公開は来年の2月なのですが、モニター試写会で”食堂かたつむり”を観てきました。
ストーリーは、
とある小さな田舎の村に、都会からひとり戻ってきた娘・倫子。倫子は私生児で、子供の頃から”不倫で出来たから倫子”と虐められ、中学を卒業して直ぐに、都会のおばあちゃんの家に行っていたのだ。おばあちゃんが無くなり、カレーの人と恋に落ちたが、彼は突然失踪。何もかも無くなり、声も無くして、実家に帰ってきたのだ。自分が出来るのは、おばあちゃんから教わった美味しいごはんだけと思い、実家の納屋を改装し、食堂を始める。そして・・・。
というお話です。
原作の小説は、”王様のブランチ”でも紹介された女性に圧倒的な支持を集める話題作だそうです。

この映画、観ていて、不思議と幸せな気持ちになっていくんです。色々な不幸なことがあったり、決してハッピーな内容ばかりではないんですが、食堂で出される料理を食べる場面で、その不幸がふわ~っと癒されていくというか、不幸が発散されていくんです。
出演している俳優さんが、上手い方ばかりで、その食べ方と表情だけで、美味しいというのを表現していて、こちらまで美味しく感じられるんです。本当に、この映画は、役者さんの演技でぐぐーっと質が上がっていると思います。特に、母親役の余貴美子さんが、すごくステキで、上手いんです。一見、イヤ~な母親っぽく見えるんだけど、すごく愛があって、素直でステキな女性だということが、中からにじみ出てくるの。派手に見えて一途だったり、かわいい女性全開です。

そんな母親がコンプレックスで内にこもりがちな娘の倫子を、柴咲コウさんが演じていて、こちらも、ステキです。意地っ張りで扱いにくい女の子なんだけど、でも、どこかかわいくて、憎めない感じかな。美味しい食事を黙々と作ってくれます。ステキ。
そして、この映画の中で、あれっ?と思ったのが、食事と生物の関係です。ちょっと思ったのだけど、この話って、少し仏教系の教えが入っているのかなぁと思いました。
ブッダの教えで、ブッダに食事を動物たちが集めてくる中、うさぎさんだけ何も手に入れられず、ブッダに、”私が出せるものはこれだけです。”と言って、焚き火の中に自分の身を奉げる話で、ブッダは、ウサギを尊び、天界で自分の周りにうさぎを置くことにしたんです。
この映画でも、食材となったものは、最後まで大切に食べてあげるという考えがあるように思えて、それも愛なんだなぁと感じました。
まだ、チラシも制作段階のようで、どのデザインが良いかのアンケートもありました。
主題歌は、ステキなアーティストが決まるようですよ。もうすぐ発表だそうです。
原作は、まだ読んでいないのですが、とてもステキな映画です。母親に会いたくなるし、子供を愛したくなる、そんな映画です。特に、女性にお勧めだと思います。ぜひ、観に行ってくださいね。
