私は、この映画を観て、気持ちが穏やかになりました。別に、違っている事はイケないことじゃなくて、それはそれで、楽しんでしまえば良いのです。それが自分なのだと納得して、受け入れてしまえば良い。心を楽にさせてくれる映画です。だからね、勿体無いかもしれないけど、映画を観ながら、気持ちよくなって、寝ちゃってもいいんじゃないかなって思いました。きっと、寝て起きても、問題なく、また、映画が観れますから。そんな贅沢も、良いんじゃないの?って思えてしまうような、そんな映画です。
私は、お奨めしたいと思います。何も変わらないけど、何か中身が変わるかも知れませんよ。
・マザーウォーター@ぴあ映画生活
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